エステティックにおけるフェイシャルスキンケア技術の実態把握及び身体への影響についての調査研究

文献情報

文献番号
201134013A
報告書区分
総括
研究課題名
エステティックにおけるフェイシャルスキンケア技術の実態把握及び身体への影響についての調査研究
課題番号
H22-健危・一般-008
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
大原 國章(財団法人 日本エステティック研究財団)
研究分担者(所属機関)
  • 林 伸和(国家公務員共済組合連合会 虎の門病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
4,858,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、フェイシャルスキンケアを提供する施設の衛生管理の状況等を把握し、さらに、フェイシャルスキンケアに関係する健康危害の実態の調査、原因の解明を行い、健康危害を予防する対策や衛生管理の充実のための方法を提案することである。
研究方法
1)全国2,200店舗のエステティックに実態調査票(衛生管理に関する21の質問、健康被害の有無等の質問)を郵送し、770店舗から回答を得た。また、エステティック24店舗の衛生管理状況に関する視察及びヒアリングを行った。2)施術用化粧品の試験は、日本人健常成人女性21名を被験者に、実態調査票に皮膚障害を生じたとの回答があった17試料を含む22試料の48時間閉塞性パッチテストで皮膚への皮膚安全性(刺激指数)を判定した。
3)施術用エステ機器2機種の熱傷誘発試験は、寒天(無色、褐色、黒色)及び豚皮(白色、黒色)を使用して施術直後の表面温度の変化を測定した。高出力、同一部位への反復施術及び長時間施術など通常の使用方法を逸脱した方法についても検討した。
結果と考察
1)エステティックの衛生管理実態調査では、日々実施すべき消毒等に関する21項目の質問に対して、80%以上実施していると回答したのは全体の28.4%と全体として消毒等の実施率は低い。衛生管理責任者やマニュアルを導入している店舗では消毒等の実施率が高く、日常的に衛生管理を実践する事例としては見逃せない点である。2)化粧品22試料のパッチテストの判定結果は、使用方法が適正であれば、安全性に問題ないと判断できた。3)施術用IPL脱毛器の実験では、表面温度の上昇は軽度であったが、色の濃さや反復照射回数と表面温度の上昇率に相関があることから、施術時には同一部位への反復照射を避け、皮膚の色の濃い場合には出力を下げる等の注意が必要と考えられた。施術用RF美容機器では、通常と異なる使用方法で表面温度は非常に高くなったことから、特に適正な使用方法の順守が強く求められることが分かった。
結論
エステティックの衛生管理の徹底は、衛生管理責任者の導入を促し、実践に適したチェックリスト等の策定と普及のための方策を検討する。また施術に際し、用いる化粧品や機器は、通常使用方法を逸脱すれば熱傷等の危害を生じる可能性があることが分り、危害を防止する観点から、今後、通常の使用方法等を厳守して適正な施術を行うための施術者への教育訓練の徹底等の方策を検討する。

公開日・更新日

公開日
2012-12-25
更新日
-

収支報告書

文献番号
201134013Z