漢方薬に使用される薬用植物の総合情報データベース構築のための 基盤整備に関する研究

文献情報

文献番号
201208013A
報告書区分
総括
研究課題名
漢方薬に使用される薬用植物の総合情報データベース構築のための 基盤整備に関する研究
課題番号
H22-創薬総合-一般-013
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
川原 信夫(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 菱田 敦之(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター 北海道研究部)
  • 飯田 修(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター 種子島研究部)
  • 吉松 嘉代(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター 筑波研究部)
  • 渕野 裕之(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター 筑波研究部)
  • 河野 徳昭(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター 筑波研究部)
  • 赤木 謙一(独立行政法人医薬基盤研究所 共用機器実験室)
  • 済木 育夫(富山大学和漢医薬学総合研究所)
  • 合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所生薬部)
  • 木内 文之(慶応義塾大学薬学部)
  • 御影 雅幸(金沢大学大学院自然科学研究科)
  • 小松 かつ子(富山大学和漢医薬学総合研究所)
  • 酒井 英二(岐阜薬科大学薬草園研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬総合推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
72,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、漢方薬に使用される薬用植物の総合情報データベースの構築を通じて、漢方薬の品質、有効性並びに安全性確保と国内における効率的増殖法の確立及びその情報公開による薬用植物栽培振興による行政支援並びに漢方製剤原料となる貴重な遺伝資源の緊急的確保と維持を目的とした生物資源に関する研究支援、産業振興に寄与することを目的とする。
研究方法
(独)医薬基盤研究所薬用植物資源研究センターでは、薬用植物資源のより積極的な活用並びに高度利用化を進めるため、保有資源に情報を付加し活用する基盤整備の一手法として、重要薬用植物について、テキストデータ、写真データを集積したデータベースシステムの構築を行い、2011年3月31日よりインターネット上で一般公開を開始した。本研究では、現行の薬用植物データベースの構造を基本骨格とし、1) 成分分析データ情報(TLC写真, HPLCチャート及び主要成分NMRデータ等)、2) 官能データ情報(味、色)、3) 内部形態及びさく葉標本情報、4) 資源管理情報、5) 遺伝子の鑑別部位及び基原鑑別に関する情報、6) 植物組織培養物及び効率的増殖法に関する情報、7) 植物体栽培及び植物の効率的生産法に関する情報、8) 生物活性及び副作用情報、9) 漢方処方関連情報(エキス情報、食薬区分情報)のデータを付加した、総合的薬用植物データベースの構築を行う。
結果と考察
最終年度となる本年度は、データベースシステムについて、様々な機能拡張を行った。登録システムについては、各カテゴリのデータ互換性や関連性を考慮した機能拡張を行い、データベースコンテンツの維持性能を向上させた。また、公開システムについては、検索機能、デザイン等を見直し、より操作性の高いシステムとなるよう機能拡張を行った。また、昨年度までに構築したシステムの試用を開始し、実際にデータ入力を開始した。そのうえで、生じた問題点等への対策を今年度開発事項に加え、対応を行った。以上の実施経過により、本データベースのweb上での公開に向けて、今年度までの開発項目を実装したデータ登録システム・公開システムの公開用サーバへの導入はほぼ完了し、公開準備が整った。入力に関しては、重要生薬20種を中心とした各種データ入力を行った。
結論
薬用植物総合情報データベースは、データベース本体、データ登録システム、公開システム、モデル試料管理システム、そして、資源管理システムの各データベースの構築を完了し、データベースを構成する全データカテゴリについて、重要生薬20種を中心としたデータの登録を行い、公開を開始した。

公開日・更新日

公開日
2013-07-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2013-11-18
更新日
-

