歯科介入型の新たな口腔管理法の開発及び介入効果の検証等に関する研究

文献情報

文献番号
201315007A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科介入型の新たな口腔管理法の開発及び介入効果の検証等に関する研究
課題番号
H24-循環器等(歯)-一般-001
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
菊谷 武(日本歯科大学 大学院生命歯学研究科 臨床口腔機能学)
研究分担者(所属機関)
  • 弘中祥司(昭和大学歯学部 スペシャルニーズ口腔医学講座 口腔衛生学部門)
  • 角保徳(国立長寿医療研究センター 歯科口腔先進医療開発センター 歯科口腔先端診療開発部)
  • 窪木拓男(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 吉田光由(広島市総合リハビリテーションセンター)
  • 岸本裕充(兵庫医科大学 歯科口腔外科)
  • 大野友久(聖隷三方原病院 リハビリテーション科)
  • 荒川浩久(神奈川歯科大学大学院口腔衛生学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、急性期病院から回復期といった社会復帰に向けた生活の再構築場面での歯科の役割、維持期や終末期に至るまでの歯科の関わり方を確立し、このような医療、介護場面での歯科介入による口腔衛生管理のあり方を検討することである。2年目である本年は、さまざまな疾患に対して実施される周術期口腔機能管理を、疾患ごとにその目的、対象患者の選定、介入効果について検討し、疾患に応じた周術期口腔機能管理マニュアルの作成を目指した。また急性期を退院して回復期や維持期へと転院してきた患者の口腔内状態を把握することで、長期的な口腔機能管理の必要となる患者を明らかにし、急性期からの継続した口腔機能管理のあり方の検討を行った。
研究方法
本研究の目的は、急性期病院から回復期といった社会復帰に向けた生活の再構築場面での歯科の役割、維持期や終末期に至るまでの歯科の関わり方を確立し、このような医療、介護場面での歯科介入による口腔衛生管理のあり方を検討することである。2年目である本年は、さまざまな疾患に対して実施される周術期口腔機能管理を、疾患ごとにその目的、対象患者の選定、介入効果について検討し、疾患に応じた周術期口腔機能管理マニュアルの作成を目指した。また急性期を退院して回復期や維持期へと転院してきた患者の口腔内状態を把握することで、長期的な口腔機能管理の必要となる患者を明らかにし、急性期からの継続した口腔機能管理のあり方の検討を行った。
結果と考察
1.ボディ・マス・インデックスを用いた栄養評価と食事に伴う湿性の呼吸音の有無をスクリーニング項目とし、肺炎発症との関連を検討した。これらの項目は肺炎発症リスクを推し量る重要な項目であることが示され、ハイリスク者の選定に有用であることが推察された。2.現在歯数を中心に調査した場合、本調査対象である食道がん患者の口腔内は比較的良好であった。3一方、食道癌患者の口腔内環境は歯科治療を要するケースが多いという結果もみられた。医科病院等でも利用できる歯科と医科(医師,看護師,言語聴覚士ら)との間で,口腔を評価する共通の指標COACH(Clinical Oral Assessment Chart)を作成した。シンポジウムを開催し、全国の周術期口腔機能管理の実務者と情報発信するとともに、周術期等の口腔内管理の開発及び介入を推進し、その効果の検証をさらに進めるための議論を深めた。4.高齢者急性期病院において、歯科医療専門職の実施する口腔管理(歯科介入)の必要性は明らかであった。5.RSTへの参加を通じて、人工呼吸管理中の患者の口腔のケアやアセスメントする方法を教育することで、口腔乾燥度、歯垢・舌苔・剥離上皮の量、褥瘡性潰瘍を有する患者の割合は減少した。6.摂食を再開する際には、誤嚥のリスクを軽減する意味から義歯は装着したほうが良い可能性を示した。7.緩和ケア病棟および緩和ケアチームと歯科の連携は、高率に連携が取れており、また実際に歯科介入のニードも非常に高い結果となった。8.フッ化物洗口実施後の歯科保健習慣とフッ化物洗口による変化を調査した結果、歯磨きなどの歯科保健習慣がおろそかになる、歯のフッ素症が生じる、口内炎などの粘膜への副作用が生じるという有害性は認められなかった。
結論
1.栄養評価と食事時の評価は、肺炎発症ハイリスク者の選定に有用であることが推察された。2.食道癌患者の口腔内は比較的良好である可能性が認められた。3.口腔を評価する共通の指標COACHを作成した。4.高齢者急性期病院において、歯科医療専門職の実施する口腔管理の必要性を明らかにした。 5.RSTへの参加を通じて,人工呼吸管理中の患者の口腔のケアやアセスメントする方法の教育は患者の口腔内環境改善に有効であった。6.脳血管障害患者のリハビリテーションにおいて摂食を再開する際には、誤嚥のリスクを軽減するために義歯の装着が有効であった。7.緩和ケア病棟および緩和ケアチームと歯科は高率に連携が取れていた。8.フッ化物洗口によって、歯磨き習慣などの歯科保健習慣がおろそかになることや、口腔への副作用が生じるという結果は認められなかった。

公開日・更新日

公開日
2015-05-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2015-05-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201315007Z