地方自治体との連携による新型インフルエンザ等の早期検出およびリスク評価のための診断検査、株サーベイランス体制の強化と技術開発に関する研究 

文献情報

文献番号
201318038A
報告書区分
総括
研究課題名
地方自治体との連携による新型インフルエンザ等の早期検出およびリスク評価のための診断検査、株サーベイランス体制の強化と技術開発に関する研究 
課題番号
H25-新興-一般-002
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
小田切 孝人(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 皆川 洋子(愛知県衛生研究所)
  • 藤田 信之(独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部)
  • 佐藤 裕徳(国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センター)
  • 齋藤 玲子(新潟大学医歯学系国際保健学講座)
  • 影山 努(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター )
  • 高下 恵美(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター )
  • 今井 正樹(岩手大学農学部獣医衛生学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
16,266,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)全国地衛研でEQAを実施し、その成績に基づいて個々の地衛研のPCR検査系の精度見直し、改善を行う。2)H7N9の流行拡大に備えて、簡便なPCR検査系を緊急開発し、その実用性を検証する2) 全国地衛研におけるウイルス分離培養法の実態調査をする。3) 2014年1月から北海道で薬剤耐性株の地域流行が発生したことから、臨床現場での薬剤治療戦略の改訂へ貢献する。4)ウイルスのリスク評価に計算科学による遺伝子解析基盤を構築する。5)ワクチン接種後の血清学的評価のフィールドを維持する。
研究方法
1)H5N1、H7N9鳥インフルエンザウイルスを含むPCR検査系の感度と精度検証のための外部精度評価試験(EQA)を実施。結果の評価と個別のトラブルシューティング。2)全国地衛研におけるウイルス分離培養技術のアンケート調査。3) PCR検査および薬剤感受性試験によるA(H1N1)pdm09ウイルス薬剤耐性株の大規模モニター。H3N2およびB型ウイルスは、薬剤感受性試験で耐性株のモニターを実施。4) in silico解析によるウイルスリスク評価マーカー変異リストの作成。5)2012/13シーズンワクチン接種後のヒト血清抗体を用いたワクチンの免疫原性の評価。
結果と考察
1)全国地衛研でPCR検査EQAを実施した。これにより、全国規模での検査精度が向上した。これは、2013年5月に中国で発生したH7N9ウイルスの人感染例の増加に際して、わが国へH7N9ウイルスが流入した場合に備えて、PCR検査系の緊急配備と立ち上げに効果的に機能した。2)株サーベイランスにおけるウイルス分離培養技術の実態調査をし、概ね良好であることを把握した。3)薬剤耐性株の地域流行を捉え、医療機関へ情報提供と薬剤治療戦略の再考と治療ガイドラインの改訂に貢献した。4)遺伝子配列情報の計算科学解析から、リスク評価変異の候補リストを作成した。今後株サーベイランスにおけるチェックマークとしての活用を期待したい。5)ワクチン接種後の各年齢層のHI血清抗体価を測定し、B型ワクチンの老人層の抗体応答が低いことを把握した。ワクチンの有効性の検討に活用したい。
結論
1) 全国地衛研でPCR検査EQAを実施。精度向上に有効に機能した。2)薬剤耐性株の地域流行をタイムリーに捉え、情報発信した。3)ワクチンの血清学的有効性評価

公開日・更新日

公開日
2015-03-31
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201318038Z