細胞内脂質合成を標的とした抗高病原性ウイルス療法の分子基盤

文献情報

文献番号
201318073A
報告書区分
総括
研究課題名
細胞内脂質合成を標的とした抗高病原性ウイルス療法の分子基盤
課題番号
H25-新興-若手-003
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
浦田 秀造(長崎大学 熱帯医学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 早坂 大輔(長崎大学 熱帯医学研究所 )
  • 黒崎 陽平(長崎大学 熱帯医学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は未だに有効なワクチン・抗ウイルス薬がないヒト高病原性ウイルスであるルジョウイルス (アレナウイルス科)、デングウイルス (フラビウイルス科)、及びクリミア・コンゴ出血熱ウイルス (ブニヤウイルス科)に対して脂質合成において中心的な役割を果たすS1P/SKI-1が有効な抗ウイルス薬の標的となり得るか評価することが目的である。
研究方法
対象ウイルスには感染性ウイルスの使用がバイオセーフティ―レベル (BSL)-4に限定されているルジョウイルス、クリミア・コンゴ出血熱ウイルスが含まれ、本国においてこれらの感染性ウイルスでの評価はできないが、ウイルスタンパク質発現系・モデルウイルスの系を駆使し、分子生物学的解析を進めた。デングウイルスについてはデングウイルス2型を用いて実験を行った。S1P/SKI-1阻害には低分子化合物PF-429242を使用した。
結果と考察
本年度においては、ルジョウイルス、クリミア・コンゴ出血熱ウイルスについてはタンパク質発現系、モデルウイルスの系にてS1P/SKI-1が有効な抗ウイルスの標的となり得る結果を得、デングウイルスにおいても感染性ウイルスを用いてデングウイルス血清型2型に対してS1P/SKI-1が有効な抗ウイルスの標的となり得る結果を得た。
結論
脂質合成において中心的な役割を果たす細胞内酵素S1P/SKI-1がウイルス種の異なる高病原性ウイルスである、ルジョウイルス (アレナウイルス科)、デングウイルス (フラビウイルス科)、及びクリミア・コンゴ出血熱ウイルス (ブニヤウイルス科)も対して有効な抗ウイルスの標的となり得ることを示唆された。

公開日・更新日

公開日
2015-03-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201318073Z