体幹保持機能障害のある身体障害者に対して生体内3次元解析システムを用いた脊椎骨構築および動態情報フィードバック型革新的体幹保持デバイスの開発

文献情報

文献番号
201224003A
報告書区分
総括
研究課題名
体幹保持機能障害のある身体障害者に対して生体内3次元解析システムを用いた脊椎骨構築および動態情報フィードバック型革新的体幹保持デバイスの開発
課題番号
H22-身体・知的-一般-004
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
菅本 一臣(大阪大学大学院 医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 梶浦一郎(社会福祉法人愛徳福祉会南大阪小児リハビリテーション病院)
  • 山崎隆治(大阪大学 臨床医工学融合研究教育センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
3,811,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
身体障害者に生じる体幹保持機能低下によって発症する側湾に対してポリカーボネイト製のカスタム体幹装具を作成する。その前後で脊椎変形の3次元変形評価を行い、最適の装具の作成を目指す。
研究方法
骨関節の構築を3次元的に解析できるシステムを開発してきたが、それを用いることにより骨関節形態を3次元的に評価することができる。今回脊椎側弯を有する身体障害者に対してポリカーボネイト製カスタム装具装着の前後でCTにて頚椎より骨盤にかけて撮影を行い、その矯正率を算出し、最適な装具開発を目指す。
結果と考察
脳性麻痺側彎症25例,特発性側彎症8例を対象とした. これを撮影したものを共同研究者の梶浦らに解析を行わせた。 その結果、Cobb角度で38度から22度へ約40%の改善率がみられた。
これまで考えられてきた以上に側弯における脊椎変形は平面的なものではなく、3次元的な変形が大きく、それを今回提案したシステムで評価することによって、最適の装具を提供できた。
結論
本研究では,側彎における脊柱変形を3次元形態学的について明らかにした.特に回旋変形の評価はこれによって評価が可能であり、提案のポリカーボネイト製デバイスで40%の改善が得られていることが明らかとなった。

公開日・更新日

公開日
2013-06-04
更新日
-

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
201224003B
報告書区分
総合
研究課題名
体幹保持機能障害のある身体障害者に対して生体内3次元解析システムを用いた脊椎骨構築および動態情報フィードバック型革新的体幹保持デバイスの開発
課題番号
H22-身体・知的-一般-004
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
菅本 一臣(大阪大学大学院 医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 梶浦一郎(社会福祉法人愛徳福祉会南大阪小児リハビリテーション病院)
  • 山崎隆治(大阪大学臨床医工学融合研究教育センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
側彎症は一般に単一平面内での2次元変形ではなく,回旋を伴い複雑な変形をきたす3次元変形である.これまで側弯症の回旋変形に対し、レントゲン撮影を用いた2次元評価法が提唱されてきたが[Nash CL 1969],レントゲン写真などを用いた2次元評価では,回旋や前後弯が強い場合に正確な評価が困難となり,このような2次元評価には限界が生じる.このため側彎症の回旋変形の正確な評価には3次元評価が必要となるが,これまで手法の限界からほとんどなされていない。脳性麻痺に伴う側彎症においても,脊柱変形のパターンを3次元的に検討した報告はこれまでほぼない.(H22年度)
身体障害者に生じる体幹保持機能低下によって発症する側湾に対してポリカーボネイト製のカスタム体幹装具を作成する。その前後で脊椎変形の3次元変形評価を行い、最適の装具の作成を目指す。(H23,24年度)
研究方法
骨関節の構築および動態を3次元的に解析できる様々なシステムを開発してきたという実績があるが、それを用いることにより骨の重心、長軸、短軸、骨構築状態の評価、移動距離など考えられうる限りの様々なパラメーターを算出することで骨関節形態を評価することができる。今回脊椎側弯を有する身体障害者に対してCTにて頚椎より骨盤にかけて撮影を行い、脊椎骨構築異常の正確で詳細な3次元変形評価を行うことであった。(H22年度)
骨関節の構築を3次元的に解析できるシステムを開発してきたが、それを用いることにより骨関節形態を3次元的に評価することができる。今回脊椎側弯を有する身体障害者に対してポリカーボネイト製カスタム装具装着の前後でCTにて頚椎より骨盤にかけて撮影を行い、その矯正率を算出し、最適な装具開発を目指す。(H23,24年度)
結果と考察
脳性麻痺側彎症8例,特発性側彎症8例を対象とした. これを撮影したものを共同研究者の梶浦らに解析を行わせた。(H22年度)
脳性麻痺側彎症8例,特発性側彎症8例を対象とした. これを撮影したものを共同研究者の梶浦らに解析を行わせた。 その結果、Cobb角度で38度から22度へ約40%の改善率がみられた。(H23年度)
脳性麻痺側彎症25例,特発性側彎症8例を対象とした. これを撮影したものを共同研究者の梶浦らに解析を行わせた。 その結果、Cobb角度で38度から22度へ約40%の改善率がみられた。(H24年度)
これまで考えられてきた以上に側弯における脊椎変形は平面的なものではなく、3次元的な変形が大きいことが明らかとなった。それをもとに最適のデバイスを作成する意義が改めて認識でき、最適の装具を提供できる可能性が示唆された。
結論
本研究では,側彎における脊柱変形の3次元評価を詳細に行い,従来の2次元評価指標との関係性を調べ3次元形態学的について明らかにした.側彎においては,特に回旋変形の生体内評価は本研究のような手法を用いなければ詳細な脊柱回旋変形の評価は,不可能であると考えられる.(H22年度)
側彎における脊柱変形を3次元形態学的について明らかにした.特に回旋変形の評価はこれによって評価が可能であり、提案のポリカーボネイト製デバイスで40%の改善が得られていることが明らかとなった。(H23,H24年度)

