特発性心筋症に関する調査研究

文献情報

文献番号
201231038A
報告書区分
総括
研究課題名
特発性心筋症に関する調査研究
課題番号
H23-難治-一般-022
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
北風 政史(独立行政法人国立循環器病研究センター 臨床研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 筒井 裕之(北海道大学大学院 医学研究科)
  • 久保田 功(山形大学 医学部)
  • 下川 宏明(東北大学大学院  医学系研究科)
  • 永井 良三(自治医科大学)
  • 福田 恵一(慶應義塾大学 医学部)
  • 磯部 光章(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 後藤 雄一(国立精神・神経医療研究センター 疾病研究第二部)
  • 室原 豊明(名古屋大学大学院 医学系研究科)
  • 山岸 正和(金沢大学 医薬保健研究域医学系)
  • 木村 剛(京都大学大学院 医学研究科)
  • 小室 一成(東京大学大学院 医学系研究科)
  • 中谷 武嗣(国立循環器病研究センター 移植部 )
  • 斎藤 能彦(奈良県立医科大学 第一内科)
  • 矢野 雅文(山口大学 医学部附属病院)
  • 砂川 賢二(九州大学大学院  医学研究院)
  • 今泉 勉(久留米大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
74,847,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班は、1974年に旧厚生省特定疾患調査研究班として設立され、その後三十年以上、特発性心筋症の疫学・病因・病態・診断・治療を明らかにするため、基礎的見地および臨床的見地から、継続して研究が進められてきた。1995年のWHO/ISFC合同委員会による特発性心筋症の分類定義が、現在広く用いられている。最近になり、特発性心筋症に対する分子生物学および遺伝学による解析が着実に進み、特発性心筋症の病因・病態が徐々に明らかになり、アメリカ心臓病学会やヨーロッパ心臓病学会で新たな特発性心筋症の分類定義が提唱された。我が国においても、特発性心筋症に関する蓄積された新しいエビデンスを分析評価し、必要なエビデンスを診療に応用することが必要な時期に来ていると思われる。特発性心筋症の病因・病態解明および新たな診断・治療法の確立を目指すべく、基礎的検討および臨床的検討の両側面から検討を行うことを目的とした。
研究方法
特発性心筋症の病因・病態解明および新たな診断・治療法を明らかにするために、本研究班を3層 (全体研究、サブグループ研究、個別研究)に分けて研究を進めることとした。また、研究成果の社会への還元として、心筋症患者および家族に対して市民公開講座を開催することとした。
結果と考察
特発性心筋症に関して、全体研究、サブグループ研究、個別研究の3グループに分類して研究を進めた。
(Ⅰ)全体研究
特発性心筋症に対する前向き登録研究の継続。
(Ⅱ)サブグループ研究
特発性心筋症の病態解明、診断・治療法の開発に向けたサブグループ課題の検討。
①肥大型心筋症における遺伝子異常の頻度に関する検討とその予後の全国調査
国立循環器病研究センター、大阪大学、金沢大学の3施設で基盤整備の進行中
②心不全患者の再入院を推定する数式化に関する研究
探索的段階の結果をもとに心不全患者の再入院の推定式を、統計解析者と共に構築中である。
検証的段階として、前向き臨床研究を多施設で検討中である。
③特発性心筋症の診断に関する画像診断(特にMRI)の有用性の検討
特発性心筋症のMRIにおける有用性を検討するために、研究を進め、結果を報告した。
④心臓サルコイドーシスに関する新たな診断基準策定に向けた検討
心臓サルコイドーシスに関する新たな診断基準策定に向けて、心不全学会などと共同で前向き観察研究を開始した。
⑤肥大型心筋症から拡張相に向けたデータベース構築
北海道大学を中心に、拡張相に至る肥大型心筋症のデータベース構築に向けた研究を進めた。
(Ⅲ)個別研究
特発性心筋症とそれに引き続き生じる重症心不全における病因・病態の解明や新たな診断・治療法の模索に関する研究が各分担研究者により行われた。基礎的研究~臨床的研究までさまざまなレベルでの研究が多角的に本年度も施行された。
(Ⅳ)患者に関する還元
特発性心筋症を含めた心不全患者向けの市民公開講座「心不全ってどんな病気?心不全を知る、
防ぐ、治す!」を、前年度に引き続き、2013年2月17日(日)14時~16時に、東京医科歯科大学の講堂にて、日本心不全学会と共催で、施行した。
(V)その他
今年度は、文部科学省再生医療実現化プロジェクト「疾患特異的iPS細胞を活用した難病研究」と共同で、心筋症患者のiPS細胞を用いた診断法、治療法の開発を進めることとなった。
結論
特発性心筋症に関する病因・病態の解明および診断・治療法の開発に向けて、サブグループ研究および個別研究を推進した。

公開日・更新日

公開日
2013-05-24
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201231038Z