文献情報
文献番号
201134014A
報告書区分
総括
研究課題名
自然災害による広域災害時における効果的な初動期医療の確保及び改善に関する研究
課題番号
H22-健危・一般-009
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
小井土 雄一(独立行政法人国立病院機構災害医療センター 臨床研究部)
研究分担者(所属機関)
- 山田 憲彦(防衛省航空幕僚監部)
- 大友 康裕(東京医科歯科大学)
- 井上 潤一(国立病院機構災害医療センター)
- 定光 大海(国立病院機構大坂医療センター)
- 松本 尚(日本医科大学千葉北総病院)
- 本間 正人(鳥取大学医学部)
- 森野 一真(山形県立救命救急センター)
- 中山 伸一(兵庫県災害医療センター)
- 近藤 久禎(国立病院機構災害医療センター)
- 阿南 英明(藤沢市民病院)
- 石原 哲(白髭橋病院)
- 高橋 毅(国立病院機構熊本医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
4,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
2011年3月11日、東日本大震災が発災しM9.0の地震および津波により死者・行方不明者27,000人を超える未曽有の災害となった。本研究班は、災害医療体制構築における課題に対して、対応のガイドライン、マニュアル等を提示することを目的としてきた。阪神淡路大震災においては、災害初動期の組織的な対応の不足から多くの「防ぎえた災害による死亡」を生んだことが問題とされた。この教訓から本邦では、災害拠点病院、広域災害救急医療情報システムが整備された。更に中越地震の教訓を得てDMATが設立した。しかし、このような災害医療体制は、その後も実災害や大規模な訓練の成果から課題をえて、様々な課題が提示されている。今回の東日本大震災においても、計画通り出来たこと出来なかったことがあり、新たな課題も明白になった。本研究は、これらの課題に対応するものであり、災害医療体制をより一層強化することにつながる。
研究方法
本研究においては、今回の東日本大震災を踏まえ急性期災害医療の課題と解決案の提示し、それを政府総合防災訓練、各地方における訓練、DMAT研修等で試行して、その結果から解決策の評価を行い、政策提言を行う。
研究の年次計画は、初年度は、それぞれの課題における戦略、マニュアル等の案を策定する。次年度は、DMAT研修や災害医療従事者研修、総合防災訓練、緊急消防援助隊との連携訓練等でこれらを検証する。また、本研究は広範囲なサブテーマを含んでいるが、総合的に一貫性を持つことが重要であるのでその検証も行う。最終年度はその検証を受け、戦略、マニュアル等の最終案を提示する。
研究の年次計画は、初年度は、それぞれの課題における戦略、マニュアル等の案を策定する。次年度は、DMAT研修や災害医療従事者研修、総合防災訓練、緊急消防援助隊との連携訓練等でこれらを検証する。また、本研究は広範囲なサブテーマを含んでいるが、総合的に一貫性を持つことが重要であるのでその検証も行う。最終年度はその検証を受け、戦略、マニュアル等の最終案を提示する。
結果と考察
3.11は、阪神・淡路大震災以降、新しく築き上げてきた急性期災害医療体制が試される結果ともなった。DMAT活動、広域災害救急医療システム、広域医療搬送は大きな成果を収めたが、新たな課題も生まれた。既に「災害医療等のあり方に関する検討会」(厚生労働省)においても、今後の災害医療の課題、その対応策が報告されている。本研究においてはこれらの方向性を踏まえ、更に具体的な、局地災害対応、病院における情報システム、広域医療搬送、トリアージ、広域災害救急医療情報システム、ロジスティック、関係機関の急性期対応等のガイドライン、マニュアル等を提示することにより災害体制をより一層強化することを目指した。その結果、今年度の成果には多くの3.11の教訓が活かされることになった。
結論
次年度は研究期間3年間の最終年であり、研究成果をまとめる必要がある。最終成果を作成するに当たっては、行政担当者と複数回の会議を持ち連携する予定である。
公開日・更新日
公開日
2012-12-25
更新日
-