Bridge to Decisionを目的とした超小型補助循環システム並びに頭蓋内・心血管治療用の新規多孔化薄膜カバードステントに関する医師主導型治験及び実用化研究

文献情報

文献番号
201336003A
報告書区分
総括
研究課題名
Bridge to Decisionを目的とした超小型補助循環システム並びに頭蓋内・心血管治療用の新規多孔化薄膜カバードステントに関する医師主導型治験及び実用化研究
課題番号
H23-実用化(臨床)-指定-003
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
峰松 一夫(独立行政法人国立循環器病研究センター 病院 )
研究分担者(所属機関)
  • 山本晴子(独立行政法人国立循環器病研究センター 研究開発基盤センター)
  • 北風政史(独立行政法人国立循環器病研究センター 研究開発基盤センター)
  • 妙中義之(独立行政法人国立循環器病研究センター 研究開発基盤センター)
  • 巽 英介(独立行政法人国立循環器病研究センター 研究所)
  • 築谷朋典(独立行政法人国立循環器病研究センター 研究所)
  • 武輪能明(独立行政法人国立循環器病研究センター 研究所)
  • 水野敏秀(独立行政法人国立循環器病研究センター 研究所)
  • 小林順二郎(独立行政法人国立循環器病研究センター 病院)
  • 中谷武嗣(独立行政法人国立循環器病研究センター 病院)
  • 赤川英毅(独立行政法人国立循環器病研究センター 研究開発基盤センタ)
  • 西 正吾(独立行政法人国立循環器病研究センター 研究所)
  • 中山泰秀(独立行政法人国立循環器病研究センター 研究所)
  • 飯原弘二(独立行政法人国立循環器病研究センター 病院)
  • 植田初江(独立行政法人国立循環器病研究センター 病院)
  • 田地川勉(独立行政法人国立循環器病研究センター 研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクト 難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究(早期・探索的臨床試験研究分野)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
92,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1.超小型補助循環システム
急性心筋梗塞患者の治療において、多臓器不全を併発している場合の血行動態の安定を図り治療方針を決定するための短期使用循環補助システムの重要性がより大きくなっている。申請者らは、これまで遠心型血液ポンプの羽根車を非接触で支持・回転させることが可能な動圧軸受型ポンプの開発を行い、すでに製品化された抗血栓性に優れた膜型人工肺と組み合わせた長期PCPS/ECMOシステムの開発を行い、すでに血液ポンプが臨床使用可能なレベルに到達していることを実証し、ドライバも含めシステムの製品化に必要な各種安全性試験も実施してきた。さらに、簡便な操作で左室に挿入することが可能であり、かつ心室内部のポジションに対しても広い許容範囲を持つカニューラについても新規に開発し、その性能を確認している。本年度は、システムの最終構成を決定するための実験的検討、ならびにシステムの安全性・有効性を実証するための各種試験に着手した。
2.脳動脈治療用多孔薄膜カバードステントの開発
本事業開始当初は,単一デバイスで頭蓋内ならびに心血管の双方の治療が可能かを検討したが、それぞれの要求性能に応じた設計が必要であるため、可能性を残しつつも、本年度からは脳動脈瘤の塞栓治療に特化して多孔薄膜カバードステントの開発に専念する様に軌道修正した。脳動脈治療用多孔薄膜カバードステントとして最終年度に医師主導治験を実施することを目的とし、早期に実用化することを最終目標とする。
研究方法
1.超小型補助循環システム
①耐久性試験、②カニューレの圧力損失測定、③慢性動物実験、④MEDICIプロジェクトにおける非臨床試験施設および信頼性保証部門の設置を行う。
2.脳動脈治療用多孔薄膜カバードステントの開発
①生物学的安全性試験の実施項目の決定とPMDA薬事戦略
相談、②頭蓋内屈曲血形状痰の模擬血管内での誘導性、外弯側動脈瘤の塞栓性、分枝血管の開存性の各試験系についての予備試験の実施、③生体外機能評価としての拍動流回路実験の実施、④信頼性を担保した試験を実施可能な組織の構築及び標準操作手順書に基づいた試験計画の立案を行う。
結果と考察
1.超小型補助循環システム
①独自開発した耐久性試験装置に、本システムの遠心ポンプ部を装着し、生体心の拍動を模擬する運転条件において30日間の連続運転を実施した。②小径のカニューレの圧力損失特性を測定し、システム全体のポンプ特性を予測した。③シリコン製の送血管は、人工血管との接合部で血栓形成が見られるため、今年度以降は、塩化ビニル製(塩ビ製)の送血管に変更した。脱血管については、3種の脱血カニューレを検討し、それぞれ最長1ヶ月間の慢性左心補助実験を施行した。④SOPに従い、試験組織の運営管理者及び各種信頼性保証部門の責任者を選任し組織を構築し非臨床試験に対する信頼性保証体制を構築した。
2.脳動脈治療用多孔薄膜カバードステントの開発
生物学的安全性試験における細胞毒性試験は、GLPとして「医療機器の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令」及び関連ガイドラインを遵守し、実行した。非臨床動物性能試験に関しては、本カバードステントに要求される性能として、1)頭蓋内の蛇行血管内を容易に誘導できる柔軟性を有していること、2)ステントの留置直後に閉塞効果が確認でき、短期間で開口部を含む内腔面が内膜組織で覆われること、3)分枝血管の開存性が損なわれないこと、が要求されるため、それぞれを証明するために各動物実験モデルを作製し、予備試験を実施した。非臨床性能試験に関しては、脳動脈瘤と親血管、およびカバードステントの2次元モデルを作製し、生体外模擬実験によって、動脈瘤内の血流に及ぼす影響を調べることで検討した。さらに、信頼性を担保した試験を実施可能なシステムを構築し、 信頼性が担保された非臨床試験の立案およびその試験の実施を行った。
結論
1.超小型補助循環システム
 本研究では、システムに必要な送血管の開発を行い、これらの要素を組み合わせて抗血栓性に優れ可動性小型補助循環システムを構築する。また、臨床治験に必要な各種安全性試験を実施する。これらのデータを元に治験準備を進め、平成27年度以降に医師主導治験計画を決定し、実施する。
2.脳動脈治療用多孔薄膜カバードステントの開発
頭蓋内ならびに心血管の双方を治療可能な新たな低侵襲血管内治療デバイスに関して、その完成度を高め、上記ロードマップ内に示す各年度の目標の達成をめざし、平成27年度までに医師主導治験まで着手することを目的とし、研究終了後の早期の実用化を最終目標とする。

公開日・更新日

公開日
2015-03-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2015-05-11
更新日
-

収支報告書

文献番号
201336003Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
120,120,000円
(2)補助金確定額
120,120,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 57,889,753円
人件費・謝金 23,985,380円
旅費 1,786,920円
その他 8,740,378円
間接経費 27,720,000円
合計 120,122,431円

備考

備考
必要額に超過が生じたため。差額は自己負担している。

公開日・更新日

公開日
2015-06-17
更新日
-