医療安全支援センターにおける効果的なサービス提供のための研究

文献情報

文献番号
201232022A
報告書区分
総括
研究課題名
医療安全支援センターにおける効果的なサービス提供のための研究
課題番号
H24-医療-一般-015
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
児玉 安司(東京大学大学院医学系研究科 医療安全管理学講座)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
3,050,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は医療安全支援センター(以下支援センターという)が行ってきた地域における患者・住民と医療者の「対話促進と相互理解」の体制づくりを、科学的に検証し、より効果的な相談支援体制を構築することを目的にする。具体的には1.グループワークの効果、方法、評価方法についての調査、2.支援センターの相談支援の現状を理解するための調査に取り組む。
研究方法
本研究では、次の二つの課題を中心に、支援センター職員と学際的な専門家が協同して調査等を行う。1.研究分担者のグループの効果評価に関する基礎研究ならびに支援センター職員によるグループワークの実施と評価方法の検証
2.医療安全支援センターの研修会や研究班の会合における、医療安全支援センターの担当者から聞き取り調査の実施。また、相談支援のあり方、相談内容の収集・分析方法については先行研究をもとに議論を行う。
結果と考察
1.グループワークの参加者からのアンケート調査の結果、支援センターの研修としてグループワークが有効と考えられた。この成果をもとに支援センターが企画・実施する研修においてもグループワークを活用することの有効性が期待される。支援センター職員が実施したグループワークの効果評価については、基礎研究の結果が評価尺度として使用できるか、今後の課題としていく。
2.支援センターへの聞き取り調査により、全国372の支援センターの相談対応が地域の状況、組織の規模、機能により多様に広がっているという状況が明らかとなった。相談に対する対応パターンとして「啓発推進型」「指導型」「医師会などとの連携型」「複合的な対応を行う多焦点型」などがあることが把握された。さらに他の相談支援の体制、機能を知り、そことの情報共有や連携が必要であることが示唆された。例えば、がん患者の相談・支援の教育と評価の手法については、がん相談支援センターの体制から学ぶことで、患者と医療機関との相互理解を促進し、より良い信頼関係を構築することに役立てることができる。今後の課題として、さらなる現状の把握、相談対応の困難度を把握し、相談の質の向上を図るために必要な体制について検討していく。

結論
本研究では、医療安全支援センターにおける効果的なサービス提供のあり方を検討するために、聞き取り調査とグループワークの実施を行い、それぞれ効果と課題を明らかにできた。今後はさらに研究をすすめ課題解決にむけて取り組んでいく。

公開日・更新日

公開日
2014-05-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201232022Z