文献情報
文献番号
201207005A
報告書区分
総括
研究課題名
疾患関連創薬バイオマーカー探索研究
課題番号
H20-バイオ-指定-005
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
山西 弘一(独立行政法人医薬基盤研究所)
研究分担者(所属機関)
- 朝長 毅(独立行政法人医薬基盤研究所)
- 角田 慎一(独立行政法人医薬基盤研究所)
- 仲 哲治(独立行政法人医薬基盤研究所)
- 中山 敬一(九州大学 生体防御医学研究科)
- 平野 久(横浜市立大学院 国際総合科学研究科)
- 尾野 雅哉(独立行政法人 国立がんセンター研究所)
- 寒川 賢治(独立行政法人 国立循環器病センター研究所)
- 南野 直人(独立行政法人 国立循環器病センター研究所)
- 高坂 新一(独立行政法人 国立精神・神経センター 神経研究所)
- 加藤 菊也(独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪成人病センター)
- 野村 文夫(千葉大学大学院 医学研究院)
- 荒木 令江(熊本大学大学院 生命科学研究部)
- 中村 和行(山口大学大学院 医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬バイオマーカー探索研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
290,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
疾患関連バイオマーカーの発見には疾患の根本的な原因であるタンパク質の異常を見つけることが必須であり、ヒトの血液、尿、組織などの臨床材料を用いた疾患プロテオミクス研究が重要である。本研究では、最新の高精度次世代質量分析計を駆使し、日本のプロテオミクス研究の第一線で活躍している研究分担者と協力して、今までにない網羅性の高いタンパク質の検出・同定・検証のための基盤的技術の開発を行い、その技術を用いて癌、生活習慣病、神経疾患等を対象とした疾患バイオマーカーの探索・検証を行い、実用化に結びつくバイオマーカーを1つでも多く創出することを目的とした。
研究方法
1.iTRAQ法、SRM/MRMを用いたタンパク質の定量比較解析法、2.リン酸化タンパク質解析法、3.細胞膜タンパク質解析法、4.2DICAL法、5.抗体プロテオミクス手法(ファージ抗体ライブラリー技術)、6.超高感度自己抗体検出法、7.PROTEOMEX技術によるバイオマーカー抽出法、8.プロテオーム解析とトランスクリプトーム解析融合による統合プロテオミクス
結果と考察
本年度は特に以下の研究方法、研究材料を用いて研究を遂行した。
1.SRM/MRM法を用いた大腸癌バイオマーカー候補タンパク質105種類の大規模検証、および血漿中のアルツハイマー病バイオマーカー超微量ペプチドAPL1βの高感度定量を行った。2.抗体プロテオミクス技術を用い、乳がん関連膜蛋白質Eph receptor A10(EphA10)の各種乳がん組織・正常組織での発現分布を解析することで創薬ターゲットとしての有用性を評価した。3.悪性黒色腫の手術組織を用いた定量的プロテオミクス手法(iTRAQ法)により、悪性黒色腫のバイオマーカー探索を行い、同定されたマーカー候補タンパク質Periostinの機能解析を行った。4.SRM/MRM解析プラットフォームを利用して多検体の精密な絶対量計測が可能なことを実証するとともに、よりスループットが高い解析法としてSWATH法による絶対定量法の構築を試みた。5.細胞培養液に分泌するタンパク質のショットガン解析を行い、明細胞腺癌バイオマーカータンパク質TFPI2を同定し、その診断バイオマーカーとしての有用性を検証した。6.2DICAL法を用い、肝臓癌の診断治療に有用なリン酸化プロテオーム解析を行った。7.心不全のバイオマーカー探索するため、マウスの心筋症モデルとイヌ機械的刺激心不全モデルのショットガンプロテオーム解析を実施した。8.髄液のプロテオーム解析のための前処理法の検討を行った。9.大腸癌や膵臓癌の癌特異的糖鎖抗原α2-6 sialylated Type 1H, ST1H検出のためのモノクローナル抗体作製を行った。10.原発性肝細胞癌バイオマーカーとして、血中自己抗体Ku86抗体検出法を試み、診断の有用性について検討した。11.統合プロテオミクス解析を用い、グリオーマ幹細胞の分化制御タンパク質を同定した。12.C型肝炎ウィルス関連肝細胞癌バイオマーカーとして、血中自己抗体HSP70抗体を検出するためのプロテインチップの開発を行った。膵臓がんの抗がん剤による治療評価のためのバイオマーカー候補蛋白としてHSP27の有用性について検討した。
1.SRM/MRM法を用いた大腸癌バイオマーカー候補タンパク質105種類の大規模検証、および血漿中のアルツハイマー病バイオマーカー超微量ペプチドAPL1βの高感度定量を行った。2.抗体プロテオミクス技術を用い、乳がん関連膜蛋白質Eph receptor A10(EphA10)の各種乳がん組織・正常組織での発現分布を解析することで創薬ターゲットとしての有用性を評価した。3.悪性黒色腫の手術組織を用いた定量的プロテオミクス手法(iTRAQ法)により、悪性黒色腫のバイオマーカー探索を行い、同定されたマーカー候補タンパク質Periostinの機能解析を行った。4.SRM/MRM解析プラットフォームを利用して多検体の精密な絶対量計測が可能なことを実証するとともに、よりスループットが高い解析法としてSWATH法による絶対定量法の構築を試みた。5.細胞培養液に分泌するタンパク質のショットガン解析を行い、明細胞腺癌バイオマーカータンパク質TFPI2を同定し、その診断バイオマーカーとしての有用性を検証した。6.2DICAL法を用い、肝臓癌の診断治療に有用なリン酸化プロテオーム解析を行った。7.心不全のバイオマーカー探索するため、マウスの心筋症モデルとイヌ機械的刺激心不全モデルのショットガンプロテオーム解析を実施した。8.髄液のプロテオーム解析のための前処理法の検討を行った。9.大腸癌や膵臓癌の癌特異的糖鎖抗原α2-6 sialylated Type 1H, ST1H検出のためのモノクローナル抗体作製を行った。10.原発性肝細胞癌バイオマーカーとして、血中自己抗体Ku86抗体検出法を試み、診断の有用性について検討した。11.統合プロテオミクス解析を用い、グリオーマ幹細胞の分化制御タンパク質を同定した。12.C型肝炎ウィルス関連肝細胞癌バイオマーカーとして、血中自己抗体HSP70抗体を検出するためのプロテインチップの開発を行った。膵臓がんの抗がん剤による治療評価のためのバイオマーカー候補蛋白としてHSP27の有用性について検討した。
結論
次世代プロテオミクス基盤技術を用いてヒト臨床検体を用いた大規模なバイオマーカー候補タンパク質の探索を行った。その結果、上記の新規バイオマーカー候補タンパク質の同定に成功した。
公開日・更新日
公開日
2013-08-13
更新日
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