文献情報
文献番号
201128138A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性慢性痒疹・皮膚そう痒症の病態解析及び診断基準・治療指針の確立
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-難治・一般-179
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
横関 博雄(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 佐藤 貴浩(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
- 片山 一朗(大阪大学 医学部)
- 戸倉 新樹(浜松医科大学 )
- 烏山 一(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
- 高山 かおる(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
- 安東 嗣修(富山大学大学院)
- 宮地 良樹(京都大学 医学部)
- 室田 浩之(大阪大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では本邦における痒疹・皮膚そう痒症の診断基準、重症度基準を含む診療ガイドラインを作成して重症度にあった適切な標準的治療法の確立を目指す。さらに、痒疹・皮膚そう痒症の病態の解析に関してモデルマウスを用いて行う。
研究方法
慢性痒疹・皮膚そう痒症の治療に精通した皮膚科専門医を主体として診療ガイドライン作成委員会を発足させ慢性痒疹診療ガイドラインを作成。痒疹、蚊アレルギー性そう痒反応などのモデルマウスを用いた病態解析。
結果と考察
本年度、痒疹・皮膚そう痒症の概念、診断基準、治療指針を最終的に策定し、現在日本皮膚科学会誌で掲載中である。また、痒疹の発症機序に関する研究ではIgE依存性慢性アレルギー性皮膚炎症(IgE-CAI)における好塩基球浸潤はセレクチンリガンド修飾酵素α(1,3) fucosyltransferases-IV/VIIに依存性でこれらの酵素によって好塩基球上のPSGL-1が糖鎖修飾をうけL-セレクチンと結合することがIgE-CAI誘導に必須であることを明らかにした。また、mMCP-11により血管透過性の亢進・組織浮腫が観察された。蚊アレルギーによる痒み反応に樹状細胞-IL-18-好塩基球系が関与している可能性が示唆される。温度がそう痒を誘発する主要因子の一つと考えられているが、Arteminが皮膚末梢神経のTRPV1発現増加に貢献し温度知覚過敏を引き起こすことを確認した。さらに、アトピー性皮膚炎は、外因性と内因性に分類される。本研究においては、外因性と内因性アトピー性皮膚炎における皮疹の違いを検討し、痒疹もその違いに含まれるかを検討した。
結論
治療ガイドライン作成、発症機序の解析により難治性慢性痒疹、皮膚そう痒症に対する標準的な治療法、発症機序に基づいた新規療法が施行され高額医療費を伴う過剰医療を抑制して重症度に応じた治療指針により医療費削減も期待でき、労働生産性の向上も期待できる。
今後、このような痒疹の発症機序に基づいたピンポイントな新規治療法を開発する予定である。
今後、このような痒疹の発症機序に基づいたピンポイントな新規治療法を開発する予定である。
公開日・更新日
公開日
2013-03-27
更新日
-