分子診断に基づくヌーナン症候群の診断・治療ガイドライン作成と新規病因遺伝子探索

文献情報

文献番号
201128270A
報告書区分
総括
研究課題名
分子診断に基づくヌーナン症候群の診断・治療ガイドライン作成と新規病因遺伝子探索
課題番号
H23-難治・一般-115
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
松原 洋一(東北大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 緒方 勤(浜松医科大学)
  • 黒澤 健司(神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター)
  • 岡本 伸彦(大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター)
  • 水野 誠司(愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所)
  • 大橋 博文(埼玉県立小児医療センター)
  • 川目 裕(お茶の水女子大学)
  • 呉 繁夫(東北大学 大学院医学系研究科 )
  • 栗山 進一(東北大学 大学院医学系研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、
1)わが国におけるヌーナン症候群の臨床診断と分子診断を集積するとともに、診断基準の作成と疾患概念の再編成を行う。
2)診療科を超えて患者数や合併症の実態を把握する。
3)実態調査に基づいて、ヌーナン症候群の診療ガイドラインを作成する。
4)まだ完全に解明されていないヌーナン症候群の新規原因遺伝子を探索する。
ことにある。
研究方法
1)Dysmorphologyを専門とする臨床遺伝専門医による医療機関への診断支援
2)類縁疾患を含む既知の病因遺伝子(PTPN11, RAF-1, SOS1, SHOC2, KRAS, HRAS, BRAF, MEK1, MEK2)の遺伝子解析
3)臨床症状・分子診断を加味した診断基準と成長曲線作成の検討
4)英国のヌーナン症候群診療ガイドラインの翻訳と分析
5)新規病因遺伝子の探索
6)医療機関・患者への情報提供
結果と考察
1)Dysmorphologyを専門とする臨床遺伝専門医による医療機関への診断支援をおこない、患者を発掘するとともに、類縁疾患を含む既知の病因遺伝子の解析を行った。
3)臨床症状・分子診断を加味した診断基準および成長曲線作成の検討を行った。
4)英国のヌーナン症候群診療ガイドラインを翻訳し分析した。今後、わが国の実情に合わせた診療ガイドラインを作成する予定である
5)次世代シークエンサーをもちいて新規病因遺伝子の探索をおこない、候補遺伝子を同定した。
6)ホームページを通じて、医療機関・患者への情報提供をおこなった。
結論
本研究において、類縁疾患を含むヌーナン症候群の遺伝子検査システムが整備された。当面は研究費による遺伝子検査提供が可能であるが、本研究班終了後の検査提供体制について行政的な措置(保険適用など)が必要と考えられる。今後、これまでに集積されたデータをもとに、わが国の医療事情に即した診断ガイドラインの作成を行う予定である。さらに、新規原因遺伝子検索を継続する予定である。

公開日・更新日

公開日
2013-03-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128270Z