Bridge to Decisionを目的とした超小型補助循環システム並びに頭蓋内・心血管治療用の新規多孔化薄膜カバードステントに関する医師主導型治験及び実用化研究

文献情報

文献番号
201243003A
報告書区分
総括
研究課題名
Bridge to Decisionを目的とした超小型補助循環システム並びに頭蓋内・心血管治療用の新規多孔化薄膜カバードステントに関する医師主導型治験及び実用化研究
課題番号
H23-実用化(臨床)-指定-003
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
峰松 一夫(独立行政法人国立循環器病研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 晴子(独立行政法人国立循環器病研究センター)
  • 北風 政史(独立行政法人国立循環器病研究センター)
  • 妙中 義之(独立行政法人国立循環器病研究センター)
  • 巽 英介(独立行政法人国立循環器病研究センター)
  • 築谷 朋典(独立行政法人国立循環器病研究センター)
  • 武輪 能明(独立行政法人国立循環器病研究センター)
  • 水野 敏秀(独立行政法人国立循環器病研究センター)
  • 小林 順二郎(独立行政法人国立循環器病研究センター)
  • 赤川 英毅(独立行政法人国立循環器病研究センター)
  • 西 正吾(札幌東徳州会病院)
  • 中山 泰秀(独立行政法人国立循環器病研究センター)
  • 飯原 弘二(独立行政法人国立循環器病研究センター)
  • 安田 聡(独立行政法人国立循環器病研究センター)
  • 植田 初江(独立行政法人国立循環器病研究センター)
  • 山下 修蔵(株式会社日本ステントテクノロジー)
  • 三宅 雅(株式会社日本ステントテクノロジー)
  • 和田 晃(株式会社日本ステントテクノロジー)
  • 則安 紘享(株式会社日本ステントテクノロジー)
  • 大場 謙吉(関西大学)
  • 田地川 勉(関西大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクト 難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究(早期・探索的臨床試験研究分野)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
110,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1.Bridge to Decisionを目的とした超小型補助循環システム
本研究では、国立循環器病研究センター研究者が開発してきた要素を組み合わせ、抗血栓性に優れ可動性の高い小型補助循環システムを構築し、臨床治験に必要な各種安全性試験を実施する。これらのデータを元に治験準備を進め、実施する。
2.頭蓋内・心血管治療用の新規多孔化薄膜カバードステント
頭蓋内ならびに心血管の双方を治療可能な新たな低侵襲血管内治療デバイスに関して、その完成度を高め、上記ロードマップ内に示す各年度の目標の達成をめざし、研究期間内に医師主導治験まで着手することを目的とし、研究終了後の早期の実用化を最終目標とする。
研究方法
1.Bridge to Decisionを目的とした超小型補助循環システム本年度は、血液ポンプ以外の脱血管、小口径タイプを含む送血管の開発を行い、目標とする補助循環システムの最終モデルデザインを完了させた。また、慢性左心補助循環実験では、脱血管の挿入時に体外循環を必要とせず容易に挿入が可能であり、当デバイスの利点が十分に発揮された。さらに、主に運営、施設管理に関するSOPおよび実験に使用する計測機器およびその校正に関するSOPおよび試験結果およびその記録の取り扱いに関するSOP、および各動物試験および動物の取り扱いに関するSOPを作製した。
2.脳動脈治療用多孔薄膜カバードステントの開発
平成24年度では、本カバードステントの最終スペックを決定することに重点的に取り組み、医師主導治験に向けた対象疾患の選定ならびに非臨床試験モデルの選定を行った。
結果と考察
1.Bridge to Decisionを目的とした超小型補助循環システム
本研究では、システムに必要な送血管の開発を行い、これらの要素を組み合わせて抗血栓性に優れ可動性小型補助循環システムを構築する。また、臨床治験に必要な各種安全性試験を実施する。これらのデータを元に治験準備を進め、平成25年度以降に医師主導治験計画を決定し、実施する。
2.脳動脈治療用多孔薄膜カバードステントの開発
頭蓋内ならびに心血管の双方を治療可能な新たな低侵襲血管内治療デバイスに関して、その完成度を高め、上記ロードマップ内に示す各年度の目標の達成をめざし、研究期間内に医師主導治験まで着手することを目的とし、研究終了後の早期の実用化を最終目標とする。
結論
1.Bridge to Decisionを目的とした超小型補助循環システム
本年度は、血液ポンプ以外の脱血管、小口径タイプを含む送血管の開発を行い、目標とする補助循環システムの最終モデルデザインを完了した。このシステム全体の特性試験を実施したところ、血液ポンプを安全に駆動できる最低の運転条件は流量約2L/min、発生圧力100mmHgであり、救急時のショックや小児患者に使用するケース等、この条件を下回る場合には管路に狭窄部を設けるなどの追加措置が必要であることを示した。また、改良を加えた送脱血管と共に施行した慢性左心補助循環実験では、脱血管の挿入時に体外循環を必要とせず容易に挿入が可能であり、当デバイスの利点が十分に発揮された。抗血栓性能については、術後16日目前後より送血管の人工血管とチューブの接合部に血栓形成が疑われたため終了となり、同部の改良が必要と考えられた。治験への諸準備については、主に運営、施設管理に関するSOPおよび実験に使用する計測機器およびその校正に関するSOPおよび試験結果およびその記録の取り扱いに関するSOP、および各動物試験よび動物の取り扱いに関するSOPを作製した。

以上より、送血管抗血栓性のための改良以外はほぼ計画通りに研究が達成された。送血管の改良についても
25年度初期までに完了し、すみやかに臨床治験に移行する予定である。
2.脳動脈治療用多孔薄膜カバードステントの開発
平成24年度では、本カバードステントの最終スペックを決定することに重点的に取り組んだ。生体外
模擬実験によって、孔径を100μmと決定した。また、プロファイル、ショートニング、リコイル、柔軟性、ラディアルフォースの物性試験を行い、ストラットデザインの決定に至った。また、来年度の本格的な非臨床試験に備え、1)誘導性、2)塞栓性、3)分枝血管の開存性の動物実験評価系を確立した。

公開日・更新日

公開日
2013-09-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201243003Z