OTC医薬品に関わる専門家教育と供給等に関する調査研究

文献情報

文献番号
201132078A
報告書区分
総括
研究課題名
OTC医薬品に関わる専門家教育と供給等に関する調査研究
課題番号
H23-医薬・指定-028
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
坂巻 弘之(名城大学薬学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
5,142,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
OTC医薬品の購入困難者(へき地・離島居住者、要介護者など)に対する円滑なOTC医薬品の供給体制の確立はOTC医薬品に関る重要な政策課題である。また、OTC医薬品を合理的、適切に供給するためには、薬剤師が地域の消費者の健康状態や症状を評価し、OTC医薬品による軽医療への介入を行うことが必要である。そこで、要介護者へのOTC医薬品の供給体制の現状を明らかにすることを目的の第1とし、次いで、諸外国の薬剤師教育制度を調査し、具体的なOTC教育プログラムと資料を翻訳して実際に使用することで、わが国への導入可能性の検討を行うことを第2の目的とした。
研究方法
全国の訪問介護事業所を対象とし、ヘルパーから要介護者のOTC医薬品に関る問題点(購入や保管、使用など)と望ましいOTC医薬品の供給体制についてアンケート調査を行った。海外調査は、カナダ、オーストラリアを対象国とし、オーストラリアの教育プログラムと資料を翻訳し、試行的なワークショップにおいて評価を受けるとともに、日本版プログラム開発のための課題を検討した。
結果と考察
要介護者においては、OTC医薬品の購入が困難とされる割合は、64.4%と多く、それらの大半は家族が購入していると推察される結果であった。OTC医薬品購入困難者に対する調査から、OTC医薬品についても、使用方法、管理内容が不適切と考えられるものが多く、OTC医薬品も含めた薬剤師による在宅あるいは居宅での管理指導の必要性が推察された。
諸外国調査において、OTCに関する教育の重要性が認識されており、薬剤師が軽医療に関与するためには、初めて薬局を訪れる消費者から適切に症状を聴取する必要があり、正しい判断を行うためには、医学的知識だけでなく、患者に適切な質問をすることによって、判断に必要となる情報を患者から聴取するコミュニケーション能力と、臨床判断分析のためのストラテジーを構築できる能力が重要である。ただし、諸外国の教育プログラムを日本に導入することは有効な手段の一つと考えられるが、その一方で、日本の規制や文化にそったプログラムの開発も重要と考えられた。
結論
諸外国の国でも、OTC医薬品に対する薬剤師の関りが重要であると認識されており、臨床教育の一環としてOTC医薬品教育や軽医療教育プログラムが作成されており、これらは、わが国への導入が検討されるべきと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2012-09-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201132078Z