病院情報システムのデータを利用した臨床指標に関する研究

文献情報

文献番号
201129061A
報告書区分
総括
研究課題名
病院情報システムのデータを利用した臨床指標に関する研究
課題番号
H23-医療・指定-015
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
木村 通男(国立大学法人 浜松医科大学 医学部附属病院 医療情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 利彦(国立大学法人 浜松医科大学 医学部附属病院 医療福祉支援センター)
  • 中島 直樹(国立大学法人 九州大学医学部附属病院 医療情報部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
病院情報システムの持つ、処方、注射、検査結果、病名などの情報を用い、新たに医師にデータを入力させることなく臨床指標を作成する。当然、これらのみで出せる指標には限りがあるが、逆にどのようなものは出せるかを検討する。
研究方法
浜松医科大学病院が11年分蓄積している処方、注射、検査結果、病名などの情報を既存の臨床情報検索システムD*Dを用いて、さまざまな臨床指標を求める。同じシステムを稼動開始した九州大学病院でも同じ指標を求め、比較検討する。
結果と考察
10程度の指標について、浜松医科大学病院、九州大学病院、それぞれで臨床情報検索システムD*Dからデータを抽出した。新たな医師のデータ入力を必要とせず評価をおこなうことが1時間以内の操作で可能であった。また、この臨床情報検索システムの時系列機能を利用して、時間的前後関係に基づき母集団も得つつ指標を出すことが出来た。両病院ともに、厚労省標準的医療情報交換推進事業(SS-MIX)の標準化ストレージを備えている。今回、同じ臨床情報検索システム、プロトコルの利用による同じ臨床指標抽出を容易にしたのは、このストレージの賜物である。このストレージは、静岡県で20施設に設置されている。国内でも厚生労働省医薬食品局のセンチネルプロジェクトで10施設(浜松医科大学病院、九州大学病院を含む)に設置される予定であり、今後、この標準化基盤での統一プロトコルでの検索が可能となるであろう。一方、このストレージには、医師の記事記録などは含まれておらず、持つ情報種で出せる指標は、臨床指標全体の半分程度と考えられるため、医師の記述内容を検索対象に取り込んでいくかが今後の課題となるであろう。
結論
厚労省標準的医療情報交換推進事業(SS-MIX)の標準化ストレージの利用により、同じ臨床情報検索システム、同じプロトコルで、浜松医科大学病院と九州大学病院にて、同じ臨床指標を作成することが容易に出来た。今回利用した臨床情報検索システムの時系列機能により「初回投与者何名中、後何ヶ月以内にこの検査異常があった患者何名」という時間的前後関係に基づき、母集団も得つつ、指標を出すことが出来たことで臨床的意義は大きかった。

公開日・更新日

公開日
2012-05-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201129061Z