文献情報
文献番号
201313022A
報告書区分
総括
研究課題名
QOLの向上をめざしたがん治療法の開発研究
課題番号
H22-3次がん-一般-033
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
江角 浩安(学校法人 東京理科大学 生命医科学研究所 臨床研究部門)
研究分担者(所属機関)
- 林 隆一(独立行政法人国立がん研究センター東病院 頭頸部外科)
- 井本 滋(杏林大学医学部 外科学教室)
- 齋藤 典男(独立行政法人国立がん研究センター東病院 大腸外科)
- 佐々木 寛(東京慈恵会医科大学附属柏病院 産婦人科)
- 荒井 保明(独立行政法人国立がん研究センター中央病院 放射線診断科)
- 池田 公史(独立行政法人国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科)
- 武藤 学(京都大学大学院 医学研究科 腫瘍薬物治療学講座)
- 全田 貞幹(独立行政法人国立がん研究センター東病院 臨床開発センター 粒子線医学開発分野)
- 宮下 光令(東北大学大学院医学系研究科 保健学専攻 緩和ケア看護学分野)
- 小松 浩子(慶應義塾大学 看護医療学部)
- 木下 寛也(独立行政法人国立がん研究センター東病院 緩和医療科)
- 土原 一哉(独立行政法人国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター トランスレーショナルリサーチ分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
42,231,000円
研究者交替、所属機関変更
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研究報告書(概要版)
研究目的
QOLの向上をめざしたがん治療法の開発をめざし、基盤的な技術・概念を生み出し、臨床導入を行う事を目的とする。基本的には1)根治性を犠牲にせず治療に伴い失われる生体機能の最小化を可能とする機能温存、臓器温存を含めた新しい治療法の開発、2)がんの治療あるいは進展に伴って損なわれた生体機能、生活の質の回復・向上のための治療法の開発、3)がん治療やがんの進行の後にも残された機能の活用によるQOL向上の技術開発、4)がん治療に伴い傷害されるQOLは、臓器や進行度、治療法により多岐にわたるがQOLの評価法の開発を各研究課題と同時進行させ、個別性を超えた評価を目指す。
研究方法
1)切除不能進行膵がん患者疼痛コントロールプログラム開発と牛蒡子エキスGBS-01の第二相試験と付随研究、2)食道、頭頚部領域早期がん発生メカニズム、下咽頭がん喉頭温存手術における機能温存の促進、食道がん多発高危険度患者選択の簡便な診断・選別法の開発、3)骨盤内臓全摘術回避手術の開発・確立、4)婦人科がん術後下肢リンパ浮腫予防法の開発、5)乳癌の安全で患者満足度の高い治療法の開発、6)IVR臨床試験実施、7)食道がん術後患者<食>リハビリテーションプログラムの作成、8)皮膚管理プログラムの開発普及、9)臓器がんQOL指標の確立、10)患者・家族相談支援の方法開発を行なう。
結果と考察
食道、頭頚部がんに対する機能温存・根治性を両立した治療法、サルベージ法、リンパ浮腫など合併症を最小限にする治療法、骨盤内臓全摘術回避を可能とする術式の開発と確立の試み、IVRを用いたQOL回復法など臨床試験を通じて基盤技術を開発した。化学放射線治療、分子標的薬治療による皮膚障害の低減する皮膚ケア法の開発により治療完遂率を上げる方法を作った。普及するためのアトラスや、マニュアルの作成も行った。難治癌の根治を目指した本研究組織で開発した低毒性抗腫瘍薬GBS-01の第2相医師主導治験に結びつけた。がん根治の理論的根拠となるがん幹細胞に対する選択毒性を見出した。QOL評価指標確立の為、国際的評価法の日本語版の開発、看護ケアによる食道がん患者リハビリプログラムの作成、今後の地域包括システムの中におけるがん医療に関わる問題点の洗い出を行った。看護相談による診断時からの緩和ケアに取り組んだが、有効性の検証が必要。
結論
GBS-01の医師主導治験への導出、一部QOL尺度の開発完了、婦人科がんリンパ浮腫予防の臨床試験の完遂。また、分子標的薬治療、放射線治療における積極的皮膚ケアの有効性の証明。
公開日・更新日
公開日
2015-06-02
更新日
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