e-learningシステムICRwebを用いた臨床研究・治験に携わる人材の育成方法に関する研究

文献情報

文献番号
201309029A
報告書区分
総括
研究課題名
e-learningシステムICRwebを用いた臨床研究・治験に携わる人材の育成方法に関する研究
課題番号
H24-臨研基-一般-001
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
山本 精一郎(独立行政法人国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 保健政策研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 金光 幸秀(国立がん研究センター中央病院大腸外科)
  • 小林 典子(国立がん研究センター中央病院治験管理室)
  • 福田 治彦(国立がん研究センター多施設臨床試験支援センター)
  • 水澤 純基(国立がん研究センター多施設臨床試験支援センター)
  • 溝田 友里(国立がん研究センターがん予防・検診センター保健政策研究部)
  • 山上 須賀(国立がん研究センター早期・探索臨床研究センター)
  • 山下 紀子(国立がん研究センター早期・探索臨床研究センター)
  • 山中 竹春(国立がん研究センター早期・探索臨床研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究事業(臨床研究・治験推進研究事業)
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、これまでに我々が構築・運営してきたe-learningシステムICRwebの問題点を抽出し、改良することにより、臨床研究・治験に関わる医師や、臨床研究コーディネーター、データマネージャー、プロジェクトマネージャー、生物統計家、事務職員等の支援スタッフ、倫理審査/治験審査委員会(以下、IRB)委員等を対象とした、より使い勝手のよい、効果的なe-learningシステムの構築と提供を研究の目的とする。
研究方法
【システムの概要と実績】
ICRweb(http://icrweb.jp/)は研究者、IRB委員、臨床研究専門職、市民の教育と啓発を目的に厚労科研費により作成、運用されてきた臨床研究入門のためのe-learningサイトである。すでに臨床研究・治験のプロトコール作成、実施、評価方法や、被験者への支援、研究倫理、IRBの審査・運営方法等を網羅した100以上のコンテンツからなり、今後もさらなる充実を目指している。本研究開始時点までに、16,000人以上の登録を得、8,300人以上の初級編修了者に対し、修了証を発行してきた。平成21年4月の「臨床研究に関する倫理指針の改正」の際に、臨床研究教育のe-learningの例として医政局長通知(医政発第0731001号)で紹介されたこともあり、数多くの大学、医療機関で公式プログラムとして採用されている。
【研究計画・方法】
現在のコンテンツを対象者の職種やトピック毎に再構成し、履修のインセンティブが上がる提供方法を研究・実装する。さらなる講義内容の充実を図り、モバイルアプリなど、より履修しやすい提供方法を研究する。また、既存の臨床研究e-learningシステムの内容を比較検討し、今後求められるe-learningシステムのあり方(システムの統合や専門領域ごとの必要性等)についても調査研究を行い、e-learningシステム同士の相互連携・役割分担を通して利用者の利便性向上を図る。
結果と考察
① e-learningシステムICRwebの再構築と周知
初年度である2013年1月にリニューアルオープンを行い、110以上あった教育コンテンツを再構成し、より多くの対象者に、より効率よく利用してもらえるよう、対象者の職種やレベルに合わせた形での提供を開始した。それに合わせて、臨床研究倫理審査委員会報告システムに登録されている倫理委員会を持つすべての施設などに対しサイトの再周知を行った。目標である年間3,000人に対し、初年度、2年度ともに5,000人以上の新規登録を行うことができ、累計28,000人以上にe-learningを提供することができた。
② 教育コンテンツのさらなる充実
臨床研究・治験のプロトコール作成、実施、評価方法や、被験者への支援、研究倫理、倫理審査委員会審査・運営方法等を網羅した教育コンテンツについて、年間10本以上の新規コンテンツの配信を目標としており、初年度は12本、2年度は20本配信し、合計100以上のコンテンツを配信することができた。
研究者、CRCなどの支援者、臨床研究機関の倫理審査委員会事務局や教育担当者に対しての直接支援としてセミナーを年間で5回実施することを目標としている。初年度は5回、2年度は14回実施した。
③ e-learningシステムのあり方の検討
本研究事業のもう一つの採択課題である「大学の連携による職種・レベル別に対応した臨床研究・治験のe-learningシステムを展開する研究(研究代表者:小出大介)」班および厚生労働省と協力し、他の臨床研究教育e-learningサイトおよび施設のe-learning利用状況に関する調査を行った。調査は厚生労働省の臨床研究倫理審査委員会報告システムに登録されている倫理委員会を持つすべての施設に対して初年度から2年度にかけて実施し、e-learning利用状況に関する情報を得ることができた。他のe-learningとの連携については、パイロット研究として、国立精神・神経医療研究センターにて運営されているe-learningサイトCRT-webとの2年度中のシステム上の統合を行い、3年目に順に統合コンテンツを配信の予定している。これらの調査・パイロット研究結果をもとに、既存のe-learning運営者と連絡をとり、今後求められるe-learningシステムのあり方(システムの統合や専門領域ごとの必要性等)を検討し、必要に応じて相互利用の可能性を検討する予定である。
結論
ICRwebは、2014年3月までに28,000人以上の臨床研究関係者に教育を提供することができ、合計100以上のコンテンツを提供することができた。e-learningシステムのあり方について、さらなる周知と相互利用、統合が必要であることがわかった。

公開日・更新日

公開日
2015-03-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201309029Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
32,500,000円
(2)補助金確定額
32,500,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,326,321円
人件費・謝金 1,815,461円
旅費 6,140,890円
その他 15,717,328円
間接経費 7,500,000円
合計 32,500,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2015-06-17
更新日
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