一般用医薬品における、化学合成品等のリスク区分の見直しと漢方製剤の安全性確保に関する研究

文献情報

文献番号
201235044A
報告書区分
総括
研究課題名
一般用医薬品における、化学合成品等のリスク区分の見直しと漢方製剤の安全性確保に関する研究
課題番号
H24-医薬-指定-013
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
研究分担者(所属機関)
  • 望月 眞弓(慶應義塾大学 薬学部)
  • 袴塚 高志(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
  • 石井 邦雄(北里大学 薬学部)
  • 大谷 壽一(慶應義塾大学 薬学部)
  • 牧野 利明(名古屋市立大学大学院 薬学研究科)
  • 橋口 正行(慶應義塾大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
9,750,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)添付文書改訂および副作用報告に基づく化学合成品のリスク区分の見直し、2)第1類医薬品及び指定第2類医薬品の考え方の整理、3)量的制限の考え方を化学薬品に導入することの必要性,可否の検討、4)効能効果の表現がセルフメディケーションにふさわしくない一般用医薬品の取り扱いについてについて検討するとともに,5)漢方処方製剤について,体質・症状に応じた適切な使用方法を推進することを目的とし使用者確認票の作成を行う.
研究方法
1,2)制度創設当時の分類基準を再確認し,その後に第1類及び指定第2類に追加された成分の分類時の議論なども踏まえて,第1類及び指定第2類の考え方の整理を行った.3) 低用量全身曝露時の副作用発現について,主にNSAIDs外用剤のデータを基に検討した.4)セルフメディケーションにふさわしくないと考えられる効能効果用語および生活者にとって難解な用語を抽出,難易度が高い用語に簡易説明を付し,理解度の改善が図れるか理解度調査を実施.5)検討班を組織し,対象漢方処方を検討した後,5回の班会議を実施し,各処方の使用者確認票の具体案を検討した.
結果と考察
1,2) 一般用医薬品についても,「重篤な副作用」が報告されているものや,その使用に当たって「患者背景」に十分な注意を払う必要があるものが存在することが明らかとなった.指定第2類については,習慣性,乱用の可能性,諸外国の規制のあり方も含めてさらなる検討が必要と考えられた.3)少なくとも解熱鎮痛消炎成分に関しては,量的制限を導入しても,有効性を維持したまま安全性を高めることはできないことが示された.4)生活者の自己判断にそぐわない「効能又は効果」が存在したが,適切な表現方法を選べば,調査用語すべての理解度の向上が認められた.5)局方収載処方に加え一般用としての販売高を考慮し対象処方を39処方選出,使用者確認票の基本構成や作成指針を確立, 7処方について使用者確認票を完成させた.
結論
本研究は,厚労省医薬食品局安全対策課の指定研究であり,今後,本研究の成果をベースとし,新たなリスク区分について調査会,部会等での審議が行われる物と考えられる.また,完成した使用者確認票は,今後順次,全国の薬局で使用される予定である.

公開日・更新日

公開日
2013-05-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201235044Z