びまん性肺疾患に関する調査研究

文献情報

文献番号
201128179A
報告書区分
総括
研究課題名
びまん性肺疾患に関する調査研究
課題番号
H23-難治・一般-023
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
杉山 幸比古(自治医科大学 医学部内科学講座呼吸器内科学部門)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 弘毅(札幌医科大学 内科学第三講座)
  • 西村 正治(北海道大学 大学院医学研究科呼吸器内科学分野)
  • 海老名 雅仁(東北大学 大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器病態学分野)
  • 稲瀬 直彦(東京医科歯科大学 呼吸器内科)
  • 吾妻 安良太(日本医科大学 内科学講座呼吸器・感染・腫瘍部門)
  • 福田 悠(日本医科大学 病理学講座解析人体病理学)
  • 本間 栄(東邦大学 医学部医学科内科学講座(大森)呼吸器内科)
  • 酒井 文和(埼玉医科大学 国際医療センター共通部門画像診断科)
  • 千田 金吾(浜松医科大学 内科学第二講座)
  • 長谷川 好規(名古屋大学 医学研究科呼吸器内科)
  • 伊達 洋至(京都大学 大学院医学研究科器官外科学講座呼吸器外科学)
  • 井上 義一( 国立病院機構近畿中央胸部疾患センター 呼吸不全・難治性肺疾患研究部)
  • 河野 修興(広島大学 大学院医歯薬学総合研究科分子内科学)
  • 西岡 安彦(徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部呼吸器・膠原病内科学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
45,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
原因不明の間質性肺炎である、特発性間質性肺炎の中でも最も予後不良で患者数も多い特発性肺線維症(IPF)に焦点をあてて、この難病の解明・治療法の開拓、患者さんのQOL改善を目的としている。
研究方法
平成23年度は重点項目として(1)疫学的研究、(2)新しい治療法の検討、(3)間質性肺炎合併肺癌の治療指針策定、(4)間質性肺炎患者QOLの改善、(5)診断の標準化の5つをあげて、これらに重点的に取り組んだ。(1)疫学的研究ーこれまでに引き続き、北海道地区において臨床調査個人票の解析を行った。(2)新しい治療法の検討ー新しい抗線維化薬ピルフェニドンの効果を多角的に解析した。WEB登録例の解析、国内第三相試験終了後の追跡調査を行った。急性増悪に対するPMX療法について、高度医療制度を用いた前向きの臨床研究のプロトコール作成を行った。(3)間質性肺炎合併肺癌の治療指針策定ー手術時の急性増悪のリスク解明の為、呼吸器外科学会主導にて大規模後向きリスク調査を行った。又、化学療法レジメンについては、安全性の面からのアンケート調査を行った。(4)間質性肺炎患者のQOL改善ー患者会の創設を目指し、その前段階としての患者・家族の勉強会を企画した。(5)その他ー診断の標準化のための、放射線科医、病理医間での検討を行った。
結果と考察
(1)疫学;予後規定因子の検討で、多変量解析では、%肺活量、重症度で有意差を認め、%肺活量が最も強く予後に関与していた。急性増悪死には%VC、抗核抗体が有意に関与していた。(2)新しい治療法;WEB登録例の解析から、ピルフェニドン+Nアセチルシステインの併用が有効である可能性が見出された。第3相試験の追跡により、ピルフェニドン中止により、元々重症度の高い群は予後が悪化したことから効果のある例では投与の続行が望まれる。(3)合併肺癌の手術リスクの大規模研究が終了し、平成24年5月に結果が発表される。(4)患者勉強会の準備が進められ、平成24年度の開催を予定している。
結論
新しい治療法への試みとして、ピルフェニドン+NACの併用、急性増悪へのPMX療法の検討をスタートさせた。患者QOL改善のための患者会創設の準備が整った。

公開日・更新日

公開日
2015-06-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128179Z