文献情報
文献番号
201203001A
報告書区分
総括
研究課題名
サハラ以南アフリカにおけるエイズ・結核研究ネットワークの構築に関する研究
課題番号
H23-地球規模-一般-001
研究年度
平成24(2012)年度
研究代表者(所属機関)
服部 俊夫(東北大学 災害科学国際研究所)
研究分担者(所属機関)
- 鈴木 定彦(北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター・細菌学)
- 山岡 昇司(東京医科歯科大学歯学総合研究所・ウイルス学)
- 一瀬 休生(長崎大学熱帯医学研究所ウイルス学分野・細菌学)
- 垣本 和宏(大阪府立大学看護学部・国際保健学)
- 仲宗根 正(国立感染症研究所エイズ研究センター・ＨＩＶワクチン学・ウイルス学)
- 久保 亨(長崎大学熱帯医学研究所ウイルス学分野・免疫学)
- 福本 学(東北大学加齢医学研究所)
- 児玉 栄一(東北大学病院・内科感染症科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究（地球規模保健課題推進研究）
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
8,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書（概要版）
研究目的
サハラ以南の諸国の大部分は圧倒的に保健医療資源が少ない。そして現在行われているエイズ・結核のグローバルファンドによる治療が十分な管理体制のないまま行われ、結核には既にXDR-TBの多発が報告され、またARTの失敗による耐性HIVの出現が予測される。それらの検出法と実態把握とその対策を同時に行い、その成果をネットワークで共有することにより困難なサハラ以南のエイズ・結核問題に対応し、さらに結核撲滅をめざした潜在性結核感染症の研究を行う。
研究方法
１）アフリカ諸国との共同研究ネットワーク構築
アフリカにおける交流の推進を目的として、研究会、学会での報告およびアフリカからの研究者招へいを実施し、情報の収集と交流を行った。
２）アフリカ以外を対象にしたネットワークの拡大
１．教育プログラムとの連携
「人間の安全保障」に着目した連携を行った。サハラ以南アフリカではHIVをはじめとする感染症が深刻で、個人の健康上の脅威にとどまらず、生産人口の減少にともなう社会経済上の脅威でもあり、人間の安全保障からのアプローチにおいても重要な課題である。
東北大学ではHuman Security Programと本研究課題であるネットワーク構築の一部の連携を行い、教育交流の実施を行う際、Human Security Programの活用を行い、アフリカからの留学生の受け
入れを昨年度より行っている。
２．災害科学国際研究所との連携
東日本大震災を経て、2012年4月に東北大学災害科学国際研究所が設立された。サハラ以南の感染症対策上の課題の一つに、利用可能な資源が限られているということがある。このような状況は、原因や背景は全く異なるが、災害後の対応における状況の困難さと共通するところは多い。このような観点から、同研究所の災害医学部門を中心に、Human Security Programの教育充実も行っ
た。
３）情報の発信
ネットワーク構築の現状と課題について第26回日本国際保健医療学会で報告した。
国民向けの情報発信ツールの作成を目的とする映像による熱帯感染症入門資料の作成を開始した。
４）ヒト由来試料の国際的移動に関する規制の現状調査
ヒト由来試料は医学研究において重要な研究の素材である。感染症研究においては、国際的な連携が重要である。効果的な連携を実現するためには、人・物・金の資源の交流が欠かせない。これらのうち人と金については、それぞれ研究者交流、ファンディングにより実現可能であり、前者については本研究課題でも実施している。しかしながら、物の交流、とりわけヒト由来試料の国際的な移動については確立されたルールが存在しない。そこで現状の調査を実施した。
アフリカにおける交流の推進を目的として、研究会、学会での報告およびアフリカからの研究者招へいを実施し、情報の収集と交流を行った。
２）アフリカ以外を対象にしたネットワークの拡大
１．教育プログラムとの連携
「人間の安全保障」に着目した連携を行った。サハラ以南アフリカではHIVをはじめとする感染症が深刻で、個人の健康上の脅威にとどまらず、生産人口の減少にともなう社会経済上の脅威でもあり、人間の安全保障からのアプローチにおいても重要な課題である。
東北大学ではHuman Security Programと本研究課題であるネットワーク構築の一部の連携を行い、教育交流の実施を行う際、Human Security Programの活用を行い、アフリカからの留学生の受け
入れを昨年度より行っている。
２．災害科学国際研究所との連携
東日本大震災を経て、2012年4月に東北大学災害科学国際研究所が設立された。サハラ以南の感染症対策上の課題の一つに、利用可能な資源が限られているということがある。このような状況は、原因や背景は全く異なるが、災害後の対応における状況の困難さと共通するところは多い。このような観点から、同研究所の災害医学部門を中心に、Human Security Programの教育充実も行っ
た。
３）情報の発信
ネットワーク構築の現状と課題について第26回日本国際保健医療学会で報告した。
国民向けの情報発信ツールの作成を目的とする映像による熱帯感染症入門資料の作成を開始した。
４）ヒト由来試料の国際的移動に関する規制の現状調査
ヒト由来試料は医学研究において重要な研究の素材である。感染症研究においては、国際的な連携が重要である。効果的な連携を実現するためには、人・物・金の資源の交流が欠かせない。これらのうち人と金については、それぞれ研究者交流、ファンディングにより実現可能であり、前者については本研究課題でも実施している。しかしながら、物の交流、とりわけヒト由来試料の国際的な移動については確立されたルールが存在しない。そこで現状の調査を実施した。
結果と考察
研究者訪問などの人的な交流は昨年度に引き続いて順調であり、今年度は、アフリカにおいて班会議を開催することができた。本研究は日本と対象の国という二国間の交流にとどまりがちな国際共同研究のネットワーク化を推進するものである。教育プログラムを通じた連携も積極的に推進した。
一方で、ヒト由来試料の移動に関しては、資料の性格が多様であることが問題を複雑にしている可能性が示唆された。
一方で、ヒト由来試料の移動に関しては、資料の性格が多様であることが問題を複雑にしている可能性が示唆された。
結論
今年の研究交流は５回延べ１０名を実施し、アフリカ諸国とのネットワーク構築が進んだ。新たな研究課題としてヒト試料の国際的移動に関する取り決めの整備が明らかとなった。
公開日・更新日
公開日
2013-05-31
更新日
-