新規消化管ペプチドグレリンによる慢性腎臓病新規治療戦略の確立

文献情報

文献番号
201316005A
報告書区分
総括
研究課題名
新規消化管ペプチドグレリンによる慢性腎臓病新規治療戦略の確立
課題番号
H24-難治等(腎)-一般-005
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
伊藤 裕(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 寒川 賢治(国立循環器病研究センター研究所)
  • 脇野 修(慶應義塾大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(腎疾患対策研究経費)
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
13,310,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成24年度には倫理委員会承諾ののち臨床試験を開始したい。平成25年度は10症例程度で安全性と有効性を確認したい。基礎的研究ではグレリンのミトコンドリアを標的とした抗酸化作用の本態を明らかにする。グレリン受容体欠損マウスにおけるミトコンドリア形態、培養尿細管細胞を用いたミトコンドリアの融合、分裂の検討をおこなう。
研究方法
CKD患者に対するグレリン投与の効果を検討する。まず平成24、25年度はパイロット study としてグレリン投与群10名に対し、単群での薬剤投与による有効性と安全性の確認のための介入試験を施行する。
対象および実施場所、実施期間:年齢20歳以上の慢性腎臓病ステージG4およびG5の患者(eGFR<30ml/min/1.73m&sup2;)で、透析導入されていない当院外来患者のうち、BMI 25未満で除外基準に該当せず、本研究協力に同意した者で「患者説明文書」を用いて研究の主旨を説明し、「研究協力の同意書」に署名にて同意を取得する。実施期間は倫理委員会承認後より7ヵ月間で慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科 外来および病棟で行う。投与方法:入院の上10日間連日朝食前と夕食前にグレリン3&micro;g/kg体重に調製した注射液を生理食塩水に溶解し点滴静注する。有害事象がないことを確認の上、問題のない場合はその後外来にて1か月に1回グレリン3&micro;g/kg体重に調製した注射液を生理食塩水に溶解し点滴静注する。(3ヶ月間)。
投与薬剤:グレリンはヒト合成グレリンの原末(純度90%以上、TFA 塩、GMP グレード)を(株)ペプチド研究所から購入する。慶應義塾大学病院薬剤部でその純度を確認し、必要な場合はさらに再精製の過程を加える。薬剤部にてこれを秤量し、3.75%マンニトール溶液に溶解後、フィルターにて加圧濾過して無菌化し、バイアル詰めにし、製剤化する。ロットが異なるごとに薬剤部にて純度の確認を、エンドトキシン試験、無菌試験などの安全性確認試験を外部委託により行う。その後異物検査に合格したものにラベルを貼付し、施錠できる冷凍庫で-20℃で凍結保存する。
検討項目
登録時の検査項目
1. 身体計測:身長、体重、腹囲、上腕三頭筋囲、上腕三頭筋皮下脂肪厚
2. 検査:血液検査(1回当たり末梢静脈血15ml)、尿検査(1回当たり10ml)
3. 生理機能検査、画像検査:心電図、胸部レントゲン、心エコー
エンドポイント
一次エンドポイントはグレリン投与前後のeGFRの変化率とする。二次エンドポイントは以下の項目とする。
維持透析導入までの期間の差
身体計測: 体重、BMI、体脂肪量、腹囲、上腕三頭筋囲、上腕三頭筋皮下脂肪厚
腎機能: 血清クレアチニン、血清シスタチンC、尿中蛋白、尿中NAG、尿中β2M、尿中α1ミクログロブリン、尿クレアチニン
代謝マーカー: 空腹時血糖、空腹時インスリン、血清脂質、HOMA-IR
酸化ストレスマーカー: 尿中8-ハイドロキシ-2デオキシグアノシン(9-OH&#8322;DG)、尿中イソプロスタン(15-Isoprostane F&#8322;)、酸化LDL
栄養状態: 血清アルブミン、プレアルブミン、コリンエステラーゼ
グレリン投与による副作用(腸管運動亢進、腹部違和感、下痢、顔面紅潮、不眠)の発現率
結果と考察
平成25年度は10症例程度で安全性と有効性を確認したい。基礎的研究ではグレリンのミトコンドリアを標的とした抗酸化作用の本態を明らかにする。グレリン受容体欠損マウスにおけるミトコンドリア形態、培養尿細管細胞を用いたミトコンドリアの融合、分裂の検討をおこなう。本研究は申請者のこれまでの研究と新知見を総合したtranslational researchである。CKDの進展には申請書の提唱する腎性インスリン抵抗性症候群をはじめとするCKDにおける代謝異常が消耗性の病態であるProtein Energy Wasting syndrome(PEW)を引き起こすことが背景にあると考えられる。本研究はこのPEWの進展増悪の阻止をCKD治療に応用するというCKDを代謝異常症として捉え直す新たな治療パラダイムを提唱するものである。
結論
新規ペプチドグレリンの腎不全への適応をめざし基礎および臨床研究を開始した。今後実施への基礎データの構築を目指したい。

公開日・更新日

公開日
2015-07-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201316005Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
17,303,000円
(2)補助金確定額
17,303,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 6,340,510円
人件費・謝金 870,816円
旅費 0円
その他 6,098,674円
間接経費 3,993,000円
合計 17,303,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2015-07-02
更新日
-