既存添加物の品質評価と規格試験法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201131043A
報告書区分
総括
研究課題名
既存添加物の品質評価と規格試験法の開発に関する研究
課題番号
H23-食品・一般-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
山崎 壮(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
研究分担者(所属機関)
  • 天倉 吉章(松山大学 薬学部)
  • 水上 元(名古屋市立大学大学院 薬学研究科)
  • 受田 浩之(高知大学 教育研究部総合科学系生命環境医学部門)
  • 松井 利郎(九州大学大学院 農学研究院)
  • 石川 洋哉(福岡女子大学 国際文理学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
14,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
既存添加物365品目のうち、約140品目が国の成分規格未設定である。そこで、3年計画で次のことをめざす。
(1)成分規格未設定の既存添加物について、今後の成分規格作成の技術的実現性を調査研究し、成分規格作成の優先順序を判断する。
(2)含有成分の解析と基原確認及び成分規格試験法の検討を進める。
(3)含有成分の分離分析が難しい酸化防止剤製品への適用をめざして、酸化防止剤の規格試験法素案を作成する。
研究方法
1.既存添加物の成分規格作成の技術的実現性に関する調査
2.含有成分解析に関する研究
3.既存添加物の成分規格試験法の検討
4.天然酸化防止剤の抗酸化活性規格試験法開発に関する研究
結果と考察
1.既存添加物の流通状況、安全性確認試験実施状況、成分規格の整備状況を調査した。
2.(1) 異なる原料植物種(基原)から製造されたカンゾウ油性抽出物製品、既存添加物以外のカンゾウ製品およびカンゾウ根茎からの抽出物の各含有成分をHPLC分析で比較した。 (2) タマネギ色素から、新規色素化合物を同定した。(3) クチナシ青色素はgenipinと反応させるペプチドによって色調が異なる。そこで、genipinと各種アミノ酸の反応生成物の色調の差異を調べた。(4) ブドウ果皮抽出物には、数種の低分子フェノール類のほか、高分子化合物(縮合型タンニン)が存在していた。
3.(1) 定量NMR法を用いた、ヤマモモ抽出物の主成分ミリシトリンの定量法を確立した。(2) カラメルⅢの純度試験 2-アセチルテトラヒドロキシブチルイミダゾールのHPLC操作条件を改良した。
4.(1) カテキン類の様々な組成比及び濃度をもつチャ抽出物28製品をモデル試料にして、抗酸化活性成分の含量(各種カテキン含量合計値)とDPPH法による抗酸化活性値との間に高い相関関係があることを実証した。(2) 脂質過酸化抑制能評価法として、ロダン鉄法の原理に基づいたSIA(Sequential Injection Analysis) 法を開発した。分析時間が約15分であり、従来法(バッチ法)の約6時間と比較して大幅に時間短縮できた。(3) DPPH法とABTS法では、抗酸化化合物中のカテコール構造の有無で反応性が異なることが明らかになった。(4) トコフェロールと他の酸化防止剤との併用では、一部の酸化防止剤で相乗効果が認められた。
結論
ほぼ予定通り研究が進んだ。

公開日・更新日

公開日
2012-05-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201131043Z