人工血小板/H12(ADP)リポソーム:臨床研究への移行を目指した品質管理と薬物試験

文献情報

文献番号
201307031A
報告書区分
総括
研究課題名
人工血小板/H12(ADP)リポソーム:臨床研究への移行を目指した品質管理と薬物試験
課題番号
H24-創薬総合-一般-008
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
半田 誠(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 池田 康夫(早稲田大学 理工学術院)
  • 武岡 真司(早稲田大学 理工学術院)
  • 木下   学(防衛医科大学校)
  • 丸山   徹(熊本大学 薬学部)
  • 鈴木 英紀(日本医科大学)
  • 鎌田 徹治(慶應義塾大学 医学部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
17,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
人工血小板/H12(ADP)リポソーム(LP)の臨床研究への移行を目標として、本試験物の製造・品質管理体制を確立し、薬物試験(薬理試験、薬物動態試験、毒物試験)について非臨床データの集積を行う.
研究方法
LPの品質評価について、比濁法によるエンドトキシン試験を行い、大型エクストルーダー及びクロスフローろ過を用いて製造工程のスケールアップを検討、また、保存安定性試験を継続した.致死性の臓器損傷ウサギモデルを用いて大量輸血に伴う急性血小板減少症への適応をフィブリノゲン製剤併用プロトコルで評価し、同時に、止血部位へのLPの集積を、超薄切片法により形態観察した.健常およびブスルファン惹起血小板減少ラットを用いて、反復投与によるABC現象を検討した.血栓症誘発・促進作用をLPS惹起DICラットモデルで評価した.無細胞系の性能評価法について、LPとαIIbβ3の結合を表面プラズモン共鳴法で検討した.
結果と考察
エンドトキシン測定法を確立し、製造物が薬局方の基準を満たすことが確認された.現行の10倍程度(100mgから1gレベル)の製造工程スケールアップが可能であることが明らかとなった.LPS分散液の4℃、1年間の保存安定性が認められた。止血能は改善したにもかかわらず、LPの救命効果はフィブリノゲンの併用で改善しなかった.肝臓止血部位でLPの集積が確認できた。薬物惹起血小板減少モデルではABC現象は確認できなかった.血栓優位型DICモデルでLPによる有意な血栓症誘発・促進作用は認めなかった.結合能測定は成功せず、チップ表面に固定化した精製αIIbβ3の質が課題となった.
結論
LPの臨床研究への移行を目標として、当初の計画通り順調に、製造・品質管理体制の確立へのステップが達成され、非臨床データが集積された.

公開日・更新日

公開日
2015-03-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201307031Z