ブレイン-マシン・インターフェイス(BMI)による障害者自立支援機器の開発

文献情報

文献番号
201317024A
報告書区分
総括
研究課題名
ブレイン-マシン・インターフェイス(BMI)による障害者自立支援機器の開発
課題番号
H25-身体・知的-一般-010
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
中島 八十一(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 神作 憲司(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 )
  • 近藤 清彦(公立八鹿病院)
  • 長尾 雅裕(都立神経病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
50,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
脳からの信号を計測し、それを利用して機器操作を行い、運動やコミュニケーションの補助、生活環境の制御などを行おうとする、「ブレイン-マシン・インターフェイス(BMI)」技術を障害者が実際に使うべく開発し、障害者が失った機能を取り戻し、活動領域を拡張することを目的とする。
研究方法
ブレイン-マシン・インターフェイス(BMI)による障害者の活動領域拡張のため、視覚刺激による脳波信号を用いて生活環境を制御する装置(BMI-ECS)等障害者自立支援機器を開発する。
結果と考察
本年度は、これまでに開発したBMI機器を用いた実証評価を進め、患者・障害者や病院スタッフ等からのフィードバックを受けつつ、その精度や使用感の向上、機能拡張のための研究開発を進めた。国リハにて、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を対象としてBMI型環境制御装置を用いた病院や患者の居宅等における一ヶ月程度の中期実証評価を行った。評価には高周波の定常視覚誘発電位(SSVEP)方式等による簡易型を利用し、精度および使用者の主観評価を調査した。精度については実用的とされる精度を確保した(>70%)。満足度評価は、機器の改良に向けたニーズや現場使用時のノウハウの蓄積に有用であった。P300方式を主とする従来型については、ALSおよび脊髄小脳変性症患者を主対象とした実験を進め、実用的な精度でBMI機器を使用可能であることを確認した。着脱容易なBMI用ゲル電極については実証評価を通してデータを蓄積し、ゲル成分の検討等を行った。BMI型環境制御装置及びBMI用ゲル電極・脳波キャップは、研究用途としての市販化に成功した。BMI型上肢アシストスーツについては、高周波のSSVEPや表面筋電位の使用による随意性・快適性の高いアシストのための開発を行い、健常者および患者・障害者での評価を進めた。日常使用を可能とするための軽量アシストスーツについては、性能の向上およびさらなる軽量化のための改良を行った。さらに、八鹿病院にて、ALS患者の拡大・代替コミュニケーション使用状況を調査し、また都立神経病院にて、ALS患者の意思伝達状況とその医用画像について調査した。
結論
BMIを用いた生活環境制御装置による日常生活の補助や、コミュニケーションの補助、アシストスーツによる運動の補助を介して、障害者が失った機能を取り戻し、活動領域を拡張していく可能性が示された。

公開日・更新日

公開日
2015-06-03
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201317024Z