病院情報システムのデータを利用した臨床指標に関する研究

文献情報

文献番号
201232007A
報告書区分
総括
研究課題名
病院情報システムのデータを利用した臨床指標に関する研究
課題番号
H23-医療-指定-015
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
木村 通男(国立大学法人浜松医科大学 医学部附属病院医療情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 利彦(国立大学法人浜松医科大学 医学部附属病院医療福祉支援センター)
  • 中島 直樹(国立大学法人九州大学 医学部附属病院メディカル・インフォメーションセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
病院情報システムの各種情報から病院の臨床指標を抽出することが広まりつつある。臨床指標項目決定のために、今後、施策やベンチマークとして用いる場合の各種素材情報のアベイラビィティ、抽出の手間、問題点を探った。
研究方法
中医協で提案された「病院指標の作成と公開(案)」の6項目、及び、検体検査結果を用いての指標について、浜松医大病院、九州大学病院で抽出し、その手間や問題点を探った。各項目は、①年齢階級別退院患者数 ②診療科別症例数トップ3 ③「胃がん」切除症例のUICC病期分類(開腹手術vs腹腔鏡手術) ④成人市中肺炎の重症度別患者数 ⑤脳梗塞のICD10別患者数 ⑥診療科別主要手術の術前・術後日数・症例数トップ3 ⑦糖尿病での入院前後の検査データ(HbA1c, Cr [クレアチニン])比較であった。両施設ともSS-MIX標準化ストレージにより処方、検体検査結果、病名を蓄積、DPC関連各項目も取り込んだ検索エンジンにより検索することができた。本研究は、非介入のレトロスペクティヴ研究、且つ、集計結果のみの報告であるため倫理的な配慮を特に必要としなった。
結果と考察
中医協の示した指標案の項目について、簡単に抽出できるもの、そうでないものがあることが判明した。項目が、請求データをベースにする場合、請求時には得られていない情報(例:病理報告)があることや、日付がない情報では手作業による紐付け(例:発症日)が必要であるためであった。請求後(請求ファイル製作後)に報告されるものがあることへの留意、また、DPC請求のための項目も臨床的判断を求めるものが増えており、今後、このギャップを埋める方法を考える必要がある。データを集める側には見えない、データを作る側の状況、ということを考慮することが、今後、指標の製作、開示を広く診療施設に求める際に必要とされると考える。
結論
臨床情報検索DBシステムを用いて検体検査結果をベースに入院、手術といったイベントの前後関係を考慮した評価が簡単に行えることが示された。SS-MIX標準化ストレージのデータを基として、HL7規格で標準化されているためアルゴリズムの共用が可能であり、各施設が対応可能となるであろう。このような臨床情報DBは、北欧以外にはなく、我が国の施策、臨床研究のアドバンテージとなるであろう。

公開日・更新日

公開日
2013-05-29
更新日
-

文献情報

文献番号
201232007B
報告書区分
総合
研究課題名
病院情報システムのデータを利用した臨床指標に関する研究
課題番号
H23-医療-指定-015
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
木村 通男(国立大学法人浜松医科大学 医学部附属病院医療情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 利彦(国立大学法人浜松医科大学 医学部附属病院医療福祉支援センター)
  • 中島 直樹(国立大学法人九州大学 医学部附属病院メディカル・インフォメーションセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
病院情報システムの各種情報から病院の臨床指標を抽出することが広まりつつある。臨床指標項目決定のために、今後、施策やベンチマークとして用いる場合の各種素材情報のアベイラビィティ、抽出の手間、問題点を探った。
研究方法
平成23年度は、2型糖尿病のコントロール等を指標対象項目として、浜松医科大学病院、九州大学病院の両施設において、SS-MIX標準化ストレージデータを基に臨床情報検索DBシステム「D*D」を用いて検索、比較し、DPC関連情報を用いての指標についても検討した。平成24年度は、中医協提案「病院指標の作成と公開(案)」の6項目、及び、「糖尿病での入院前後の検査データ(HbA1c, Cr [クレアチニン])比較」について、両施設で、検索、抽出し、その手間や問題点を探った。本研究は、非介入のレトロスペクティヴ研究、且つ、集計結果のみの報告であるため倫理的配慮を特に必要としなった。
結果と考察
本研究の目的は、指標結果の臨床的評価ではなく、指標を多施設で簡単に出せるかどうかという点という手法面においた。その観点では、検査結果を指標と出来るものについて、「D*D」の時系列検索利用により明快な結果を得ることが出来た。中医協の指標案項目について、簡単に抽出できるもの、そうでないものがあることが判明した。請求データを基にする場合、請求時には得られていない情報(例:病理報告)があること、日付がない情報では手作業による紐付け(例:発症日)が必要であるためであった。請求後に報告されるものがあることへの留意、DPC請求のための項目への臨床的判断の要求等、このギャップを埋める方法を考える必要がある。データを集める側には見えない、データを作る側の状況、を考慮することが、今後、指標の製作、開示を広く診療施設に求める際に必要とされると考える。
結論
両施設において、同じ環境下で臨床指標を作成することが簡単に出来た。「D*D」の時系列機能による指標の抽出は、臨床的な意義が大きかった。このシステムは、SS-MIX標準化ストレージのデータを元として、HL7規格で標準化されているためアルゴリズムの共用が可能であり、各施設が対応可能となるであろう。更に、北欧以外にはなく、我が国の施策、臨床研究のアドバンテージとなるであろう。

公開日・更新日

公開日
2013-05-29
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201232007C

収支報告書

文献番号
201232007Z