公開日・更新日

公開日
2013-06-04
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201224003C

成果

専門的・学術的観点からの成果
側彎症は一般に単一平面内での2次元変形ではなく,回旋を伴い複雑な変形をきたす3次元変形である.これまでレントゲン撮影を用 いた2次元評価法が提唱されてきたが限界があった.このため3次元評価が必要となるが,これまで脊柱変形のパターンを評価した報告はこれまでほぼない.今回脊椎側弯を有する身体障害者に対してCTにて頚椎より骨盤にかけて撮影を行い、脊椎骨構築異常の正確で詳細な3次元変形評価を初めて行い、その変形を3次元的に評価できた。
臨床的観点からの成果
脳性麻痺側彎症と特発性側彎症を対象とした. 側弯カーブは終椎付近で椎間の回旋変形が最も強く,頂椎付近で椎間の楔状変形が最も強い 傾向をであった.・従来の報告同様Cobb角と椎間の回旋、楔状変形はいずれも強い相関を示した.側弯形成への椎間および椎体の寄与率について考察した.・最小椎弓根面積の左右比を求めた.側弯における脊椎変形は3次元的な変形であり、それをもとに最適のデバイスを作成した結果、Cobb角度で38度から22度へ約40%の改善率がみられた。最適の装具を提供できる可能性が示唆された。
ガイドライン等の開発
特になし
その他行政的観点からの成果
特になし
その他のインパクト
2011/6/2MBSVOICE3Dソフトを使った骨折治療
2011/6/14MBSVOICE世界初3D人体解剖書一般公開
2011/6/22CBCNETインタラクティブな解剖学書TEAMLABO BODY
2012/6/22日本経済新聞夕刊人工関節進化2013/2/17マイナビニュースiPadiPhoneWireチームラボiPad向け3D人体解剖アプリ『teamLabBody』発売2013/3/27科技世界網骨格の動きを忠実に再現した人体解剖アプリ

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
8件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
8件
学会発表(国際学会等)
9件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
1件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
15件

特許

特許の名称
側彎矯正装具
詳細情報
分類:
特許番号: 4747327
発明者名: 梶浦 一郎
権利者名: 社会福祉法人愛徳福祉会
出願年月日: 20071220
取得年月日: 20110527
国内外の別: 国内

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-21
更新日
2017-05-23

収支報告書

文献番号
201224003Z