文献情報
文献番号
201130006A
報告書区分
総括
研究課題名
ナノマテリアルの簡易測定法の開発及びばく露防止対策等に関する研究
課題番号
H22-労働・一般-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
名古屋 俊士(早稲田大学 理工学術院創造理工学部環境資源工学科)
研究分担者(所属機関)
- 明星敏彦(産業医科大学産業生態科学研究所労働衛生工学研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
4,760,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
ナノマテリアルの開発が急速に進められている中、労働者の健康確保のためには、作業環境中のナノマテリアルの測定が必要である。事業場においてナノマテリアル曝露防止対策を目標にして、市販の相対濃度計を改良しナノマテリアルを取扱う作業環境での使用が可能な相対濃度計の開発を行う。さらに、ナノマテリアル発生装置を開発し、各種防じんマスクの捕集効率を求め、各種ナノ粒子に対応する防塵マスクの選定に関する情報提供する。
研究方法
理論に基づき光源の波長を405nmに、散乱光の検出角度を90°の条件で、市販のLD-5型相対濃度計を改良し、ナノ粒子の領域まで測定できる可能性のあるLD-5N型相対濃度計を試作した。さらに各種ナノサイズの粒子をナノ粒子発生装置で発生させ、単体粒子から凝集粒子まで一度に測定できるサーマルプレシピテーターの開発を試みた。また、粒径や粒子形状の異なる全てのナノ粒子をナノ粒子発生装置で発生させ、市販の防じんマスクの捕集効率及び粒子の捕集機構の特性を確認した。
結果と考察
改良したデジタル粉じん計LD-5Nは、100nmの粒子径におけるLD-3型相対濃度計に対する感度比は約24倍となり、ナノ粒子を十分に検出できることが判った。また、現場適応試験を行った結果、LD-5よりもナノサイズの粒子に対する感度の高い値が得られた。さらに、開発したサーマルプレシピテーターは、単体粒子から凝集粒子まで一度捕集出来ることが確認された。
メカニカルフィルターの捕集効果の理論を実験で検証した結果、粒径や粒子形状の異なる全てのナノ粒子に対して、96%以上と高い値を示した。一方、約200~300nmの粒子に対する捕集の低下が確認された。
メカニカルフィルターの捕集効果の理論を実験で検証した結果、粒径や粒子形状の異なる全てのナノ粒子に対して、96%以上と高い値を示した。一方、約200~300nmの粒子に対する捕集の低下が確認された。
結論
LD-5Nの開発により、「ナノマテリアル取扱い作業環境における作業環境管理フロー」に従い実施する一次スクリーニングの精度が向上し、簡易測定法が一歩前進したと考えられる。また、本研究の成果は、今後ナノマテリアルに関連する測定や個人曝露防止対策の実施を予定している労働行政に対して大いに役立つ知見を提供できると考える。
公開日・更新日
公開日
2012-06-21
更新日
-