自殺総合対策大網の見直しを踏まえた自殺対策発展のための国際的・学際的検討

文献情報

文献番号
201305033A
報告書区分
総括
研究課題名
自殺総合対策大網の見直しを踏まえた自殺対策発展のための国際的・学際的検討
課題番号
H25-特別-指定-027
研究年度
平成25(2013)年度
研究代表者(所属機関)
椿 広計(情報・システム研究機構 統計数理研究所 データ科学研究系)
研究分担者(所属機関)
  • 藤森 麻衣子(国立精神神経医療研究センター 精神保健研究所 自殺予防総合対策センター)
  • 澤田 康幸(東京大学大学院 経済学研究科)
  • 山本 功(淑徳大学 コミュニティ政策学部)
  • 島薗 進(上智大学 神学部)
  • 岡本 悦司(国立保健医療科学院)
  • 川端 博(明治大学法科大学院)
  • 鈴木 和幸(電気通信大学大学院 情報理工学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成25(2013)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
7,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
WHOは2014年9月の世界自殺予防デーに、自殺予防は公衆衛生上の重要な課題であるという認識の向上を目的として、はじめてのWorld Suicide Reportを刊行する準備を進めており、そのための専門家ミーティングを2013年12月に日本で開催することとしている。本研究はこのミーティングの日本開催の機会をとらえ、わが国の自殺対策をさらに発展させるべく、検討を行うことを目的とする。特に、わが国の自殺対策の特徴は、自殺が多様かつ複合的な原因及び背景を有することを踏まえて、総合的な取組として実施されてきたことであるが、その長所をさらに発展させるため、国際的・学際的観点から、より効果的な自殺対策を提示する。
研究方法
わが国の自殺対策をこれまで交流したことのない、人文学、社会科学、社会システム工学など多様な学術分野の知見と自殺対策の現場の実践とを統合したモデルに基づき発展させるべく、専門家間の討論を積み重ねた。また、国際的検討については、WHO専門家ミーティングにおいて情報収集を行った。分担者以外にも必要な学術分野の研究者からの意見聴取と討論を実施し、記録にとどめた。
自殺の学際的検討については、各学術領域からみた、自殺問題のとらえ方、自殺予防の必要性、現在行われている自殺予防または自殺予防に資する可能性のある活動、それらの今後の発展可能性と統合を検討した。このために経済学、社会学、心理学、宗教学、統計学分野の専門家による国内の自殺、ないしは自殺に至る個別領域研究ならびに分野横断的研究について、サーベイも実施した。
結果と考察
2013年12月に実施されたWHOミーティングに来日した専門家を対象に各国の自殺研究の領域、予算規模、研究方法に関するアンケート調査を実施した。また、分担者の一部がWHOミーティングに出席し、各国の自殺対策が公衆衛生政策にまだ閉じている傾向が強く、我が国が実施しているような全社会的、総合的取り組みになっていないことを検証した。また、我が国の自殺総合対策に至るまでの経緯、現状を本総括報告書付録に掲げたWHOカントリーレポート案として提出し、一次原案に採択された。
結論
2012年、自殺者数は、1998年以来初めて3万人を割り込んだ。研究班は、日本の自殺対策が、保健と保健以外の双方のセクターにまたがる包括的な分野横断的アプローチを含め、独創的な側面を有したことがその要因と考えている。今後も、この種の融合的研究を推進すべきと結論する。なお、政府および地方自治体が施す自殺対策の有効性に対する評価とモニタリングの枠組みを強化することが、今後の重要な課題である。

公開日・更新日

公開日
2015-05-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201305033C

収支報告書

文献番号
201305033Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,360,000円
(2)補助金確定額
9,360,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,076,414円
人件費・謝金 779,256円
旅費 1,731,325円
その他 1,614,185円
間接経費 2,160,000円
合計 9,361,180円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
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