文献情報

文献番号
201208013B
報告書区分
総合
研究課題名
漢方薬に使用される薬用植物の総合情報データベース構築のための 基盤整備に関する研究
課題番号
H22-創薬総合-一般-013
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
川原 信夫(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 柴田 敏郎(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物研究センター )
  • 菱田 敦之(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物研究センター 北海道研究部)
  • 飯田 修(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物研究センター 種子島研究部)
  • 吉松 嘉代(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物研究センター 筑波研究部)
  • 渕野 裕之(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物研究センター 筑波研究部)
  • 河野 徳昭(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物研究センター 筑波研究部)
  • 赤木 謙一(独立行政法人医薬基盤研究所 共用機器実験室)
  • 門田 重利(富山大学和漢医薬学総合研究所)
  • 済木 育夫(富山大学和漢医薬学総合研究所)
  • 合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
  • 木内 文之(慶應義塾大学 薬学部)
  • 御影 雅幸(金沢大学大学院自然科学研究科)
  • 小松かつ子(富山大学和漢医薬学総合研究所)
  • 酒井 英二(岐阜薬科大学 薬草園研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬総合推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、漢方薬に使用される薬用植物の総合情報データベースの構築を通じて、漢方薬の品質、有効性並びに安全性確保と国内における効率的増殖法の確立及びその情報公開による薬用植物栽培振興による行政支援並びに漢方製剤原料となる貴重な遺伝資源の緊急的確保と維持を目的とした生物資源に関する研究支援、産業振興に寄与することを目的とする。
研究方法
(独)医薬基盤研究所薬用植物資源研究センターでは、薬用植物資源のより積極的な活用並びに高度利用化を進めるため、保有資源に情報を付加し活用する基盤整備の一手法として、重要薬用植物について、テキストデータ、写真データを集積したデータベースシステムの構築を行い、2011年3月31日よりインターネット上で一般公開を開始した。本研究では、現行の薬用植物データベースの構造を基本骨格とし、1) 成分分析データ情報(TLC写真, HPLCチャート及び主要成分NMRデータ等)、2) 官能データ情報(味、色)、3) 内部形態及びさく葉標本情報、4) 資源管理情報、5) 遺伝子の鑑別部位及び基原鑑別に関する情報、6) 植物組織培養物及び効率的増殖法に関する情報、7) 植物体栽培及び植物の効率的生産法に関する情報、8) 生物活性及び副作用情報、9) 漢方処方関連情報(エキス情報、食薬区分情報)のデータを付加した、総合的薬用植物データベースの構築を行う。
結果と考察
成分分析データ情報及び日本薬局方情報について重点的にデータベース構築、データ登録を行い、総合情報データベースの骨格構築が完了し、コア生薬5品目についてLC-MS情報等の各種情報並びに資源管理情報の集積を行った。さらに一部のデータについては、総合情報データベース本体に挿入し、公開へ向けた動作確認を行った。総合データベースの植物・生薬基本情報、日本薬局方情報、成分情報、遺伝子情報各パートのデータ入力システムの設計・構築並びにパイロット版の評価を行い、成分分析データについては質量分析データの閲覧・検索システムの開発が完了した。さらに英語版の閲覧・検索にも引き続き対応した。最終的にデータベースを構成する全データカテゴリについて、重要生薬20種を中心としたデータの登録を行い、公開を開始した。
結論
薬用植物総合情報データベースは、データベース本体、データ登録システム、公開システム、モデル試料管理システム、そして、資源管理システムの各データベースの構築を完了し、データベースを構成する全データカテゴリについて、重要生薬20種を中心としたデータの登録を行い、公開を開始した。

公開日・更新日

公開日
2013-07-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
201208013C

成果

専門的・学術的観点からの成果
薬用植物総合情報データベースを構築し、平成25年3月より医薬基盤研究所薬用植物資源研究センターホームページ(http://mpdb.nibio.go.jp/)において公開を開始した。市場流通生薬である「モデル試料」を用いてLC/MSデータの多変量解析による産地・加工調製法・基原のバラエティ比較を行い、オウゴン及びサンシシ等において品質評価の指標成分となるマーカー化合物を見出した。
臨床的観点からの成果
本データベースの公開により、漢方薬の副作用情報並びに添付文書情報等に容易にアクセスが可能となり漢方薬を使用する患者の方々、医療関係者の方々への情報提供がより効率的に伝達され、臨床的観点からも漢方薬の有効性、安全性の確保に寄与できるものと期待される。
ガイドライン等の開発
本研究により構築した薬用植物総合情報データベースには、薬用植物に関する栽培技術情報が収載されており、これらの情報の一部は薬用植物栽培・品質評価指針(薬用植物 栽培と品質評価)として、刊行されている。
その他行政的観点からの成果
本データベースの稼働により、生薬原料である薬用植物を生産する農業関係の方々、生薬、漢方薬関連製剤を製造する企業、これらを扱う研究者、行政関係者、さらには漢方薬に使用する患者の方々、漢方薬に興味を有する一般の方々等に有用な情報提供が可能となり、薬用植物の国内栽培振興、関連産業の振興並びに薬用植物資源を用いる研究の発展に寄与できるものと期待される。
その他のインパクト
研究代表者は、医薬基盤研究所NMR・DBワークショップ2012「~LC-NMR/MSと薬用植物総合情報データベース~」並びに日本生薬学会シンポジウム「生薬インフォマティクス・データベースとオミクス」においてシンポジストとして招待講演を行っている。さらに本研究は、平成25年3月6日付薬事日報記事「薬用植物資源研究センターの近年の研究トピックについて」において取り上げられている。

