血液凝固異常症に関する調査研究

文献情報

文献番号
201231018A
報告書区分
総括
研究課題名
血液凝固異常症に関する調査研究
課題番号
H23-難治-一般-002
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
村田 満(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 冨山 佳昭(大阪大学医学部付属病院 輸血部)
  • 藤村 欣吾(安田女子大学 共通教育部)
  • 桑名 正隆(慶應義塾大学 医学部)
  • 倉田 義之(四天王寺大学 人間福祉学科)
  • 藤村 吉博(奈良県立医科大学付属病院 輸血学)
  • 和田 英夫(三重大学 医学部)
  • 小亀 浩市(国立循環器病研究所センター 分子病態部)
  • 小嶋 哲人(名古屋大学大学院 医学系研究科)
  • 坂田 洋一(自治医科大学分子病態治療研究センター 分子病態研究部)
  • 宮田 敏行(国立循環器病研究所センター 分子病態部)
  • 川﨑 富夫(大阪大学 医学部)
  • 横山 健次(慶應義塾大学 医学部)
  • 小林 隆夫(県西部浜松医療センター)
  • 榛沢 和彦(新潟大学教育研究院呼吸循環器外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(難治性疾患克服研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
57,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本調査研究班は特定疾患治療研究対象事業である3つの疾患、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性微小血管障害症(TMA)、特発性血栓症について、それぞれ3つのサブグループに分かれ課題に取り組むとともにグループ間の相互議論を行うことによって (1) 分子病態解析に基づいた診断基準・治療指針の確立と普及、そしてその効果の検証、(2) 疫学的解析による我が国での発症頻度、予後などの正確な把握を目的としている。平成24年度は、今回の研究班開始2年目として、過去に確立された研究調査体制を踏襲しつつ、より多くの成果を生むべく研究体制を強化した。疫学調査、診断・治療の標準化(新たな診断基準の作成、治療の参照ガイドの作成および改訂)、疾患のさらなる病態解析と新規治療法の開発、などを目的とした。
研究方法
<ITP>疫学研究に関しては毎年行われるITP臨床個人調査表を基に、新規発症症例数、更新症例数、発症年齢、性、分布、さらには罹病期間、治療内容、合併症、現在のQOL,等を解析した。またITP臨床個人調査表の改訂作業を行った。ITP治療の参照ガイドについては拘束性を若干弱めた形での治療の参照ガイドを作成した。また妊娠合併ITP管理の参照ガイドについては参照ガイド作成委員会を組織した。<TMA>サブグループ全体として、TMA症例の集積、リツキシマブのTTPへの保険適用拡大、ADAMTS13体外診断薬の開発、TTP診断基準の作成に向けての検討、を行った。TMAは稀な疾患であることから、多数例での解析を行うことは困難であると言われている。現在までに集積した1149例のTMAとADAMTS13活性とインヒビターの結果を解析した。またリツキシマブのTTPへの保険適応拡大を目指した活動を行った。さらに現在まで体外診断薬として承認されたADAMTS13測定キット存在しないことから、ADAMTS13体外診断薬の開発を行った。<特発性血栓症>全国の医療施設を対象にしたアンケート調査研究と日本人静脈血栓塞栓症患者を対象とした調査研究等を行った。また各個研究として「肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症 発症数の全国調査研究」、「入院患者における静脈血栓塞栓症発症予知に関する研究」、「不育症を対象とした先天性血栓性素因に関する研究」、「ワルファリン療法施行患者におけるプロトロンビン時間(PT-INR)自己測定の安全性と有効性に関する臨床研究」、「先天性アンチトロンビン欠損症・SERPINC1解析研究」、「自家移植を施行した比較的若年の日本人多発性骨髄腫患者における血栓症発症の解析」、「日本の現状に即した肺血栓塞栓症の予防戦略」、「震災後の静脈血栓塞栓症に関する研究」が行われた。
結果と考察
<ITP>実態調査では平成22年度の推定新規発症症例は2,800名と昨年に比べほぼ同程度であった。その内訳は急性型1,012名、慢性型1,788例であった。ここ数年の傾向であるが、急性型の申請人数の減少が続いている。推定更新症例は17,919名であった。治療ガイドラインについては昨年度も含め計3回の作業部会を開催し、治療の参照ガイドを完成させた。その内容を「臨床血液」誌(53巻4号:433-442, 2012; 2012年4月)に掲載し公開した。妊娠合併ITP管理の参照ガイドについては次年度に本格的に作成にとりかかる。<TMA>TMAの症例集積:1149例全体で432例(37.6%)に同活性著減を認めた。リツキシマブのTTPへの保険適用拡大については厚生労働省の治験推進研究事業に、医師主導治験の研究計画を申請し、早急に医師主導治験を開始する準備を整えている。ADAMTS13体外診断薬の開発についてはADAMTS13検査の体外診断薬としての承認を目指して、医薬品医療機器総合機構(PMDA)との事前相談を6月、10月、12月に行った。今後、臨床検体を50例程度集めて申請する予定である。本年度はさらにUSSにおける新規のADAMTS13遺伝子解析の方法の開発、日本国内のaHUS、ai-TTP症例の詳細な検討などを行った。<特発性血栓症>医療行政上での成果として、日本人に多いプロテインS異常症の診断に欠かせない「プロテインS活性測定検査の保険収載」、ならびに「ヘパリン在宅自己注射の保険適用」があげられる。また全国医療施設を対象にしたアンケート調査研究「肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症 発症数の全国調査研究」では、9383施設にアンケートを送付し現時点で2722施設から回答が得られ、リスク因子や治療法などの詳細に関し解析の予定である。
結論
3つの研究グループにおいて、診療ガイドの作成、調査票による疾患の実態調査や基礎研究の発展を認め、それら結果に基づいた診断・治療法の確立を目指す研究を遂行した。

公開日・更新日

公開日
2013-05-24
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2014-03-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201231018Z