文献情報
文献番号
201332008A
報告書区分
総括
研究課題名
CHP/NY-ESO-1ポリペプチドがんワクチンの術後食道癌症例を対象とした多施設共同前期第II相臨床試験
課題番号
H23-実用化(がん)-一般-008
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
珠玖 洋(国立大学法人三重大学大学院 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 土岐 祐一郎(大阪大学大学院医学系研究科外科学消化器外科学)
- 安部 哲也(愛知県がんセンター中央病院消化器外科消化器外科)
- 平野 聡(北海道大学大学院医学研究科 消化器外科学分野II)
- 石川 剛(京都府立医科大学消化器内科)
- 上田 修吾(財団法人田附興風会 医学研究所第一研究部・消化器外科学)
- 永田 康浩(国立病院機構長崎医療センター消化器外科学)
- 金高 賢悟(長崎大学附属病院 上部消化管外科)
- 五島 直樹((独)産業技術総合研究所・生体分子プロファイリング研究センター)
- 佐藤 永一(東京医科大学人体病理学)
- 山田 知美(大阪大学大学院医学系研究科)
- 毛利 靖彦(三重大学大学院医学系研究科 消化管・小児外科学)
- 大津 敦((独)国立がん研究センター早期・探索臨床研究センター)
- 島田 英昭(東邦大学外科学講座 一般・消化器外科、腫瘍外科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクト 難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究(がん関係研究分野)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
142,957,000円
研究者交替、所属機関変更
京都府立医科大学 消化器内科・癌治療学消化器病学 古倉 聡から
京都府立医科大学 消化器内科 石川 剛に変更。
研究分担者 山田 知美の所属機関が三重大学医学系研究科 生物統計学から
大阪大学大学院 医学系研究科に変更。
研究報告書(概要版)
研究目的
食道癌は再発が多く、再発後は有効な治療が乏しい予後不良癌であり、初回治療後の再発・転移抑制に有効な新規治療法が望まれる。本研究では、進行食道癌を対象に第I相治験を実施したCHP/NY-ESO-1ポリペプチドがんワクチンを、術前化学療法と根治的手術を行った食道癌患者に単剤で投与しアジュバント効果を探索する前期第Ⅱ相試験を医師主導治験として実施する。「安全性」「無再発生存期間」「全生存期間」を評価すると共に、免疫応答と遺伝子発現の網羅的解析による随伴研究で次相の臨床研究デザインに資する情報を得る。
研究方法
多施設共同の医師主導治験として前期第Ⅱ相試験を実施し、安全性、無再発生存期間及び全生存期間延長効果を確認。随伴研究の蛋白及びDNAアレイを用いた網羅的解析で後期第Ⅱ相試験の患者層別化に資する情報を取得。対象は腫瘍にNY-ESO-1を発現する35症例。治験薬(200μg/回)を2週間隔で6回投与後、4週間隔で9回投与。非投与対照群(同じく抗原陽性)35症例。追跡期間は最終症例の二次登録後から2年間を設定。治験薬GMP準拠の治験薬を(株)イミュノフロンティアから提供された原薬で作製。長年の多施設臨床研究で構築したネットワークと経験を基にGCP準拠臨床試験を実施。
結果と考察
1.症例登録の加速化対策を実施した。具体的には、一次登録から二次登録への移行率が当初の想定を下回った為、原因分析のもとにプロトコール見直しを行い、選択基準を病理病期から臨床病期に改訂した。又、より柔軟な一次登録を可能にするべくプロトコールを変更した。改訂の結果、一次登録数の増加が認められた。また二次登録への移行率は今後、顕著に増加することが期待される。2.平成26年1月末現在一次登録130例、二次登録17例であり、上記対策に加えて、施設追加(当初の7施設から14施設へ増加)を行い、試算上平成26年度中に70例の二次登録を完遂する見通しがついた。3.免疫反応検査、プロテインアレイ、遺伝子発現検査等について解析中である。4.平成25年に臨床研究中核病院となった国立病院機構名古屋医療センターのARO機能の支援を受けることを計画検討している。
順調に一次登録が進行している。一次登録から二次登録への移行率が当初想定30%(食道癌におけるNY-ESO-1抗原陽性率35%をベースとして)を下回る13%であったため、原因分析のもとにプロトコール見直しを行い、選択基準を病理病期から臨床病期に改訂した。又、より柔軟な一次登録を可能にするべくプロトコールを変更した。改訂の結果移行率が25%程度に顕著に増加することが推察される。また、NY-ESO-1陽性率はこれまでの集計にて約40%であり、今後の登録の大きな問題とはならないと考えられた。登録基準改定の対策に加えて平成26年度には施設追加を予定しており(当初7施設から26年度には14施設に増加)、試算上平成26年度中に70例の二次登録を完遂することが可能と考えられる。また今後、免疫反応検査、プロテインアレイ、遺伝子発現検査等の結果と臨床経過との相関の中間評価により、有意義な示唆が得られると期待される。
順調に一次登録が進行している。一次登録から二次登録への移行率が当初想定30%(食道癌におけるNY-ESO-1抗原陽性率35%をベースとして)を下回る13%であったため、原因分析のもとにプロトコール見直しを行い、選択基準を病理病期から臨床病期に改訂した。又、より柔軟な一次登録を可能にするべくプロトコールを変更した。改訂の結果移行率が25%程度に顕著に増加することが推察される。また、NY-ESO-1陽性率はこれまでの集計にて約40%であり、今後の登録の大きな問題とはならないと考えられた。登録基準改定の対策に加えて平成26年度には施設追加を予定しており(当初7施設から26年度には14施設に増加)、試算上平成26年度中に70例の二次登録を完遂することが可能と考えられる。また今後、免疫反応検査、プロテインアレイ、遺伝子発現検査等の結果と臨床経過との相関の中間評価により、有意義な示唆が得られると期待される。
結論
平成25年度は症例の収集が順調に進行し、予定通りCHP/NY-ESO-1ポリペプチドがんワクチンを用いた多施設共同前期第Ⅱ相臨床試験の一次登録が進んだ。一次登録から二次登録への移行率が予定を下回った為に加速化対策を実施し、予定通りに平成26年度に二次登録70例を完遂する見通しがついた。
公開日・更新日
公開日
2015-09-07
更新日
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