ES細胞等を用いた臨床研究に対する安全基盤の確立

文献情報

文献番号
201406025A
報告書区分
総括
研究課題名
ES細胞等を用いた臨床研究に対する安全基盤の確立
研究課題名(英字)
-
課題番号
H25-実用化(再生)-指定-013
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
梅澤 明弘(独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所再生医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 松原 洋一(独立行政法人国立成育医療研究センター)
  • 豊田 雅士(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター)
  • 西野 光一郎(宮崎大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 【補助金】 再生医療実用化研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、再生医療用ヒトES細胞をアーカイブすることにある。前臨床研究、非臨床研究、臨床研究、臨床試験において用いた細胞の検証システムを構築する。また、臨床研究及び臨床試験に用いる細胞の提供システムを構築する。1. 前臨床研究、非臨床研究、臨床研究、臨床試験に用いたヒトES細胞を検証するための長期的保管体制、2. 他の医療機関等と連携し、ヒトES細胞をはじめとする各種細胞を受入する体制、3. 前臨床研究、非臨床研究、臨床研究、臨床試験に用いる細胞の提供システム体制の3本柱を構築する。国立研究開発法人国立成育医療研究センターは京都大学に次ぐ国内2施設目のES細胞樹立機関としての認定を既に受けている。ヒトES細胞は樹立機関に帰属するものではなく、我が国の指針において公的資産と定められている。その指針に則した公的な継続可能な提供システムを構築することは、我が国の再生医療推進の一翼を担うことになる。
研究方法
本研究では、ヒトES細胞が半永久的に増殖できるという特徴を活かし、誰もがアクセス可能なES細胞の提供を実現することにある。臨床及び治験の用にES細胞を供することより、「ヒトES細胞の樹立に関する指針(文部科学省、厚生労働省)」、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号)」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)」の規定を順守した上で、研究を遂行する。また、「ヒト胚の取り扱いに関する基本的考え方(平成16年7月23日総合科学技術会議)」の基本方針に留意し、研究を遂行する。ヒトES細胞臨床研究の推進から薬事上の確認申請、製造販売承認への切れ目ない展開を効率的、効果的、合理的に行い、再生医療実用化を加速するES細胞の保管・保存、バンク化する。そのため、ヒトES細胞に関して、学問・技術の進歩、国際的動向、関係法規指針、様々な提言等、関係する諸要素を踏まえて研究を行い、製造技術、製造工程、製品評価、製品管理面で、保管・保存における留意事項、関連する評価基準、評価技術等について提示する。他施設からの細胞の受入も行なっていく。
結果と考察
本事業は、ヒト幹細胞臨床研究の推進から薬事上の確認申請、製造販売承認への切れ目ない展開を効率的、効果的、合理的に行った。トレーサビリティ体制の構築が終了した。再生医療実用化を加速するES細胞の保管・保存、バンク化を一部終了した。特に、国立成育医療研究センター、理化学研究所(筑波)において、分配が開始され、研究用に関するヒトES細胞提供は実現した。また、ヒトES細胞に関して、学問・技術の進歩、国際的動向、関係法規指針、様々な提言等、関係する諸要素を踏まえて、製造技術、製造工程、製品評価、製品管理面で、保管・保存における留意事項、関連する評価基準、評価技術等について検討を進めており、製薬企業を始めとした産業界に提供可能なバンク(ストック)を、国立成育医療研究センターとともに他の国立研究開発法人及び企業に設置することを最終ゴールとすべく準備が進んでいる。京都大学再生医科学研究所とは、極めて強固な連携をとっている。
結論
本研究を実施することで、検体の保存技術の確保、特性解析を通じたトレーサビリティ体制のモデルケースを示すことになる。また、いくつかの法令及びガイドラインを順守した上でのヒト細胞提供システム体制のモデルケースを示すことができた。

公開日・更新日

公開日
2015-06-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201406025Z