文献情報
文献番号
201308006A
報告書区分
総括
研究課題名
循環器系DRYラボセンターを駆使した治療リスクの低減システム構築と人材育成
課題番号
H23-医学機器-一般-006
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
梅津 光生(早稲田大学 理工学術院)
研究分担者(所属機関)
- 岩崎 清隆(早稲田大学 理工学術院)
- 八木 高伸(早稲田大学 理工学術院)
- 坂口勝久(早稲田大学 理工学術院)
- 朴栄光(早稲田大学 理工学術院)
- 高西淳夫(早稲田大学 理工学術院)
- 加瀬川均(早稲田大学生命医療工学研究所)
- 山崎健二(東京女子医科大学)
- 村垣善浩(東京女子医科大学)
- 笠貫宏(早稲田大学 理工学術院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
東京女子医大•早稲田大学連携施設(TWIns:ツインズ)の循環器系DRYラボセンターにおいて,Another EBM,すなわちEngineering Based Medicineを駆使して1)手術訓練による技能研修の普及と技量の安定・高度化法の確立,および,2)実臨床に即した非臨床評価による治療機器の適正使用法の確立,を目的とする.
研究方法
前記題目1,2に関してそれぞれ複数のプロジェクトを進行させている.当該年度の重点課題を本年度の主な成果として報告する.
結果と考察
■技能研修の普及と技量の安定•高度化法の確立
診断機器の高度化と脳ドックの普及に伴い,未破裂かつ無症候で偶発的に発見される脳動脈瘤の数が年々に増えている.2010年度には、国内で約16000件の未破裂瘤の破裂予防手術が報告されている.治療機器は日進月歩で開発されていくなかで,いつ,どの瘤に,どの機器,どの手技で治療を行うべきか,治療効果を最大化させると同時に治療リスクを最小化させることを可能とする治療支援機器の開発が必要である.脳動脈瘤の発症•増大•破裂には血流が関与していることがわかっている.しかしながら,現在の診断・治療システムのなかに瘤内の血流を考慮したものは存在しない.瘤の病変•病態と血流の関連性が指摘されながらも因果関係レベルでの解明はこれからの課題であり,血流を臨床医学的に解釈できないためである.そこで,瘤壁の病理と血流を比較する研究を開始している.これまでの研究成果として菲薄部と流れの衝突に相関があるという知見を得た.本年度は血流の衝突形態に注目し,菲薄部を術前に予測可能な血流の指標化を検討した.
■非臨床評価による治療機器の適正使用法の確立
冠動脈ステントは我が国で年間約20万例(30万個)の患者に使用されており,分岐血管病変に対する治療は20-30%程度ある.分岐病変に対するステント治療は2011年7月に禁忌•禁止から警告へ改訂され,安全な普及が求められている.昨年度までの研究成果として,分岐部治療の中でも治療法が確立されていない,左主幹部分岐病変に対するステントの適正使用法を確立することを目指し,血栓や再狭窄の要因と考え得る血管壁へのステントの不完全圧着量の定量化手法を開発した.本年度の研究として,(a)ステントの径と(b)ステントの拡張法の違いが不完全圧着量に与える影響を検討した.
診断機器の高度化と脳ドックの普及に伴い,未破裂かつ無症候で偶発的に発見される脳動脈瘤の数が年々に増えている.2010年度には、国内で約16000件の未破裂瘤の破裂予防手術が報告されている.治療機器は日進月歩で開発されていくなかで,いつ,どの瘤に,どの機器,どの手技で治療を行うべきか,治療効果を最大化させると同時に治療リスクを最小化させることを可能とする治療支援機器の開発が必要である.脳動脈瘤の発症•増大•破裂には血流が関与していることがわかっている.しかしながら,現在の診断・治療システムのなかに瘤内の血流を考慮したものは存在しない.瘤の病変•病態と血流の関連性が指摘されながらも因果関係レベルでの解明はこれからの課題であり,血流を臨床医学的に解釈できないためである.そこで,瘤壁の病理と血流を比較する研究を開始している.これまでの研究成果として菲薄部と流れの衝突に相関があるという知見を得た.本年度は血流の衝突形態に注目し,菲薄部を術前に予測可能な血流の指標化を検討した.
■非臨床評価による治療機器の適正使用法の確立
冠動脈ステントは我が国で年間約20万例(30万個)の患者に使用されており,分岐血管病変に対する治療は20-30%程度ある.分岐病変に対するステント治療は2011年7月に禁忌•禁止から警告へ改訂され,安全な普及が求められている.昨年度までの研究成果として,分岐部治療の中でも治療法が確立されていない,左主幹部分岐病変に対するステントの適正使用法を確立することを目指し,血栓や再狭窄の要因と考え得る血管壁へのステントの不完全圧着量の定量化手法を開発した.本年度の研究として,(a)ステントの径と(b)ステントの拡張法の違いが不完全圧着量に与える影響を検討した.
結論
医療技術の開発や承認審査には,有効性・安全性の評価手法の確立が重要である.本研究課題は医療機器そのものを対象とするのではなく,医療行為の安全性を高め,我が国の医療の質を高めることに貢献するものである.循環器領域に対象を絞り,各々の課題の本質を見極めながら現場ニーズに合致した形でソリューションを提供していく.当該年度には,脳動脈瘤、および、ステント留置を重点課題とし,それぞれの目的を十二分に達成した.
公開日・更新日
公開日
2015-03-03
更新日
-