25年間継続した妊婦のHTLV-1抗体検査から得られた母子感染予防効果の検証および高精度スクリーニングシステム開発

文献情報

文献番号
201318019A
報告書区分
総括
研究課題名
25年間継続した妊婦のHTLV-1抗体検査から得られた母子感染予防効果の検証および高精度スクリーニングシステム開発
課題番号
H23-新興-一般-026
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
増崎 英明(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科展開医療科学講座(産婦人科))
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
19,025,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201318019B
報告書区分
総合
研究課題名
25年間継続した妊婦のHTLV-1抗体検査から得られた母子感染予防効果の検証および高精度スクリーニングシステム開発
課題番号
H23-新興-一般-026
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
増崎 英明(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科展開医療科学講座(産婦人科))
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201318019C

成果

専門的・学術的観点からの成果
1)HTLV-1キャリア妊婦105例のうち6例の臍帯血液中にプロウイルスの存在を確認し、胎内感染の可能性が考えられた。
2) 分娩に伴い血中HTLV-1プロウイルス量が有意に低下することが明らかになった(p<0.001)。また、妊娠中にのみ末梢血液中にHTLV-1プロウイルスが検出される例が存在することが確認された。妊娠に伴うHTLV-1プロウイルス量の変化については、今後の詳細かつ大規模な解析調査の必要が示された。
臨床的観点からの成果
1)長崎県内の妊婦を対象として、PCR法を導入した妊婦のHTLV-1スクリーニングシステムを確立した。
2)長崎県における妊婦のHTLV-1キャリア率の年次推移は1987年には7.2%であったが、2013年には1.0%にまで低下していた。
3) 出生年代別にみると、介入試験が始まった1987年以前に出生した妊婦におけるHTLV-1抗体陽性率は1.46%であるのに対して、1987年以降に出生した妊婦におけるそれは0.63%であった。
ガイドライン等の開発
産婦人科診療ガイドライン産科編2014(日本産科婦人科学会)CQ612”HTLV-1検査と陽性例の取り扱いは?”の策定に貢献した。
その他行政的観点からの成果
長崎県ATLウイルス母子感染防止に関する講演会を主催し、キャリア妊婦が人工栄養を選択する割合は、1999年から2008年にかけて56.6%にまで落ち込んだが、2009年に64.4%、2010年に68.9%、2011年に70.4%そして2013年には75%とV字回復の傾向にあった。定期的な講習会や市民公開講座の開催は、医療者側と市民の双方にとってHTLV-1母子感染に対する意識を高めることにつながり、HTLV-1母子感染予防システムの確立にきわめて重要と思われた。
その他のインパクト
長崎県ATLウイルス母子感染防止に関する講演会を開催した。講演会では、血液内科医がATL治療の現状、HAM患者の会代表による患者の視点、産婦人科医と小児科医がHTLV-1母子感染予防について講演を行った。定期的な講習会や市民公開講座の開催は、医療者側と市民の双方にとってHTLV-1母子感染に対する意識を高めることにつながり、HTLV-1母子感染予防システムの確立にきわめて重要と思われた。

発表件数

原著論文(和文)
3件
原著論文(英文等)
1件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
4件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
増﨑英明
HTLV-1母子感染対策事業における保健師の役割 長崎県における取り組みを中心に
保健師ジャーナル , 69 (10) , 795-800  (2013)
原著論文2
Moriuchi H, Masuzaki H, Doi H
Mother-to-child Transmission of Human T-cell Lymphotropic Virus Type 1.
The Pediatric Infectious Disease Journal , 32 (2) , 175-177  (2013)
原著論文3
三浦清徳、築山尚史、増﨑英明
HTLV-1
臨床婦人科産科 , 67 (1) , 152-162  (2013)
原著論文4
築山尚史、三浦清徳、増﨑英明
長崎県におけるHTLV-1母子感染防止の取り組み
日本産婦人科新生児血液学会誌 , 22 (2) , 45-54  (2013)

公開日・更新日

公開日
2014-06-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201318019Z