文献情報
文献番号
201128140A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性重症原発性局所多汗症の病態解析及び治療指針の確立
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-難治・一般-181
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
横関 博雄(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 玉田 康彦(愛知医科大学 医学部)
- 片山 一朗(大阪大学 医学部)
- 水澤 英洋(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 )
- 佐々木 成(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 )
- 中野 創(弘前大学 医学部)
- 岩瀬 敏(愛知医科大学 医学部)
- 藤本智子(田中智子)(多摩南部地域病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
今年度は塩化アルミニウム外用療法の有効性を二重盲検の臨床研究により確認した。また、代償性発汗の発症機序の解析と治療法の開発、発汗のメカニズムも解析した。
研究方法
東京医科歯科大学皮膚科、愛知医科大学皮膚科を受診した原発性局所多汗症の患者の中で、重症患者のなかで本研究の同意を取得後に、20%塩化アルミニウム液(6水和物)、50%塩化アルミニウム液(6水和物)、プラセボを無作為に割り付けし、二重盲検下で1日2回8週間塗布し、有効性及び安全性を評価。発汗の機序の解析はマウス汗腺をAQP5抗体で染色、共焦点顕微鏡にて観察した。
結果と考察
今年度は、原発性局所多汗症治療における塩化アルミニウム外用療法の科学的根拠(エビデンス)を蓄積することを目的とし、二重盲ランダム化比較試験により原発性局所多汗症に対する有効性、安全性を検討することとした。その結果、治療群で有意に効果があり安全性も証明された。原発性局所多汗症に対する内視鏡的交感神経節切除術(ETS)後に生じうる代償性発汗は患者のQOLを著しく低下させる。そこで代償性発汗の発症機序とその予防法、治療法について検討した。顔面発汗を温存し、手掌発汗も部分的に抑制することで、代償性多汗を予防できると考えられた。一方、代償性発汗部位にボツリヌス毒素A (BT-A) を2cm間隔で50カ所に2単位、合計100単位を局所注射することによる治療法の有用性を検討した。その結果、8症例で2ヶ月間の観察であるが、発汗量の減少とHDSSによる自覚症状の改善を全例に認めた。発汗におけるアクアポリン(AQ)5の役割も解析した。発汗時AQP5は汗腺分泌部において、細胞質から管腔膜にtrafficking (移動)することを通して原汗産生に重要な役割を果たしていると考えられる。今後、AQP5は発汗調節薬の標的として有望な候補と考える。原因遺伝子の同定を目的として、家族性の発症が明らかな家系例を収集した。アセチルコリン誘導性発汗にサブスタンスP、ヒスタミン、ある種の抗ヒスタミン薬が抑制的に働く可能性が推察された。
結論
マウスを用いた発汗の制御機構の解析も進みAQ5、アセチルコリンをターゲットとした新規治療法の可能性が示唆された点も意義があると考えられた。今後、遺伝性解析を行い、原因遺伝子を標的とした治療法の開発が望まれる。
公開日・更新日
公開日
2013-03-27
更新日
-