日本・中国・韓国における生薬と治療処方の異同性に関する国際比較調査研究

文献情報

文献番号
201129013A
報告書区分
総括
研究課題名
日本・中国・韓国における生薬と治療処方の異同性に関する国際比較調査研究
課題番号
H22-医療・一般-015
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
柴原 直利(富山大学 和漢医薬学総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 条 美智子(富山大学 和漢医薬学総合研究所)
  • 伏見 裕利(富山大学 和漢医薬学総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
1,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
各国の生薬の基原,あるいは伝統医療方剤の構成生薬や配合比には異同があることから,日本国内及び中国・韓国における生薬の基原植物,伝統医療方剤の構成生薬・配合比に関する情報を収集した。
研究方法
生薬の基原植物の情報については,平成22年度に選択した156種に9種を加えた165種を選択し,本邦および韓国,中国の薬局方などから情報を収集した。伝統医療方剤の構成生薬とその配合比率については,平成22年度に選択した184種に46種を加えた230種を選択し,福島県会津医療センター、九州大学附属病院を加えた国内7施設で,国内漢方エキス製剤,韓国及び中国において使用される本邦と同一処方名の伝統医療方剤の構成生薬とその配合比についての情報を収集し,これを基にデータベースを作成した。
結果と考察
生薬の基原の基原については,調査した165種の生薬の中で,基原が日本と中国,韓国のすべてで同一の記載であるものは64種であり,日本と中国のみが同一の記載は10種,日本と韓国のみが同一の記載は31種,日本のみが異なる記載であるものが25種であった。また,これらの同一の基原が記載されている生薬の中にも,薬用部位などの記載が異なるものもみられた。生薬の指標成分及びその含有量の記載については,日本と中国,韓国のすべてで指標物質が一致している生薬は12種であったが,指標物質の含有量までが一致している生薬はみられなかった。
調査した230方剤の構成生薬の種類については,153方剤が国内の漢方診療施設において同一であり,附子や地黄,朮などの記載が異なっていた。中国や韓国との比較では,中国と韓国における構成生薬が同一で,日本のいずれかの構成生薬と一致したものは37方剤であった。配合比については,日本国内における構成生薬と配合比が同一であった方剤は3方剤のみであった。中国や韓国との比較では,中国と日本が同一であったものはなく,韓国と日本が同一であったものは4方剤のみであった。一方,中国と韓国が同一であったものも13方剤のみであった。
結論
日本及び中国,韓国において同一名で流通する生薬の基原,あるいは処方の構成生薬・配合比には異なるものがみられることが明らかとなり,本データベースの作成は,生薬や生薬製剤の国際標準化における日本の政策形成に寄与するものと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2012-06-01
更新日
-

文献情報

文献番号
201129013B
報告書区分
総合
研究課題名
日本・中国・韓国における生薬と治療処方の異同性に関する国際比較調査研究
課題番号
H22-医療・一般-015
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
柴原 直利(富山大学 和漢医薬学総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 条 美智子(富山大学 和漢医薬学総合研究所)
  • 伏見 裕利(富山大学 和漢医薬学総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
各国の生薬の基原,あるいは伝統医療方剤の構成生薬や配合比には異同があることから,日本国内及び中国・韓国における生薬の基原植物,伝統医療方剤の構成生薬・配合比に関する情報を収集した。
研究方法
生薬の基原植物の情報については,日本国内で流通する生薬の中から165種を選択し,本邦および韓国,中国の情報を収集した。伝統医療方剤の構成生薬とその配合比率については,日本国内で頻用されている漢方方剤の中から230種を選択し,国内漢方診療施設で使用される漢方処方,国内漢方エキス製剤,さらに韓国及び中国において使用される本邦と同一処方名の伝統医療方剤の構成生薬とその配合比についての情報を収集し,これを基にデータベースを作成した。
結果と考察
生薬の基原の基原については,調査した165種の生薬の中で,基原が日本と中国,韓国のすべてで同一の記載であるものは64種であり,日本と中国のみが同一の記載は10種,日本と韓国のみが同一の記載は31種,日本のみが異なる記載であるものが25種であった。また,これらの同一の基原が記載されている生薬の中にも,薬用部位などの記載が異なるものもみられた。生薬の指標成分及びその含有量の記載については,日本と中国,韓国のすべてで指標物質が一致している生薬は12種であったが,指標物質の含有量までが一致している生薬はみられなかった。
調査した230方剤の構成生薬の種類については,153方剤が国内の漢方診療施設において同一であり,附子や地黄,朮などの記載が異なっていた。中国や韓国との比較では,中国と韓国における構成生薬が同一で,日本のいずれかの構成生薬と一致したものは37方剤であった。配合比については,日本国内における構成生薬と配合比が同一であった方剤は3方剤のみであった。中国や韓国との比較では,中国と日本が同一であったものはなく,韓国と日本が同一であったものは4方剤のみであった。一方,中国と韓国が同一であったものも13方剤のみであった。
結論
日本及び中国,韓国において同一名で流通する生薬の基原,あるいは処方の構成生薬・配合比には異なるものがみられることが明らかとなり,本データベースの作成は,生薬や生薬製剤の国際標準化における日本の政策形成に寄与するものと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2012-06-01
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201129013C

収支報告書

文献番号
201129013Z