バイオ人工細胞・臓器の開発による糖尿病その他の疾患の治療

文献情報

文献番号
201229024A
報告書区分
総括
研究課題名
バイオ人工細胞・臓器の開発による糖尿病その他の疾患の治療
課題番号
H23-免疫-一般-012
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
宮川 周士(大阪大学大学院 医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 長嶋 比呂志(明治大学 農学部)
  • 岡部 勝(大阪大学 微生物研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等克服研究(免疫アレルギー疾患等予防・治療研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
6,872,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 医療用バイオ人工細胞・臓器の開発である。主眼をバイオ人工膵島とし、その細胞供給用の遺伝子改変ブタの作出をめざす。
研究方法
1.遺伝子構築。
* CTDM: Thrombinの結合にはThrombomoduline EGF3の部分のさらに12個のアミノ酸の必要と判断し、これを加えた。<NCTDM>
* HLA-Ev(147)に2Aでhuman 2mを繋ぎ合わせた。<NHLA-Ev>
* PERVのKD。U6 promoterも用意しsiRNAを組み込んだ。
2.In vitroでの確認   FACSを用い発現を確認。
3.Transgenicマウス作り
 昨年作った2種類のコンストラクト<CTDM><HLA-E*>をマイクロインジェクションし各臓器での発現をRT-PCRで検討した。
4.Transgenicブタ作り
2種類のコンストラクト<NCTDM>と<NHLA-Ev>を、導入に用いるDNAの適性濃度を決定し、顕微授精胚のレシピエントブタへ移植を行った。さらに既存のα-Gal KOブタを野生型ブタと交配し、近交化や発生に影響のある変異の進んだ系統への新たな血液の導入を図った。
結果と考察
1.新規に作製した遺伝子構築。
* NCTDM----pCPI/NCTDM  * N-HLA-E-- pCPI/N-HLA-E * U6/siRNA-PERV(pol)
2.細胞での発現確認
 NCTDMとN-HLA-Eをブタの血管内皮細胞に導入し発現を確認した。
3.マウスでの発現
 pCPI/CTDMおよびpCX/HLA-EをマウスにTGし、それぞれ4匹、2匹のlineを得た。両方のpromoterで膵臓での発現を確かめたが、pCPIの方が相対的に高発現と考えられた。
4. ブタでの発現
胚移植試験では、発生率が高い傾向であった1.25ng/&#181;lのDNA濃度を採用した。NCTDM遺伝子およびHLA-Ev遺伝子を導入した顕微授精胚、それぞれ 69個および79個を2頭のレシピエントブタに移植した(さらに2頭に移植予定)。
α-Gal KOブタ(雌)と野生型ブタとの交配によって得られたheterozygous KO産仔を、他のα-Gal KOブタ精子により受胎させて胎仔を回収し、新たに9ラインのα-Gal KOブタ細胞を樹立した。一方、新たに作成した遺伝子には顕著な発生阻害性が見られなかったので、遺伝子改変個体が得られる可能性は高く、表現形が確認されれば、新たに樹立した細胞への遺伝子導入に移ることができる。
結論
 遺伝子構築をマウスでの評価に戻すとともに、遺伝子に多少の変化を加えた。現時点で,2つの遺伝子の構築が終わり、それぞれICSI法でブタに遺伝子導入し、ブタでの発現を検討中である。表現形の解析には分娩を待たなければならない。

公開日・更新日

公開日
2013-05-08
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2014-03-26
更新日
2014-06-03

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2014-03-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201229024Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
8,933,000円
(2)補助金確定額
8,933,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,838,176円
人件費・謝金 3,444,852円
旅費 518,830円
その他 1,070,142円
間接経費 2,061,000円
合計 8,933,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2014-03-26
更新日
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