健康日本21(第2次)に即した睡眠指針への改訂に資するための疫学研究

文献情報

文献番号
201315046A
報告書区分
総括
研究課題名
健康日本21(第2次)に即した睡眠指針への改訂に資するための疫学研究
課題番号
H25-循環器等(生習)-一般-007
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
兼板 佳孝(大分大学 医学部公衆衛生・疫学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 内山 真(日本大学 医学部)
  • 三島 和夫(国立精神神経医療研究センター)
  • 赤柴 恒人(日本大学 医学部)
  • 金城  やす子(名桜大学 人間健康学部)
  • 田中 克俊(北里大学大学院)
  • 北畠 義典(埼玉県立大学 保健医療福祉学部)
  • 谷川 武(愛媛大学大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
8,158,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究課題では、第1に介入研究を含めた新たな疫学研究知見に基づいて睡眠指針を検証すること、第2に個々のライフステージに応じ、また、個人の状況に対応できる実効性のある指針への改訂を提言することを目的に実施するものである。
研究方法
平成25年度は、第1に睡眠に関する先行疫学研究のレビューとして、睡眠に関する先行疫学研究をレビューした。特に、睡眠と生活習慣病、死亡に関する研究についてはシステマティックレビューを行った。第2に睡眠習慣に関する介入研究~一般成人における睡眠時間の不足とうつ病の関連についてでは、既存の全国規模の疫学調査データを分析した。第3に睡眠習慣の啓発に関する研究についてでは、既存の地域住民を対象にした疫学調査データを分析した。
結果と考察
睡眠に関する先行疫学研究のレビューでは、次の(1)~(8)の疑問について文献検索を行って検証した。(1) 睡眠時間は疾病/死亡リスクに影響を及ぼすか? (2) 飲酒は睡眠に影響を及ぼすか?(3) 喫煙は睡眠に影響を及ぼすか?(4) 運動は睡眠に影響を及ぼすか?(5) 夜食や朝食欠食は睡眠に影響を及ぼすか?(6) 入浴は睡眠に影響を及ぼすか?(7) 昼寝は夜間の睡眠に影響を及ぼすか?(8) カフェインは睡眠に影響を及ぼすか?その結果、短い睡眠時間が肥満、高血圧、糖尿病、心疾患、死亡のリスクを高めることが確認された。また、睡眠を得るためには、定期的な運動習慣や入浴が促進的に関与すること、反対に、喫煙、飲酒、カフェイン摂取が睡眠に抑制的に作用することが科学的根拠をもって示唆された。睡眠習慣に関する介入研究「一般成人における睡眠時間の不足とうつ病の関連について」では、床上時間が短いことは、うつ病に対して促進的な関連性を有することが明らかとなった。睡眠習慣の啓発に関する研究では、程度の著しいいびきや呼吸停止を伴ういびきは、重症の睡眠呼吸障害を伴っているリスクが特に高いことが明らかになった。
結論
短い睡眠時間が肥満、高血圧、糖尿病、心疾患、死亡のリスクを高める。また、睡眠には定期的な運動習慣や入浴が促進的に関与する。喫煙、飲酒、カフェイン摂取は睡眠に抑制的に作用する。

公開日・更新日

公開日
2015-09-07
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-09-07
更新日
-

収支報告書

文献番号
201315046Z