科学的根拠に基づく輸血ガイドラインの策定等に関する研究

文献情報

文献番号
201328066A
報告書区分
総括
研究課題名
科学的根拠に基づく輸血ガイドラインの策定等に関する研究
課題番号
H25-医薬-一般-021
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
松下 正(名古屋大学医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 松本雅則(奈良県立医科大学)
  • 宮田茂樹(国立循環器病研究センター)
  • 羽藤高明(愛媛大学医学部附属病院)
  • 紀野修一(旭川医科大学)
  • 牧野茂義(虎の門病院)
  • 岡崎仁(東京大学医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
5,950,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 輸血療法においては「副作用が発生することを前提とした」医薬品である血液製剤が本来的に有する危険性を改めて認識しより適正な使用を推進する必要がある。また、血液製剤の取扱いには高い倫理的観点からの配慮が必要であり、すべての血液製剤について自給を目指すことは国際的な原則である。これらの目的の達成のためには血液製剤の使用適正化の推進が不可欠であり、厚生労働省では1999年以降「血液製剤の使用指針」が策定され、小規模な改訂が進んできた。輸血医療においても医療者と患者が特定の臨床状況での適切な診療の意思決定を行っていくためには診療ガイドラインの存在が不可欠である。血液製剤の使用方法については「エビデンスに基づいた」標準的な対処法を探索する必要があり、現在「指針」が定義する「治療開始のトリガー」、「目標値の達成の仕方」等について、本研究では3年間にわたり、日本輸血・細胞治療学会の各専門家からなる「指針改定検討委員会」においてこれまで行われてきた検討・議論を集大成し、エビデンスの正しい評価に基づいた最終的な「指針」の大規模改訂につなげることを目標とする。
研究方法
研究体制として赤血球、血小板、FFPならびに凝固因子補充療法、アルブミン等の分画製剤、輸血の副作用の最適な診療の5つの柱について日本輸血・細胞治療学会の各専門家からなる「指針改定検討委員会」においてこれまで行われてきた検討・議論を集成、また委員会を中心に9名の研究協力者をピックアップし、各分担研究者の担当する領域を補佐する体制とした。とpしてはCQの設定(1年目)、個々のエビデンス(文献)の評価(2年目)、アウトカムのグレーディングを3年目に行い、報告書をもってエビデンスの正しい評価に基づいた最終的な「指針」の大規模改訂につなげることを目標とする

結果と考察
まず「赤血球」「血小板」「FFPならびに凝固因子補充療法」「アルブミン等の分画製剤」「輸血の副作用の最適な診療」の5つの柱について日本輸血・細胞治療学会の各専門家からなる「指針改定検討委員会」において作業グループについて計9つのタスクフォースを結成した。上記を受け、平成25年度の第1回班会議を平成26年2月23日(日) 10:00~野村コンファレンスプラザ日本橋にて開催した。
① 赤血球製剤の使用指針におけるCQ(米村タスクフォース)より提案のあった5つのCQについて検討を行った。CQ個数は実際のシステマティックレビューを開始する前にもう少し絞り込むべきではないかとの観点で修正することとした。
② 10個の新鮮凍結血漿の使用指針におけるCQ(タスクフォース)について検討を行った。これらのCQはほぼ妥当であり、今後システマティックレビューに進むこととなった。
③ 血小板の使用指針におけるCQ(タスクフォース)からは13個のCQが提出され、検討を行ったところ内容はほぼ網羅されているがもう少し絞り込みを行ってシステマティックレビューに向かうこととなった。
④ 危機的出血/大量輸血におけるタスクフォースにおける議論では宮田班員より日本輸血・細胞治療学会の当該タスクフォースにおける議論の進行が報告された。大量出血における対応法について改訂指針に新たに項を設け、大量輸血における製剤の使用指針としてとりまとめることとした。
⑤ アルブミン製剤の使用指針におけるCQについてこれまで牧野班における議論の概要が報告され、安村班員より牧野班において検討してきた1-16のCQが報告された。これらのCQについてはすでにシステマティック・レビューが一部開始されており、本班において引き着いていくこととした。
結論
以上を元に、2年目にシステマティック・レビューを行いエビデンスの正しい評価に基づいた最終的な「指針」の大規模改訂につなげることを目標とする。

公開日・更新日

公開日
2017-05-22
更新日
-

収支報告書

文献番号
201328066Z