神経皮膚症候群に関する調査研究

文献情報

文献番号
201231047A
報告書区分
総括
研究課題名
神経皮膚症候群に関する調査研究
課題番号
H23-難治-一般-031
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
大塚 藤男(筑波大学 医学医療系)
研究分担者(所属機関)
  • 中山 樹一郎(福岡大学 医学部)
  • 佐谷 秀行(慶應義塾大学 医学部)
  • 倉持 朗(埼玉医科大学 医学部)
  • 中川 秀己(東京慈恵会医科大学 医学部)
  • 川内 康弘(筑波大学 医学医療系)
  • 大西 五三男(国際医療福祉大学 保健医療学部)
  • 齋藤 清(福島県立医科大学 医学部)
  • 古村 南夫(久留米大学 医学部)
  • 吉田 雄一(鳥取大学 医学部)
  • 片山 一朗(大阪大学大学院 医学系研究科)
  • 大野 耕策(鳥取大学 医学部)
  • 水口 雅(東京大学大学院 医学系研究科)
  • 縣 俊彦(東京慈恵会医科大学 医学部)
  • 松尾 宗明(佐賀大学 医学部)
  • 舟崎 裕記(東京慈恵会医科大学 医学部)
  • 錦織 千佳子(神戸大学大学院 医学研究科)
  • 森脇 真一(大阪医科大学 医学部)
  • 林 雅晴(東京都医学総合研究所 脳発達・神経再生研究分野)
  • 苅田 典生(神戸大学大学院 医学研究科)
  • 田中 亀代次(大阪大学大学院 生命機能研究科)
  • 菅澤 薫(神戸大学  バイオシグナル研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
33,280,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
神経皮膚症候群は神経と皮膚に各種病変を生ずる疾患を総称し、神経線維腫症1(NF1)、神経線維腫症2(NF2)、結節性硬化症(TS)および色素性乾皮症(XP)から構成される。いずれの疾患も現時点では根治療法はなく、患者ならびに家族の新治療法の開発に対する要望や社会的要請は強い。本研究の目的は、全国を網羅する疫学調査を行い、データベースを構築し、さらに個別の患者から得られる臨床的知見と実験室レベルでの基礎的研究成果と統合することにより、神経皮膚症候群(NF1、NF2、TS、XP)の病態解明、臨床治療技術の開発・改良の研究を推進し、患者のQOLの改善に寄与することを目的とする。
研究方法
全国疫学調査は、診断システムと疫学調査結果を基礎に患者登録システムの構築を図る。基礎的・臨床的病態研究は、本症候群は多臓器にわたるため、分担研究者が基礎的情報を共有しつつ、専門分野の臓器に効果のある予防・診断・治療方法を開発する。特に本症候群の各疾患で、責任遺伝子変異と下流の関連するシグナル伝達系異常の分子病態を解明し、それらをターゲットにした分子標的薬、遺伝子治療、化学予防薬を導入・開発し、動物モデルによる試験や臨床試験を行う。
結果と考察
メインの研究目的であったTSの顔面腫瘍に対する既存の分子標的薬(mTOR阻害薬)の医師主導型臨床治験が来年度に開始できるまでに基礎研究を積み上げた。また、TSの神経症状に対しても、動物実験レベルでは、既存の分子標的薬が発症・増悪の抑制に有効であることが確認でき、将来のヒトを対象とした臨床治験が視野に入ってきた。また、その他にも、血管増殖因子阻害薬やキナーゼ阻害剤などが有効であることを示す基礎データが示された。次世代シークエンサーを用いてNF1の全国を網羅した遺伝子変異検査のパイロットスタディが開始された。これまで策定されていなかったXPの重症度分類を策定した。
結論
基礎研究として分子レベルでの病態解明、根治的分子治療法の開発、大規模疫学調査を行い全国レベルでの4疾患の実態把握を行った。本年度は、神経皮膚症候群の多彩な病態の分子レベルでの解明が進捗し、対象疾患に対する将来の病態解明、診断法、治療法がさらに進歩した。

公開日・更新日

公開日
2013-05-16
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201231047Z