慢性疾患に罹患している児の社会生活支援ならびに療育生活支援に関する実態調査およびそれら施策の充実に関する研究

文献情報

文献番号
201312008A
報告書区分
総括
研究課題名
慢性疾患に罹患している児の社会生活支援ならびに療育生活支援に関する実態調査およびそれら施策の充実に関する研究
課題番号
H25-次世代-一般-004
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
水口 雅(東京大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 及川 郁子(聖路加看護大学 小児看護学教室)
  • 西牧 謙吾(国立障害者リハビリテーションセンター病院)
  • 石崎 優子(関西医科大学医学部 小児科学講座)
  • 掛江 直子(国立成育医療研究センター研究所 成育保健政策科学研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、日本における慢性疾患を有する児やその家族が現在どのような支援を受けているのか、サービスは行き届いているのか、どのような身体的心理社会的問題があり、過保護や親子密着等の慢性疾患を有する児とその家族に特有の問題が実際にどの程度生じ、どのような支援を必要としているのか等を、横断調査により明らかにするもので、今後の支援の在り方を検討する際の必要となる基礎資料を提供できる。
 また、児とその家族への働きかけ、医療関係者、教育関係者への働きかけといった多面的かつ包括的な啓発ツールを作成し、具体的な支援モデルを提案する研究でもあり、これらは研究開発されたツール等が現場に根付き、恒常的に慢性疾患を有する児の自立支援に活かされるためのシステム作りを目指すものである。
研究方法
本研究では、1) 我が国における慢性疾患を有する児の身体的、心理社会的状態等の実態調査を行いその現状ならびに課題を明らかにするとともに、2) 患者・家族に対する支援体制の構築に関する研究として、慢性疾患を有する子どものライフステージに応じた適切な療養支援を得られるよう子どもと家族のための「病気や地域社会との付き合い方ガイドライン」を作成、3) 成人移行期における自立支援の検討として、成人移行支援を効果的に行うための医療者向け移行支援ガイドブックを作成し、4) 病弱教育における自立支援施策の充実の検討として、教育と医療が連携して患者の自立支援する具体的方法について検討する、といった分担研究課題を立て、地域行政ならびに医療(日本小児科学会及び日本小児看護学会等)と連携を取りながら、慢性疾患を有する児の自立支援に資する研究を進めていく。
結果と考察
1)国内外の子どもの健康やQOL/Well-being及び慢性疾患・難病患者の生活状況等に関する先行研究の質問票を参考に①調査コンテンツの検討、②子どものwell-beingに関する尺度の系統的文献レビュー、③サンプリングの検討、④当該研究分野の先行する諸外国の研究機関との連携・協力体制の構築を行った。さらに、慢性疾患を有する子どものQOL評価尺度として、本研究で使用を検討しているDISABKIDSの日本語版開発を行い、信頼性および妥当性の検証を並行して実施した。2)文献検討およびインタビュー調査を実施した。①疾患の理解、②自己管理(セルフケア)の促進、③自己決定の育成、④関連機関との連携、⑤発達課題の5つの視点と発達段階を枠組みとし、支援目標・支援の方向性と具体例・評価と評価項目のポイントを記載したモデル案を作成した。3)小児期を担当する医療者に小児科から成人科への移行期医療のあり方に関する知識を普及させるため、成人科への移行について概説した小児科医向け移行支援ガイドブック(試案)を作成した。4)北海道をフィールドとして、道内の3大学病院で病弱教育に関する医療従事者への意識調査に着手した。
結論
 慢性疾患を有する児の健全育成ならびに円滑な社会参加を促すことを目的として、研究を行った。本年度は日本における慢性疾患を有する児の実態ならびに課題を明らかにするための現状調査を開始した。また児のライフステージに応じた適切な自立支援や療養支援が受けられるよう、児とその家族への働きかけ、医療関係者、教育関係者への働きかけといった多面的・包括的な啓発ツールの作成に着手した。本研究はこれらにもとづいて具体的な支援モデルを提案することにより、目的の達成を目指す。

公開日・更新日

公開日
2014-08-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201312008Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
24,000,000円
(2)補助金確定額
24,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,612,248円
人件費・謝金 7,801,514円
旅費 4,534,442円
その他 4,053,431円
間接経費 4,000,000円
合計 24,001,635円

備考

備考
差額1635円は自己資金を出所として支払った。

公開日・更新日

公開日
2014-05-21
更新日
-