こども虐待ボーダーライン事例に対する保健師の支援実践-ネグレクト事例に対する支援スキルの開発-

文献情報

文献番号
201401017A
報告書区分
総括
研究課題名
こども虐待ボーダーライン事例に対する保健師の支援実践-ネグレクト事例に対する支援スキルの開発-
課題番号
H26-政策-一般-007
研究年度
平成26(2014)年度
研究代表者(所属機関)
小笹 美子(国立大学法人島根大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 長弘千恵(国際医療福祉大学福岡看護学部)
  • 斉藤ひさ子(国際医療福祉大学福岡看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 【補助金】 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成26(2014)年度
研究終了予定年度
平成28(2016)年度
研究費
3,108,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
こども虐待の発生予防、早期発見・早期対応を行うために保健師、助産師が行っているこども虐待ボーダーライン事例に対する支援のスキルを明らかにすることを最終的な目的とし、平成26年度は、行政機関の保健師が支援しているこども虐待ボーダーライン事例支援の現状と、医療機関の助産師が支援しているこども虐待ボーダーライン事例支援の現状を明らかにすることを目的とした。

研究方法
質問紙調査による横断研究を行った。
 平成26年度は先行文献を参考に、基本属性、こども虐待の把握に関する認識、こども虐待支援での連携の現状、平成25年度のこども虐待事例支援数、母子保健業務の実施状況、こども虐待に対する認識を含めた質問紙を作成し、郵送による無記名自記式調査を行った。
保健師対象の調査は、保健師のこども虐待支援状況及び認識を把握するために、母子保健業務担当者に限定せず、行政機関に勤務する保健師全体を対象とした。また、全国的な傾向が得られるように全国を5ブロックに分けて調査対象県を選定し、中核市等を含めた。調査対象者への協力依頼方法は、各対象機関に対して協力を依頼し、機関の代表者もしくは該当分野の責任者に調査実施の承諾を得たのちに調査を行った。調査対象者は、全国13都道県の市町村・保健所210か所の保健師1868名、九州沖縄地区5県の37医療機関の助産師132名であった。
調査票の回収率は保健師調査42.8%(800件)、助産師調査51.5%(68件)であった。
 倫理的配慮は、本研究の調査票送付時に対象者に研究目的、研究参加の自由、回答を拒否する権利があること、等を同封した文書で説明した。本調査は島根大学医学部の倫理審査委員会の承認後に実施した。
 データ分析は、疫学分野の研究協力者の助言を得て、統計ソフトを用いて記述統計分析を行った。
結果と考察
平均勤務年数は保健師14.8年、助産師10.8年であった。こども虐待に関心があるものは、保健師98.1%、助産師92.6%、支援経験ありは、保健師83.0%、助産師42.6%、ネグレクト事例支援経験は保健師78.5%、助産師30.9%であった。保健師のこども虐待支援事例数は平均15事例、1年間に支援する事例数は平均8事例、内3事例が新規事例であった。助産師は、疑いを含むこども虐待事例について平均経験数1.3事例であり、
1~2事例が主であった。保健師は、職場のこども虐待の予防や支援対策をある程度できていると評価しているが、乳幼児健診未受診者のフォローやマニュアルの整備など半数に満たないところがあった。また、多くの保健師がこども虐待事例の支援で困難さを認識し、その内容は多岐にわたっていた。
結論
平成26年度の調査結果から、保健師が支援を行っているこども虐待事例数、保健師や助産師が支援を行っている事例の母親の背景、支援している保健師の困難内容が明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2015-06-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-06-25
更新日
-

収支報告書

文献番号
201401017Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,574,000円
(2)補助金確定額
3,574,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 584,674円
人件費・謝金 390,901円
旅費 726,210円
その他 1,407,188円
間接経費 466,000円
合計 3,574,973円

備考

備考
その他収入が973円あった。

公開日・更新日

公開日
2016-03-15
更新日
-