文献情報
文献番号
201128194A
報告書区分
総括
研究課題名
神経・筋難病疾患の進行抑制治療効果を得るための新規医療機器、生体電位等で随意コントロールされた下肢装着型補助ロボットに関する治験準備研究
課題番号
H23-難治・一般-038
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
中島 孝(独立行政法人国立病院機構新潟病院 神経内科)
研究分担者(所属機関)
- 山海 嘉之(筑波大学大学院システム情報工学研究科)
- 前島伸一郎(埼玉医科大学医学部リハビリテーション科)
- 松田純(静岡大学人文学部)
- 松原洋子(立命館大学大学院先端総合学術研究科)
- 青木正志(東北大学大学院医学系研究科)
- 石川悠加(独立行政法人国立病院機構八雲病院 神経筋疾患マネジメント)
- 川口有美子(NPO法人ALS/MNDサポートセンター さくら会)
- 小林庸子(国立精神・神経医療研究センター病院 リハビリテーション科)
- 駒井清暢(独立行政法人国立病院機構医王病院 臨床神経学)
- 斎藤加代子(東京女子医科大学附属遺伝子医療センター )
- 中川正法(京都府立医科大学 神経内科)
- 中川義信(独立行政法人国立病院機構香川小児病院 脳神経外科)
- 中野今治(自治医科大学 内科学講座 神経内科学部門)
- 美馬達哉(京都大学医学研究科附属脳機能総合研究センター)
- 林知広(CYBERDYNE株式会社 つくば研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
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研究報告書(概要版)
研究目的
希少性神経筋難病である脊髄性筋萎縮症(SMA)、シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)など筋萎縮を来す疾患群は進行性・難治性であり,根本的治療法は成功しておらずいかなる治療によっても,上記疾患による骨格筋の筋力低下・萎縮の悪化速度を抑制することができず,緊急に解決すべき課題である. HAL(Hybrid assistive limb)は分担研究者である筑波大学の山海により開発された装着型ロボットで,人の生体電位に加速度,関節角度,床反力センサーなどの情報を組み合わせ,リアルタイムに骨格筋の随意運動を増強するために開発された.これを基にしてHAL-神経・筋難病型下肢モデル(HAL-HN01)が開発された.他のHALモデルとは異なり,病的筋の微小な電位をも検出し罹患筋をアシストできるものであり,これを上記疾患群に対して適切なプロとロールでの治療介入で進行抑制効果などの治療効果があるかどうかの仮説を設定し、薬事法に基づき、治験をおこなう必要がある。有効性が示せれば新規医療機器として承認申請が可能となる。
研究方法
医学専門家と臨床評価研究者により組み入れ基準、臨床評価方法を研究し,対照群と統計学的に群間評価する短期治験プロトコールの実施方法を研究した.安全性と被験者保護研究のために,社会学者と倫理・哲学者を分担研究者に加え,さらに、患者組み入れを円滑にするため患者団体を加え情報交換し研究をおこなった.PMDAの対面助言により科学的な助言指導を受けた.
結果と考察
本研究では治療法が無い希少性神経・筋難病患者がこのHAL-HN01を定期的,間欠的に装着し,適切なアシストにより上記の仮説を検証し,短期使用の治療効果により評価できる治験実施計画書を作成した.この為に,治験デザイン、統計解析方法を無作為化クロスオーバ法とした. 臨床評価方法を10m歩行時間,2分間歩行距離として主要評価項目とした. 副次項目として患者の報告するアウトカム(PRO)を検討した.治験調整のための組織を作り,安全性評価方法,標準業務手順書を作成した.PMDAの対面助言(薬事戦略相,開発前相談)で科学的な治験の方法について助言を得た
結論
治験課題名「希少性神経・筋難病疾患の進行抑制治療効果を得るための医療機器,生体電位等で随意コントロールされた下肢装着型補助ロボット(HAL-HN01)に関する医師主導治験-短期効果としての歩行改善効果に対する無作為化比較対照クロスオーバ治験(NCY-3001試験)(案)」の実施計画書が完成し、薬事法に基づく医師主導治験を実施できる準備が本研究により完了できた.
公開日・更新日
公開日
2013-03-04
更新日
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