食品中残留農薬等のスクリーニング分析法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201131019A
報告書区分
総括
研究課題名
食品中残留農薬等のスクリーニング分析法の開発に関する研究
課題番号
H22-食品・一般-005
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
根本 了(国立医薬品食品衛生研究所 食品部)
研究分担者(所属機関)
  • 坂井隆敏(国立医薬品食品衛生研究所 食品部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食品に残留する農薬等に関するポジティブリスト制度の導入により、基準値が設定された農薬等の数は約830品目に達し、畜水産物には動物用医薬品に加えて農薬の基準値も設定された。このような多数の農薬等の農産物及び畜水産物中の残留検査には、効率的で信頼性の高いスクリーニング分析法の開発が不可欠である。そこで、1)新規分析技術を用いた農産物中残留農薬のスクリーニング分析法の開発及び2)畜水産物中残留動物用医薬品及び農薬の包括的スクリーニング分析法の開発を行った。
研究方法
1)「抽出・精製」における迅速化・効率化を図るため、超臨界流体抽出(SFE)法の残留農薬分析への適用について検討した。LC-MSで測定可能な中~高極性の123化合物を用いてSFE法に適した試料調製法やSFE条件(超臨界二酸化炭素密度、抽出温度、抽出時間等)の最適化を行い、農産物中残留農薬分析に適したSFE法を開発し、溶媒抽出法と比較した。2)畜水産物を対象とした効果的な精製方法を確立するため、広範な極性を持つ農薬等約160化合物を用いて、種々の畜水産物試料中の測定の妨害となる夾雑成分のミニカラムを用いた除去方法について検討した。
結果と考察
1)試料をSFE後、クリーンアップなしでLC-MS/MS測定する簡便なスクリーニング分析法を確立した。確立した方法により農産物を用いて添加回収試験を行った結果、検討した農薬の大部分は溶媒抽出法とほぼ同等の真度及び精度が得られた。また、農薬が残留した試料を用いてSFE法と溶媒抽出法の分析値を比較した結果、一部の農薬を除き、両者はほぼ同等の結果が得られ、SFE法は残留農薬スクリーニング分析法として有効であることが示された。2)色素等の除去に有効なグラファイトカーボンミニカラム及び高極性夾雑物の除去に有効なシリカゲルミニカラムを用いて、多くの検討対象農薬等に適用可能なクリーンアップ法を確立した。また、豚肝臓の検討から、試料調製中に減少する農薬等があったことから、試料調製中の減少を防止する方法を確立した。
結論
1)SFE法は溶媒抽出法と比較して大幅に操作が簡略化され、迅速・効率的な残留農薬スクリーニング分析法として有効であると考えられた。また、SFE法は自動化が可能であることから、分析精度の向上、個人差に由来する変動の低減が期待される。2)試料調製中の減少を防止するとともに、複数のミニカラムを用いた効率的なクリーンアップ法を確立し、畜水産物の動物用医薬品及び農薬の包括的スクリーニング分析法を開発した。

公開日・更新日

公開日
2012-05-23
更新日
-

収支報告書

文献番号
201131019Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
6,000,000円
(2)補助金確定額
6,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 5,598,971円
人件費・謝金 0円
旅費 247,660円
その他 153,720円
間接経費 0円
合計 6,000,351円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2015-05-21
更新日
-