文献情報
文献番号
201132061A
報告書区分
総括
研究課題名
薬剤師教育における実務実習指導薬剤師及び実務家教員に関する実態把握
課題番号
H23-医薬・一般-011
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 洋史(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
- 堀内 龍也(日本病院薬剤師会)
- 望月 眞弓(慶應義塾大学)
- 関根 祐子(千葉大学)
- 寺田 智祐(滋賀医科大学 )
- 川上 純一(浜松医科大学)
- 伊藤 晃成(東京大学 医学部附属病院)
- 杉浦 宗敏(東京薬科大学)
- 内野 智信(静岡県立大学)
- 山本 武人(東京大学 医学部附属病院)
- 高田 龍平(東京大学 医学部附属病院)
- 大野 能之(東京大学 医学部附属病院)
- 佐々木 均(長崎大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
優れた臨床能力を有する薬剤師の育成を目的として、平成18年度より6年制課程の薬学教育が発足し、平成22年からは6年制教育課程の重要なカリキュラムとなる長期実務実習が開始された。現在、長期実務実習を更に効果的なものとするため、様々な観点から評価・点検が行われているが、現場における長期実務実習と大学教育との連続性という観点からの調査はほとんど報告が無い。そこで、本研究では長期実務実習と大学教育の連続性に着目した大規模なアンケート調査を行い、長期実務実習を一貫性のある効果的な教育とするための方策を検討することを目的とした。
研究方法
大学、病院および薬局(計10,669施設)を対象にアンケートを実施し、6年制薬学教育の教育方針に関する意識調査を行うと共に、長期実務実習の現状を、特に大学における事前学習との整合性の観点から検証した。さらに、6年制教育課程において重要な役割を持つ実務家教員および実習指導薬剤師の役割と現状、大学と実習受入施設の連携状況に関しても調査を行った。
結果と考察
計1,043施設より有効回答(有効回答率:9.78%)が得られた。解析の結果、大学教員や学生の期待と実際の実習内容に乖離があり、その原因として相互の教育に関する考え方の相違が大きく関与していることが明らかとなった。しかし、一方で、そのような相違を解消するための大学・実習受入施設間での人材交流については基本的に望ましいとの意見が多いが、双方に時間的・人的余裕が無く、現実的には一部の施設で行われているのみであることも明らかとなった。
これらの結果から、本来は大学における教育内容との連続性や実習内容の均質性が求められる長期実務実習において、必ずしも大学と実習受入施設との連携が良好でないケースも少なくないことが推察され、この現状を解決することが長期実務実習をより効果的に実施するために必要であると考えられた。
これらの結果から、本来は大学における教育内容との連続性や実習内容の均質性が求められる長期実務実習において、必ずしも大学と実習受入施設との連携が良好でないケースも少なくないことが推察され、この現状を解決することが長期実務実習をより効果的に実施するために必要であると考えられた。
結論
6年制の薬学教育課程における長期実務実習は、大学教育との一貫性が重視されるべきであり、学生教育と臨床業務の両方を体系的に学んだ実務家教員および実務実習指導薬剤師の役割は極めて重要であるが、人員数の不足によりその能力を十分に活用できていない面もある。効果的な長期実務実習の実現には、実務家教員および実習指導薬剤師のさらなる増員と、資質の維持が必要不可欠である。
公開日・更新日
公開日
2012-09-06
更新日
-