栄養管理サービスの将来予測評価に基づく管理栄養士の人材育成システム構築に関する研究

文献情報

文献番号
201222064A
報告書区分
総括
研究課題名
栄養管理サービスの将来予測評価に基づく管理栄養士の人材育成システム構築に関する研究
課題番号
H24-循環器等(生習)-指定-020
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
木戸 康博(京都府立大学 大学院生命環境科学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 酒井 徹(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部)
  • 今中 雄一(京都大学大学院 医学研究科)
  • 坂井 堅太郎(広島女学院大学 人間生活学部)
  • 下岡 里英(広島女学院大学 人間生活学部)
  • 石川 みどり(国立保健医療科学院)
  • 幣 憲一郎(京都大学医学部附属病院)
  • 菅野 丈夫(昭和大学病院)
  • 中川 幸恵(札幌社会保険総合病院)
  • 土居 幸雄(京都女子大学 家政学部)
  • 小林 ゆき子(京都府立大学大学院 生命環境科学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
目的:潜在管理栄養士も含め、管理栄養士の地域の分布状況等を正確に把握することで、適正な需給見通しの策定および達成状況の把握が可能となり、より効果的な管理栄養士確保対策が可能となる。管理栄養士数の需給見通し、および社会が必要とする管理栄養士の知識や技能を調査研究し、これらのニーズに基づく管理栄養士の人材育成システム構築に関する研究を実施する。
必要性:管理栄養士は、病院、福祉施設、学校、事業所、行政、研究・教育施設や地域等生活者の最も身近なところで、国民の食生活支援に従事している。しかし、これまでに潜在管理栄養士を含む免許取得者全体の把握ができず、全国で約17万人存在すると推計される管理栄養士を特定することが困難な状況である。このため、管理栄養士の資格を持っている者を十分に活用できていない。そこで、性、年齢、業務の種別、従事場所等による分布を明らかにし、厚生労働行政の基礎資料に資するとともに、将来の社会情勢を推測し社会が必要とする管理栄養士を育成しなければならない。そのためには、社会が必要とする管理栄養士の知識や技能を調査・研究・推定し、これらのニーズに基づく管理栄養士人材育成システム構築に関する研究が必要である。

特色:平成12年に栄養士法が改正され、平成14年より新カリキュラムによる管理栄養士養成が開始され、新しい教育を受けた管理栄養士が社会で活躍するようになった。しかし、これまでに管理栄養士免許取得者全体の把握ができず、全国で約17万人存在すると推計される管理栄養士を特定することが困難な状況である。また、厚生労働省や各自治体が推進する食育、生活習慣病の予防対策、特定検診・特定保健指導等の効率的な推進および疾病の重症化予防並びにチーム医療に携わる管理栄養士の人材育成が求められている。しかし、これまでに管理栄養士の需給に関する研究や将来のニーズ予測に関する研究は、実施されていない。そこで本研究では、管理栄養士数の需給見通しや社会のニーズに基づく管理栄養士人材育成システムに関する研究を実施する。
研究方法
本年度は、管理栄養士の現状把握と課題を調査研究した。全国栄養士養成施設協会調査(卒後就職先等)、日本栄養士会調査(各協議会調査等)、学校栄養職員調査(文部科学省)等、現在利用できる既存のデータソースを利用して、施設別管理栄養士数(病院、福祉施設、学校、事業所、在宅、行政、研究・教育等)、年齢別管理栄養士の人員数等を調査し、管理栄養士の実態を把握するとともに、課題とその対応について提案した。栄養士養成施設の学士、修士、博士の学位取得状況を調査した。日本栄養士会のデータソースを用い,施設別年齢別の人員数等の調査した(酒井・土居・小林)。また、養成校における教育プログラムでの管理栄養士の知識や技能についても調査研究した(酒井・土居・小林)。診療報酬データを活用し、管理栄養士によるケアの定量化を協力施設ごとにおこなった(今中)。さらに、将来的な管理栄養士の医療(病院)分野への参画に必要となる資質等を含めた課題の検証を目的に、管理栄養士の病棟配置を行なっている施設の実態についてインタビュー調査を行った(幣・菅野・中川)。平成25年度に実施する需給予測とニーズ調査に関する研究計画と体制整備を行った(木戸・酒井・今中)。
結果と考察
 管理栄養士は、病院、福祉施設、学校、事業所、行政、研究・教育施設や地域等生活者の最も身近なところで、国民の食生活支援に従事している。しかし、これまでに潜在管理栄養士を含む免許取得者全体の把握が困難な状況であり、管理栄養士の資格を持っている者を十分に活用できていない。そこで本研究は、管理栄養士数の需給の予測に関する研究及び高度専門知識を有した管理栄養士の育成を目的とした。本年度は、管理栄養士の現状把握と課題を調査研究した。
 その結果、次の事項を提案した。
 1) 潜在的な人材を発掘し、有効に活用するために、管理栄養士の業務届出等を創設すること
 2) 人口構造の変化や人口減少を踏まえた管理栄養士の需給を予測すること
 3) 病棟配置管理栄養士の業務及び病棟配置が必要な科学的な根拠を明確にすること
 4) 地域連携病院を中核とし、市町村役所、市区町村医師会、診療所等と連携した在宅訪問栄養指導、介護予防事業、居宅支援事業、特定保健指導、料理教室や市民講座等における管理栄養士の業務を調査するとともに、管理栄養士の需給を予測すること
 5) 児童福祉施設において3歳児未満について管理栄養士配置が必要な科学的な根拠を明確にすること
 6) 障がい者支援施設における管理栄養士の常勤配置増について、その根拠を明確にすること
結論
上記のような次年度(平成25年度)に行う需給予測とニーズ調査の課題が明らかとなった。

公開日・更新日

公開日
2013-08-21
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201222064Z