ミトコンドリア病の診断と治療に関する調査研究

文献情報

文献番号
201128172A
報告書区分
総括
研究課題名
ミトコンドリア病の診断と治療に関する調査研究
課題番号
H23-難治・一般-016
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
後藤 雄一(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所疾病研究第二部)
研究分担者(所属機関)
  • 飯塚 高浩(北里大学 医学部神経内科)
  • 太田 成男(日本医科大学 大学院医学研究科)
  • 大竹 明(埼玉医科大学 小児科)
  • 北風 政史(独立行政法人国立循環器病研究センター 病院・研究開発基盤センター)
  • 古賀 靖敏(久留米大学 大学院医学研究科)
  • 小牧 宏文(独立行政法人国立精神・神経医療研究セン ター 病院小児神経科)
  • 作田 亮一(獨協医科大学 越谷病院小児科)
  • 末岡 浩(慶應義塾大学 医学部産婦人科)
  • 須藤 章(北海道大学 大学院医学研究科)
  • 田中 雅嗣(地方独立行政法人東京都健康長寿医療セン ター(東京都健康長寿医療センター研究所)健康長寿ゲノム探索 )
  • 中川 正法(京都府立医科大学 神経内科)
  • 中田 和人(筑波大学 大学院生命環境科学研究科)
  • 萩野谷 和裕(東北大学 大学院医学研究科)
  • 山岨 達也(東京大学 医学部耳鼻咽喉科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
23,077,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ミトコンドリアに異常があると、大量のエネルギーを必要とする神経・筋、循環器、腎泌尿器系、血液系、視覚系、内分泌系、消化器系などに障害が起こる。なかでも、中枢神経や筋の症状を主体とするミトコンドリア病が代表的な疾患である。本研究では、ミトコンドリア病の検査手段(病理検査、生化学検査、DNA検査)の標準化と集約的診断体制の確立を行い、本疾患に関する情報提供手段の整備等を行い、臨床病型、重症度、合併症、主な治療の内容などの全国調査を行う。患者レジストリーを進め、具体的な治療に関する臨床研究や治験を進めることを目的とする。
研究方法
1)ミトコンドリア病の診断には、多臓器に渡る臨床症状の把握と3種類の検査方法(病理検査、生化学検査、遺伝子検査)が必要で、それらの標準化と集約的な診断体制を構築する準備をした。2)ミトコンドリア病をよく診ているのは小児科医と神経内科医であるが、よく合併する臓器症状を診ている関連診療科(循環器科、耳鼻科、精神神経科など)の専門医の参加も得て、臨床的に有用な重症度スケールを作成する。3)情報提供体制の整備として、患者・家族や本疾患を診ている医療従事者に対して、本疾患の医療情報をホームページ等で提供する。4)早期に臨床研究や治験に結びつく薬物に関する研究を行い具体的な臨床試験を実施する。5)ミトコンドリア病に関して、着床前診断を含む出生前診断や核移植治療についての情報収集や研究を行う。
結果と考察
1)現在我が国で行われているミトコンドリア病診断の中核をなす研究者や医療機関が本研究に参加しており診断拠点を作ることができた。2)多臓器の症状を的確に捉えるような重症度スケールの試案が作成されたので、来年度はその確定を行い実態調査の参考にする。3)診断や治療に関する情報提供における「ミトコンドリア病ハンドブック」の作成し、冊子を配布するとともに、難病センターからダウンロードできるように手配した。4)ピルビン酸ナトリウムの臨床試験の準備が行われた。5)着床前診断の症例の検討を行った。
結論
本年度はミトコンドリア病班として研究班が設立された最初の1年であった。ミトコンドリア病に関する、診断、治療、予防などに関する現状把握が大半の成果であった。診断基準や重症度スケールの作成などを次年度の早期に終了し、患者レジストリーと具体的な臨床試験の実施などを進めて行くことが本研究班の課題である。

公開日・更新日

公開日
2013-03-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128172Z