難病のある人の福祉サービス活用による就労支援についての研究

文献情報

文献番号
201317019A
報告書区分
総括
研究課題名
難病のある人の福祉サービス活用による就労支援についての研究
課題番号
H25-身体-知的-一般-005
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
深津 玲子(国立障害者リハビリテーションセンター 病院)
研究分担者(所属機関)
  • 中島 八十一(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
  • 糸山 泰人(国立精神・神経医療研究センター・神経内科学)
  • 伊藤 順一郎(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター)
  • 濱田 健司(JA共済総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
13,450,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、難病当事者、全国の難病相談・支援センター、就労系福祉サービス機関、就労支援機関等を対象として、難病のある人の就労系福祉サービスの利用実態および就労支援ニーズの調査、就労支援事例の収集を行うことにより、医療を受けながら、福祉サービスを活用して、福祉就労を含む就業生活を送るために必要な地域連携のあり方と支援手法を提言することを目的とする。
研究方法
全国の就労系福祉サービス事業所(就労移行支援事業所、就労継続A型事業所、B型事業所)を対象に難病のある人の利用実態について悉皆調査ならびに医師を対象に難病のある人が障害者福祉サービスを利用できることについて周知の浸透度調査を行った。なお当研究においては総合支援法の対象となる難治性疾患克服研究事業130疾患および関節リウマチを難病と定義した。
結果と考察
就労系福祉サービス機関で、調査日に難病のある人が利用していると回答した事業所は、回答総数6,053の16%にあたる960(就労移行148、就労継続A型185、B型627)か所であった。難病のある利用者の74%が障害者手帳を所持(身体44%、知的21%、精神9%)していた。また利用者の難病は94疾患で、利用者の多い順に脊髄小脳変性症(11.3%)、モヤモヤ病(8.3%)、網膜色素変性症(7.8%)である。一方、難病のある人が利用していない事業所で、その理由は、「利用相談がない」が77%と非常に高く、「医療ケアの頻度が高い」(1.5%)、「人的・設備的体制がない」(2.2%)、「作業項目がない」(1.0%)は少なかった。難病のある人および家族、支援者に就労系福祉サービスが周知されていない実態が明らかとなった。
中核市A市の医師会会員311名に対して行った調査で、障害者総合支援法により、難病等の患者が障害者の定義に含まれることになり、医師の意見書等により障害者福祉サービスが利用できるようになったことを知る者は回答総数127の約2割であった。一方、この制度を知る医師と知りたい医師を合計すると約2/3になった。
結論
障害者総合支援法に難病のある人が障害者として位置づけられ、障害福祉サービスを受けられることになった制度改正について、当事者、支援者、医療関係者にはまだ十分知られておらず、改めて周知を図ることにより難病のある人の障害者施策の浸透に役立つと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
-

収支報告書

文献番号
201317019Z