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
14件
その他論文(和文)
19件
その他論文(英文等)
3件
学会発表(国内学会)
42件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
2件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件
薬用植物総合情報データベースを構築し、平成25年3月より医薬基盤研究所薬用植物資源研究センターホームページ(http://mpdb.nibio.go.jp/)において公開を開始した

特許

特許の名称
カンゾウ属植物株及びカンゾウ属植物増殖方法
詳細情報
分類:
特許番号: 特願2011-245757
発明者名: 吉松嘉代、河野徳昭、乾貴幸、千田浩隆
権利者名: 鹿島建設株式会社
出願年月日: 20111109
特許の名称
カンゾウ属植物株、識別マーカー、増殖方法、及び、水耕栽培装置
詳細情報
分類:
特許番号: 特願2013-049279
発明者名: 吉松嘉代、河野徳昭、乾貴幸
権利者名: 独立行政法人医薬基盤研究所
出願年月日: 20130312

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Mareshige Kojima,Shigeki Hayasi,Toshiro Shibata, et al.
Variation of Glycyrrhizin and Liquiritin Contents within a Population of 5-Year Old Licorice(Glycyrrhiza uralensis)Plants Cultivated under the Same Conditions
Biol.Pharm.Bull , 34 (8) , 1334-1337  (2011)
原著論文2
Hiroyuki Fuchino,Atsuyuki Hishida,Ken-ichi Akagi,et al.
Quality Evaluation of Crude Drugs Using LC-NMR/MS(1) in the Cultivation and Processing of Achyranthes Roots
The Japanese Journal of Pharmacognosy , 68 (1) , 1-16  (2012)
原著論文3
Noriaki Kawano,Fumiyuki Kikuchi,Nobuo Kawahara,Kayo Yoshimatsu
Genetic and Phenotypic Analyses of a Papaver somniferum T-DNA Insertional Mutant with Altered Alkaloid Composition
Pharmaceuticals 2012 , 5 , 133-154  (2012)
原著論文4
Yoshiaki AMAKURA,Hiroyuki FUCHINO,Morio YOSHIMURA,et al.
High-performance TLC Comparison of Components in the Crude Drug “Scutellariae Radix”Available in Japan
Pharmaceutical and Medical Device Regulatory Science , 43 (7) , 644-649  (2012)
原著論文5
Akihiro Daikonya,Hiroyuki Fuchino,Yutaka Takahashi,et al.
Inhibitory Effect of Ginger (Zingiber officinale Roscoe) from the Japanese Market on Nitric Oxide Production, and Metabolome Analysis Based on LC/MS
The Japanese Journal of Pharmacognosy , 67 (1) , 1-6  (2013)
原著論文6
Katsuyuki Matsumura,Yuki Sawada,Michiho Ito
Identification of origin plant species of cinnamon bark
Japanese Journal of Food Chemistry and Safety , 20 (1) , 31-36  (2013)
原著論文7
河野徳昭
薬用植物総合情報データベースの構築
特産種苗 , 16 (2013.9) , 87-93  (2013)
原著論文8
Yoshiaki AMAKURA, Saori YAMAKAMI, Morio YOSHIMURA, Takashi YOSHIDA, Hiroyuki FUCHINO et al.
High Performance TLC Data of Representative Crude Drugs Available in Japanese Markets
Pharmaceutical and Medical Device Regulatory Science , 45 (6) , 510-518  (2014)
原著論文9
Kammoto, T., Yomura, K., Kikuchi, Y. et al.
Discrimination between Prepared Glycyrrhiza and Glycyrrhiza by TLC
The Japanese Journal of Pharmacognosy , 68 (2) , 70-77  (2014)
原著論文10
Kammoto, T., Yomura, K., Nakamura, Y., Kikuchi, Y., et al.
Discrimination between Kan-jio and Juku-jio by TLC
The Japanese Journal of Pharmacognosy , 69 (2) , 41-47  (2015)

公開日・更新日

公開日
2015-05-27
更新日
2017-07-03

収支報告書

文献番号
201208013Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
93,925,000円
(2)補助金確定額
93,925,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 24,942,894円
人件費・謝金 10,548,188円
旅費 1,035,400円
その他 35,723,740円
間接経費 21,675,000円
合計 93,925,222円

備考

備考
差額の222円は利息

公開日・更新日

公開日
2015-06-16
更新日
-