文献情報
文献番号
201331005A
報告書区分
総括
研究課題名
遺伝性難治疾患の網羅的エクソーム解析拠点の構築
課題番号
H23-実用化(難病)-一般-005
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
松本 直通(横浜市立大学 医学研究科 環境分子科学教室)
研究分担者(所属機関)
- 池川志郎(理化学研究所統合生命医科学研究センター)
- 高橋篤(理化学研究所統合生命医科学研究センター)
- 福嶋義光(信州大学医学部遺伝医学予防医学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクト 難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究(難病関係研究分野)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
153,847,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、遺伝性疾患を対象に、網羅的全エクソーム解析により原因遺伝子を解明することを目的とする。本拠点班が他の一般研究班や奨励研究班と連携して疾患遺伝子解明を進め、全エクソーム解析用共通プロトコールを策定する
研究方法
1.症例集積と他の研究班との連携:骨系統疾患コンソーシアム・胎児骨系統疾患ネットワーク、臨床遺伝ネットワークなどを通じ症例を集積した。既に実績と定評のある専門家ネットワークを通じて正確な診断が成され、かつ詳細な臨床情報を得られる症例群を多数集積する。
2.全エクソーム解析:Agilent社のSureSelect等を用いてヒトゲノム全遺伝子のエクソン領域のみを分画し、Illumina社Hiseq2000およびHiseq2500を用いてペアエンドシーケンスを行う。
3.次世代シーケンスデータ解析:次世代シーケンス算出データから遺伝子変異同定するための効率的な解析フローを策定、これを用いて解析データから疾患に関連する変異を特定する。
4.次世代シーケンスデータの検証:対象とする遺伝性疾患の想定発症モデルに沿って次世代シーケンスで検出した遺伝子異常、稀なSNP候補群を症例および家族構成員のゲノムDNAを用いて、サンガーシーケンス等で検証していく。
5.遺伝子変異と臨床病型・機能異常の検討:本研究で変異が明らかになった症例についての詳細な臨床情報を分析し、遺伝子変異が惹起する臨床病型を明らかにし変異が及ぼす機能的影響を検証する。
6.次世代データ解析プロトコール:オープンリソースあるいは有料リソースの解析ソフト(マッピングツール、アノテーションツール)を比較検討し効率的かつ効果的な解析系を確立する。
7. ゲノム研究倫理の検討:本研究に関連する倫理的課題を調査・整理する。
2.全エクソーム解析:Agilent社のSureSelect等を用いてヒトゲノム全遺伝子のエクソン領域のみを分画し、Illumina社Hiseq2000およびHiseq2500を用いてペアエンドシーケンスを行う。
3.次世代シーケンスデータ解析:次世代シーケンス算出データから遺伝子変異同定するための効率的な解析フローを策定、これを用いて解析データから疾患に関連する変異を特定する。
4.次世代シーケンスデータの検証:対象とする遺伝性疾患の想定発症モデルに沿って次世代シーケンスで検出した遺伝子異常、稀なSNP候補群を症例および家族構成員のゲノムDNAを用いて、サンガーシーケンス等で検証していく。
5.遺伝子変異と臨床病型・機能異常の検討:本研究で変異が明らかになった症例についての詳細な臨床情報を分析し、遺伝子変異が惹起する臨床病型を明らかにし変異が及ぼす機能的影響を検証する。
6.次世代データ解析プロトコール:オープンリソースあるいは有料リソースの解析ソフト(マッピングツール、アノテーションツール)を比較検討し効率的かつ効果的な解析系を確立する。
7. ゲノム研究倫理の検討:本研究に関連する倫理的課題を調査・整理する。
結果と考察
