食品添加物等における遺伝毒性・発がん性の短期包括的試験法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201327024A
報告書区分
総括
研究課題名
食品添加物等における遺伝毒性・発がん性の短期包括的試験法の開発に関する研究
課題番号
H24-食品-一般-013
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
鰐渕 英機(大阪市立大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 辻内 俊文(近畿大学 理工学部)
  • 魏 民(大阪市立大学 大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
14,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
これまでに開発してきた遺伝毒性・発がん性の短期包括的試験法が発がんリスク評価システムとして有用であることをさらに検証するため、発がん性・変異原性を有する食品添加物あるいは食品中化学物質についてできる限り多く検討する。本年度では、その一環として、gpt deltaラット短期発がんリスク評価試験法を用いて、in vivo変異原性が未検討である肝発がん物質 1,4-ジオキサンについて変異原性および発がん性を検討した。また、膀胱発がんの前がん病変マーカーの開発を行った。
研究方法
gpt deltaラットに1,4-ジオキサンを0, 200, 1000, 5000 ppmの用量で16週間飲水投与し、肝臓におけるgpt遺伝子の変異頻度およびGST-P陽性細胞巣の発生個数を検討した。膀胱発がんの前がん病変マーカーの同定試験では、異なる発がん物質で誘発したラットの膀胱がんで共通に発現量が有意に増加した遺伝子を同定し、さらに、7種類の膀胱発がん物質、2種類の膀胱発がん促進物質および3種類の非膀胱発がん物質をそれぞれ4週間投与したラット膀胱粘膜におけるこれらの遺伝子の発現を検索することにより、早期前がん病変マーカーの同定を行った。
結果と考察
gpt deltaラットに1,4-ジオキサンを0, 200, 1000, 5000 ppmの用量で16週間飲水投与し、肝臓におけるgpt遺伝子の変異頻度およびGST-P陽性細胞巣の発生個数を検討した。膀胱発がんの前がん病変マーカーの同定試験では、異なる発がん物質で誘発したラットの膀胱がんで共通に発現量が有意に増加した遺伝子を同定し、さらに、7種類の膀胱発がん物質、2種類の膀胱発がん促進物質および3種類の非膀胱発がん物質をそれぞれ4週間投与したラット膀胱粘膜におけるこれらの遺伝子の発現を検索することにより、早期前がん病変マーカーの同定を行った。
結論
gpt deltaラット短期発がんリスク評価試験法が遺伝毒性・発がん性の短期包括的試験法として有用であることが示された。OCMとMMP3が膀胱発がんにおける新規前がん病変マーカーとして有用であり、組み合わせて使用することにより、化学物質の膀胱発がん性を予測できることが明らかとなった。

公開日・更新日

公開日
2015-06-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201327024Z