人工血小板/H12(ADP)リポソーム:臨床研究への移行を目指した品質管理と薬物試験

文献情報

文献番号
201208034A
報告書区分
総括
研究課題名
人工血小板/H12(ADP)リポソーム:臨床研究への移行を目指した品質管理と薬物試験
課題番号
H24-創薬総合-一般-008
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
半田 誠(慶應義塾大学 医学部、輸血・細胞療法センター)
研究分担者(所属機関)
  • 池田 康夫(早稲田大学理工学術院 医工学)
  • 武岡 真司(早稲田大学理工学術院、 医工学)
  • 木下 学(防衛医科大学校、侵襲免疫学)
  • 丸山 徹(熊本大学薬学部、医療薬剤学)
  • 鈴木 英紀(日本医科大学、生物学)
  • 鎌田 徹治(慶應義塾大学医学部、解剖学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬総合推進研究)
研究開始年度
平成24(2012)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
人工血小板/H12(ADP)リポソーム(LP)の製造・品質管理体制を確立し、薬物試験(薬理試験、薬物動態試験、毒物試験)について非臨床データの集積を行い、本試験物の臨床研究への移行の適格性を検証する。
研究方法
LPの製造工程の標準化に向けた物性評価項目を製造ロット毎で検討して、暫定的な品質仕様表を作成した.製造手順書を作成して、温度条件下の保存安定性を検討した.臓器損傷ウサギモデルを用いて大量輸血に伴う急性血小板減少症への適応を実地臨床に則した事後投与プロトコルで評価した.健常マウス、ラット、ウサギの体内動態パラメータをnon-コンパートメントモデルで解析し、データのヒトへの外挿を試みた.血栓症誘発・促進作用をDICラットモデルで評価した.LPの微細形態解析を、未固定標本を用いて急速凍結割断エッチングレプリカ法で行った.LPとαIIbβ3の結合測定をLigandTracer及びBiacoreシステムで検討し、性能検定法としての有用性を考察した.
結果と考察
21ロットの測定データに基づいて5項目の物性仕様表を作成した.4℃、12ヶ月保存を目標とするデータが示された.出血性ショックによる致死的帰結に対して、LPは血小板輸血に匹敵する救命効果を示した.LPのヒトでの予測半減期は約96時間であった.リポソーム自体にその大量投与で二次線溶の一過性刺激作用が疑われたが、LPによる有意な血栓症誘発・促進作用は認めなかった.LP表面の小孔形成が観察され、内包ADPの放出ルートが示唆された.Biacoreによる非標識LPと精製αIIbβ3の結合解析系が性能検定法として有用である可能性が示唆された.
結論
LP/人工血小板の臨床研究への移行を目標として、当初の計画通り順調に非臨床データが集積された.

公開日・更新日

公開日
2013-09-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

収支報告書

文献番号
201208034Z