1. 症例集積と一般研究班との連携:専門医と各種ネットワーク等を通じて遺伝性難治疾患の集積を行う。質の高い症例群の集積により全エクソームデータから真の遺伝子異常を同定する確率は飛躍的に向上し、これが研究成功の重要な鍵となる。本事業の一般研究班や難治性疾患克服研究事業奨励研究分野の既存班と連携し、研究を進めた。
2. 全エクソーム解析:Agilent社のSureSelectのエクソーム濃縮キットを用いてヒトゲノム全遺伝子のエクソン領域のみを分画し、HiSeq2000とHiseq2500をそれぞれ1台ずつ用いてペアエンドシーケンスを進めた。
3. 次世代シーケンスデータ解析:次世代シーケンス産出データから遺伝子変異同定するソフトウェアとしてNovoalign-GATK-Annovarを用いた解析フローを主たるプラットフォームとして多サンプルでエクソーム解析を進めた。
4. 次世代シーケンスデータの検証:検出した塩基異常をPCR・キャピラリーシーケンスにて検証する。この検証過程が極めて重要でプロトコール作成へフィードバックされる。検出した変異について順次検証を進めている。
5. 遺伝子変異と臨床病型・機能異常の検討:変異を発見した症例毎の詳細な臨床情報を分析し、臨床病型を明らかにし、変異が惹起する機能的影響を実験系で検証した。本年度は新規の疾患責任遺伝子としてSENDA・ネマリンミオパチー・SEMD-JL1・難治性てんかんの遺伝子変異同定に成功した。
6. 次世代データ解析プロトコールの策定:各種検出プロトコールによるデータの比較検討と改良によって最適プロトコール作りを進めた。既に複数の疾患で遺伝子異常が明らかになった陽性コントロールデータ用いてNovoalign/GATKによるアラインメントとAnnovaを用いたアノテーションツールを組み合わせた理想的なフローが出来上がった。
7. ゲノム研究倫理の検討:本研究に関連する倫理的課題を調査・整理を進めた。
本研究は、所属施設IRBの承認を受け適切な倫理的配慮と手続きを得て行われた。
2. 全エクソーム解析:Agilent社のSureSelectのエクソーム濃縮キットを用いてヒトゲノム全遺伝子のエクソン領域のみを分画し、HiSeq2000とHiseq2500をそれぞれ1台ずつ用いてペアエンドシーケンスを進めた。
3. 次世代シーケンスデータ解析:次世代シーケンス産出データから遺伝子変異同定するソフトウェアとしてNovoalign-GATK-Annovarを用いた解析フローを主たるプラットフォームとして多サンプルでエクソーム解析を進めた。
4. 次世代シーケンスデータの検証:検出した塩基異常をPCR・キャピラリーシーケンスにて検証する。この検証過程が極めて重要でプロトコール作成へフィードバックされる。検出した変異について順次検証を進めている。
5. 遺伝子変異と臨床病型・機能異常の検討:変異を発見した症例毎の詳細な臨床情報を分析し、臨床病型を明らかにし、変異が惹起する機能的影響を実験系で検証した。本年度は新規の疾患責任遺伝子としてSENDA・ネマリンミオパチー・SEMD-JL1・難治性てんかんの遺伝子変異同定に成功した。
6. 次世代データ解析プロトコールの策定:各種検出プロトコールによるデータの比較検討と改良によって最適プロトコール作りを進めた。既に複数の疾患で遺伝子異常が明らかになった陽性コントロールデータ用いてNovoalign/GATKによるアラインメントとAnnovaを用いたアノテーションツールを組み合わせた理想的なフローが出来上がった。
7. ゲノム研究倫理の検討:本研究に関連する倫理的課題を調査・整理を進めた。
本研究は、所属施設IRBの承認を受け適切な倫理的配慮と手続きを得て行われた。
結論
メンデル遺伝性疾患を解析対象にした次世代シーケンス拠点として解析環境を整備し、エクソーム解析において複数の原因未解明の疾患において責任遺伝子を単離した。情報解析系でも大量解析系にの対応も可能と成りエクソーム解析拠点としての研究が順調に進行している。
公開日・更新日
公開日
2018-06-10
更新日
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